「疲れがたまっている」「気持ちが落ち込みがち」「ストレスに押しつぶされそう」―― そんな心も身体もつらい状態のとき、あなたはどうしていますか? お酒を飲んだり、好きなものをやけ食いしたり、衝動的な買い物で気分転換をはかる人もいるかもしれません。

欲望のままにストレス発散をするのもいいけれど、健康的な方法として試してみてほしいのが「ヨガ」。研究によると、ヨガはストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールを減少させ、体全体の健康回復効果が期待できるそう。それも、1日15分やるだけでいいのだとか!

そこで『Sorted: The Active Woman's Guide to Health(これで解決:アクティブな女性のための健康ガイド/原題訳)』の著者でもあるジュリエット・マクグラッタン医師が監修した「毎日ヨガをすることで得られる健康メリット」を<ネットドクター>からお届け。

少しの時間やるだけで、心身共にスッキリするのがヨガの良いところ。「なんだか調子が出ないかな」と思ったら、試してみて損はないはず!


【INDEX】


柔軟性がアップする

「そもそもヨガって、体がや軟らかくないとできないのでは…?」と思っている人も多いかも。でも本当は、誰でも実践できることがヨガの魅力。「英雄のポーズ」や「ダウンドッグのポーズ」を1日数分やってみるだけで、体が硬かった人も徐々に柔軟性が出てくるのだとか。

体が鍛えられる

「体を鍛える」と聞くと、ジムの中を汗だくで走りまわったり、真っ赤な顔をしてウェイトトレーニングをがんばることをイメージしがち。ヨガは毎日やるだけで、筋肉がしなやかに伸び、そして自然に鍛えられるのだとか。プランクのようなポーズは腕、脚、肩、腹筋を同時に鍛えることも可能なので一挙両得。

姿勢が良くなる

毎日のヨガは姿勢の改善にも効果的。歩くときに背筋がすっと伸び、デスクワーク中の着席姿勢も良くなるんだそう。腰痛は、姿勢の悪さが原因で発症することがある症状。ヨガを続けることで痛みが緩和されることも。

全身運動にもなる

ヨガは有酸素運動と筋力トレーニングの要素を併せもつ、全身運動だって知ってた? さまざまなポーズを組み合わせれば、自宅で全身をくまなくしっかり動かすことができるそう。ジムに行かずにすむので、時間を有効活用できるのもメリット。

ダイエット効果

ホットヨガに毎日通ったり、難しいポーズを無理してがんばらなくても、ベーシックなヨガで減量効果を得られることも。毎日無理なくヨガを続けるだけで代謝システムが活性化し、脂肪の燃焼を助け、減量に繋がるのだそう。

また、毎日のヨガは体内のホルモンバランスを正常化し、本来の体型に合った体重に戻してくれるという効果も。

自己認識を育む

ヨガを続けることで(ストレスに反応して放出される)コルチゾールのレベルが下がり、過食を減らすことも可能に。毎日のヨガは、心と体のつながりを強める行為。ストレス発散の暴食を避け、より効果的な対処法に導いてくれるそう。

元気がみなぎる

毎日数分ヨガをすることで、忙しい1日をやり遂げるエネルギーが湧き、より長い時間フレッシュな状態を保つことができるそう。ヨガはポーズだけでなく、呼吸法も大切。特に元気のないときにヨガをすると、体と呼吸がお互いに反応し、心身共に活力がみなぎるようになるとか。

また、毎日のヨガは体内のエナジーセンターである「チャクラ」を目覚めさせてくれるもの。「木のポーズ」で背骨を伸ばし、全身にエネルギーを循環させたり、「コブラのポーズ」で胸を開き、たっぷりと呼吸するポーズが効果的。

ストレス軽減

ヨガのストレス軽減効果は広く知られており、なかにはランチタイムにヨガのセッションを提供している企業もあるよう。たとえ短い時間であっても、ヨガはポーズ、呼吸法、瞑想の3つの要素で構成されていることが鉄則。

研究によると、3つの要素を含んだヨガを定期的に実践している人は、心拍変動(HRV)を調整する能力が高いという結果が。心拍数が下がり、ストレスに柔軟に対応する能力を体得できるとか。

