サプリメントなどで耳にすることの多い、コラーゲンペプチド。なんとなく、「肌や骨によさそう」というイメージはあるけれど、実はメリットがたくさんあるって知っていましたか?

今回は<オプラ・デイリー>より、コラーゲンペプチドのメリットや健康効果についてお届けします。

コラーゲンペプチドとは

コラーゲンとは、多くの動物や人間の体内に存在するタンパク質のこと。キートリー・メディカル・ニュートリション・セラピーの共同創設者で栄養士のスコット・キートリーさんによると、コラーゲンは3つのアミノ酸(タンパク質を構成する成分)からできていて、体内のタンパク質のおよそ3分の1を占めているそう。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校公衆衛生学の非常勤助教、ダナ・エリス・ハンズ博士は、コラーゲンペプチドについてこう説明します。

「コラーゲンペプチドはコラーゲンを分解して、より低分子化し、ペプチドという状態にしたものです」

コラーゲンを分解することで、体が吸収しやすくなるため、コラーゲンペプチドは粉末やカプセルのかたちでサプリメントとして一般的に摂取されています。

female hand pouring protein powder into glass of water on blue pink background
Tatiana//Getty Images

コラーゲンペプチドのメリット

コラーゲンペプチドについては多くのことが言われているけれど、専門家が認める確かなメリットは以下のとおり。

加齢によって失われるコラーゲンを補う

30歳を迎えると、体内で生産するコラーゲンは自然に減るもの。ある研究によると、体内のコラーゲン生産量は毎年1〜1.5%減少するという結果も。

Culina Healthの共同創設者、ヴァネッサ・リゼットさんは、コラーゲンを補う方法についてこのようにコメント。

「かつては、コラーゲンは他のものでは補えないと考えられていました。しかしコラーゲンを摂取することで、加齢とともに失われたコラーゲンを補いうることが解明されています」

コラーゲンは、他のタンパク質同様、単体やペアに分解されて体内に取り込まれ、これらのアミノ酸は、ありとあらゆるものに使われます。コラーゲンの修復のための特定のアミノ酸をとることで、可能性は当然高まるとキートリーさんは言います。

肌のうるおいや弾力アップ

コラーゲンペプチドが人気を集める最大の理由の一つで、これには裏づけとなる研究があります。

805人を対象に行ったプラセボ対照試験のメタ分析(複数の研究の結果を分析、統合したり、比較したりする分析研究法)では、1日最大10グラムのコラーゲンを摂取した人々は、摂取しなかった人々よりも、数カ月後に肌の弾力性やうるおいを感じたそう。研究者たちは、この結果を受けて、「期待できる」と結論づけています。

「顔にできる小じわやしわは、肌を引き締め、ふっくらさせる、体内のコラーゲンの減少によるものです」と語るのは、『ザ・スモール・チェンジ・ダイエット(原題)』の著者である、ケリ・ガンズさん。またハンズ博士も、コラーゲンペプチドはすでに肌に存在しているコラーゲンをサポートすることで、うるおいや弾力性を与える可能性があると付け加えます。

ただし、コラーゲンペプチドから得られるメリットのためにいくらサプリメントを足したとしても、限界があることも忘れずに。

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Caroline Tompkins / Refinery29 for Getty Images//Getty Images

手軽なタンパク質源になる

タンパク質は筋肉を増やし、維持したり、腹持ちをよくしたりする重要な栄養素。コラーゲンは、胃にやさしいタンパク質源となります。

コラーゲンはもともと分解しやすいものだけど、ペプチドはさらに分解しやすくなっているとのこと。

関節の健康に役立つ

コラーゲンは関節の結合組織にも作用する可能性が。あるメタ分析によると、コラーゲンペプチドには、変形性関節症や軟骨の損傷などがある人々に「有益な効果」が見られたそう。

別の研究では、ひざに痛みを抱えるアスリートに、毎日5グラムのコラーゲンペプチドを12週間摂取してもらったところ、プラセボ(偽薬)を摂取した他の人々と比べて、運動時の関節の痛みが減少したという結果に。

コラーゲンペプチドは、「関節の間にある軟骨の弾力性や厚みを増すと考えられています」と、ハンズ博士も話します。

骨の健康に役立つ

骨には欠かせないコラーゲン。加齢によるコラーゲンの減少とともに、骨は弱くなります。ガンズさんも下記のように説明します。

「正常な老化現象ですが、残念ながら骨はコラーゲンによって強くなるので、コラーゲンの減少は、骨密度や筋肉量の減少となりえます」

骨粗しょう症を治療したり、予防したりするのには、コラーゲンペプチドが有効だという研究も。ある研究では、更年期後の女性102人に1年間コラーゲンペプチドを摂取してもらったところ、プラセボを摂取した人々に比べて、骨密度が上がっていたそう。

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PixelsEffect//Getty Images

腸の健康に役立つ

他の健康効果に比べると、コラーゲンペプチドと腸の健康との関連はそれほど強くないものの、炎症性腸疾患(IBD)にコラーゲンペプチドが効果を発揮することを示唆するエビデンスもあります。

ある研究では、IBDの患者がコラーゲン繊維を分解するのに困難を抱えていることを発見し、別の研究では、IBDの患者さんには、血液中の特定のコラーゲンタイプ(4型)が少ないことが判明。

ということは、消化器系の疾患を抱えている人は、コラーゲンを足すことで、腸の状態が改善する可能性も。「特に魚由来のコラーゲンは、炎症性大腸炎の原因の一つと考えられる、腸管バリア機能の障害を緩和すると言われています」とキートリーさんは言います。

心臓の健康に役立つ

多くのエビデンスはないものの、ある小規模な研究で、アテローム性動脈硬化症(太い動脈や中型の動脈の壁の中に主に脂肪で構成されるまだら状の沈着物が形成され、それにより血流が減少ないし遮断される病気)の患者に、1日2回コラーゲンを摂取してもらったところ、動脈の内側にできるプラークの状態を示す指標が、研究を開始した頃よりも改善したという結果に。

また、コラーゲンペプチドは「血管をしなやかにする働きがあるため、摂取し続けることで、健康な血管を保つことが期待できます」とリゼットさん。


専門家たちが総じて語るのは、コラーゲンペプチドは幅広い人々に役立つということ。特にさらにタンパク質をとり入れたい人、更年期後の女性、アスリートにはおすすめです。

※この翻訳は、抄訳です。
Translation:mayuko akimoto
OPRAH DAILY