まれではあるものの、腎臓のはたらきが正常な状態の15%未満になる末期腎不全を抱える人たちに見られることが多い疾患「カルシフィラキシス」。この疾患は激しい痛みをともなう皮膚の損傷を引き起こし、傷の治癒が難しいとされるうえ、患者は頻繁な入退院や通院を余儀なくされます。

そして最近、114万人を超えるInstagramフォロワーをもつインフルエンサーが、カルシフィラキシス闘病後の身体の様子とこの疾患についてシェアしました。

「これは闘病の証」

2023年10月19日、普段Instagramでエクササイズに励む様子を公開しているレクシー・リードさんが自身の身体を映した動画を投稿。

「リアルで生々しい、ありのままの傷つきやすい部分。でも、これはカルシフィラキシスという珍しい疾患と闘った末、私の身体に残された傷」

動画には、レクシーさんが携帯を片手にお腹や脚、腕にある傷を笑顔で撮影している様子が映っています。

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「目が覚めないかもしれない」

カルシフィラキシスを発症してから、SNSで度々闘病の様子をシェアしてきたレクシーさんは、59週間(約1年2カ月間)にも及ぶ治療を終え、2023年7月に病院から正式に「寛解(かんかい)した」と告げられました

そして長い闘病生活を乗り越えた今、レクシーさんは改めて当時のことを振り返ります。

「『カルシフィラキシス』--私が実際に罹患して世界が一変するまで、聞いたこともなかった珍しい疾患です。あまりに珍しいので、治療に取り掛かる前に、医師たちがまずその疾患について調べなければならなかったほどです」
「太ももから肩にかけての皮膚が壊死し、心身を苦しめるほどの傷を生む疾患です。涙に暮れ、『私はこの苦しみに耐えられるほど強いのだろうか?』と不安を抱く毎日を過ごしました」
「罹患したときの死亡率が45~80%と高く、傷から感染症にかかるリスクも高くて、“半年から1年生きられたらラッキー”と言われました。『目が覚めないかもしれない』『パートナーや愛する人にもう会えないかもしれない』『これが私の最期の瞬間になるかもしれない』と、毎日毎日、体の芯から湧いてくる恐怖におびえていました」

死亡率の高さや余命宣告ともとれる医師からの発言を受け、想像しがたいほどの不安や痛みとの闘いを終えたレクシーさんの身体には、今も疾患の恐ろしさをうかがわせる傷跡が残っています。

今回、自身の身体の様子をシェアした彼女は、この投稿を次のように締めくくっています。

すべての傷跡は、命をかけてあらゆる困難に立ち向かい、闘ってきた証。傷は回復していますし、今後カルシフィラキシスが私にどんな困難を与えようとも、私は諦めません」