安眠効果

強度のストレスから熟睡できず、夜中に何度も目が覚めてしまう…。不眠に悩む人はとても多いけれど、研究によると毎日のヨガは不眠症の軽減効果もあるとのこと。

不眠がつらいときは、立体前屈(ウッタナーサナ)や仰向けに寝て両足を壁に上げるなど、リラックスできる姿勢(アーサナ)やポーズを試してみて。深く穏やかに呼吸をすることは、すべてのヨガに欠かせないことも忘れずに。呼吸を意識しつつリラックスできるポーズを取ることで、体も心も落ちくことが実感できるはず。

呼吸が深くなる

深く穏やかに呼吸をすることは、ヨガに欠かせないポイント。ゆっくりとお腹の中から肺の上まで空気を巡らすように、集中して深く呼吸するのがヨガの呼吸法(プラーナーヤーマなど)。

この呼吸法を行うとリラックスするだけでなく、心身のバランスが保て、自信を持って1日を過ごすことができるそう。また肺活量の増加や一回換気量(肺が一度に保持できる空気の総量)も増えるなどの効果もあるとのこと。

こうしたヨガの呼吸法を体得しておけば、なにがあっても安心。緊急事態に直面しても落ち着きをキープでき、ストレスの多い状況下でもクリアに物を考えられるそう。また痛みを軽減する効果も期待できるとか。

代謝を促進

ヨガは体内のストレスホルモンのレベルを下げ、神経系を落ち着かせてくれるもの。研究によると、定期的にヨガを行うことでサイトカインなどの炎症誘発マーカーのレベルが下がり、慢性的な炎症を抑えることができるのだとか。

幸福感が高まる

研究によると、定期的にヨガや瞑想を行うと、セロトニン(幸せホルモン)のレベルが高まることが判明。また同じ研究で長期的にヨガを実践している人は、脳内の満足感を感じる部分の量が多いことが証明されているのだとか。

また別の研究によると、ヨガをすると脳のy-アミノ酪酸(GABA)レベルが高くなることもわかっているそう。GABAのレベルが高いことは、うつ病や不安感のレベルが低いことと関連。つまり朝15分ヨガを行うと、脳内が変化し、1日を良い気分でスタートできるということに!

マインドフルネスな状態を保てる

ヨガとマインドフルネスはとても近い存在。ヨガとはポーズを変えながら、自分の意識を感覚や思考、感情に移していく行為。この「意識」とは、マインドフルネスの主な目的である「今、この瞬間」を見つめることであり、つまり幸福感や集中力に直結しているものなんだとか。

マインドフルネスな状態をキープすることは、ヨガ同様、心身に大きな効果をもたらすもの。穏やかでリラックスした気分になり、ストレスや不安を感じることも減少。エネルギーや「頑張ろう」という熱意がみなぎり、自信や自己受容につながるよう。

集中力を高める

ヨガのポーズや瞑想中、呼吸に集中することはとても重要。呼吸をしている状態を自ら意識し観察することで心が落ち着き、リラックスするのだそう。精神の安定は記憶力の向上にも効果があるとか。毎朝、たった数分間瞑想するだけで、1日中集中力をキープすることができるように。

クリアな思考を保てる

ストレスや緊張感が軽減すると、記憶がより鮮明によみがえるようになり、論理的な思考を保つことが可能に。心がすっきり、かつリフレッシュしているときにこそ認知機能は向上するものなのだそう。

安らぎと落ち着きのある状態であってはじめて、精神機能を効率的に使うことができるというもの。つまり、毎日のヨガで心身共に緩和すると、よりシャープで整理された思考が可能になるのだとか。

長寿効果も期待

毎日のヨガは健康レベルの向上や心拍数を調整してくれるだけでなく、ストレスレベルを下げ、幸せな人生を導いてくれるもの。

また、ヨガは心臓病のリスクを減少させ、寿命に直接左右する面があることもわかっているそう。研究によると、(ヨガの)瞑想は染色体の末端にあるテロメア(キャップ)を保護し、“老化の遅らせる”作用がある可能性も考えられるとか。

※この翻訳は、抄訳です。

Translation: 宮田華子

NETDOCTOR