子育ても大変だけど、子どもを授かることも簡単ではない。その理由は、不妊症(子宮内膜症や、多嚢胞性卵巣症、精子数の減少など)や、高齢出産、同性婚など、枚挙にいとまがないが、子供を授かることは一筋縄ではいかないことも。しかし、昨今は医学の進歩により、子供をもうけるための手段が数多く存在するのも確か。そのひとつが体外受精で、たくさんの人が家族を増やすためにこの方法を選択している。
一般的に「IVF」として知られる体外受精。イギリスの国民保健サービス(NHS)のウェブサイトではIVFについて、「生殖能力に問題を抱える人たちが子供を授かるために利用できる、いくつかの技術のひとつです」「体外受精では、女性の卵巣から卵子を取り出し、研究室で精子と受精させます。受精卵は胎芽と呼ばれ、女性の子宮に戻されて成長、発育します。あなたの卵子とあなたのパートナーの精子、またはドナーから提供された卵子と精子を使用して実施することができます」と説明されている。
イギリスでは、体外受精は2年間避妊をしないで定期的に性交をし、妊娠を試みている43歳以下の女性が受けることができる。NHSのウェブサイトには、「体外受精の成功率は、治療を受ける女性の年齢や、(わかっている場合は)不妊の原因によって異なります」「体外受精が必ずしも妊娠につながるとは限りません」という注釈も添えられている。
体外受精が必ずしも成功するとは限らないけれど、(NHSによるとその理由は「肉体的にも精神的にも負担が大きい」と指摘している)一方で不妊治療の経験についてオープンに語る人が増えてきている。こうした傾向は、これから親になる人たちの孤独感を和らげるのにきっと役立つだろう。
それを念頭に、ここでは不妊に悩んだ末に体外受精を受けた、もしくは体外受精について語ったことのあるセレブや著名人を紹介する。
Translation: Masayo Fukaya From COSMOPOLITAN UK
エマ・トンプソン&グレッグ・ワイズ
映画『ラブ・アクチュアリー』で有名なエマ・トンプソンと、夫のグレッグ・ワイズは、体外受精の経験について「残酷」だと表現している。
グレッグは、『デイリー・メール』に対し、「私たちは(2人の第1子であるガイアが)生まれた後、何度か体外受精を試みましたが、うまくいきませんでした」「体外受精は非常に心が動揺するものです。苦痛を伴うプロセスだし、感情的にもなるし、本当に大変な経験ですね。でも、その後、自分を取り戻して、周りを見回し、とにかくこの信じられないほど美しい小さな赤ちゃん(ガイア)がいるからいいじゃないかと思うのです」
ちなみに、娘のガイアも体外受精を経て誕生している。
エイミー・シューマー& クリス・フィッシャー
コメディアンで俳優のエイミーは、子宮内膜症の合併症で子宮を摘出する前に、息子に兄弟を作りたいと願い、夫とともに体外受精を受けた。
エイミーは2020年、Instagramで次のように綴っている。「IVFを始めて1週間が経ち、本当に疲れ切って感情的になっている。もし同じ経験した人がいたり、何かアドバイスがあったり、その経験を共有しても構わないという人がいたら、ぜひお願いします」「私たちは卵子を凍結し、ジーンに兄弟を作るためにはどうすればいいか考えているところよ」
レナ・ダナム
レナ・ダナムは『ハーパーズ・マガジン』のエッセイで、体外受精を受けた後に、残念ながら生存可能な卵子が採取できなかったことを明かしている。「世界的なパンデミックの最中のメモリアル・デー(戦没将兵追悼記念日)に、自分の卵子が1つも育たなかったことを知りました」
レナは後に『ピープル』に対して次のように語っている。「体外受精は私の体を破壊しました。重度の子宮内膜症に悩まされているのに、(子宮内膜症の炎症や痛みの原因になりやすい)エストロゲンで体を満たして……耐え難い痛みにさらされ、病気や不快感、不安やうつの症状をを乗り越えて懸命に取り組んだ結果、どの卵子も生存不可能であると知ったのですから、もう二度と経験したくないことだということははっきりしています。」