元祖お騒がせセレブとして知られる、パリス・ヒルトン(40歳)。その明るいキャラクターとは裏腹に、実は10代の頃に寄宿学校で虐待されていた過去があり、現在でも当時の悪夢を見るほどトラウマになっているんだそう。先日、パリスが改めてその恐ろしい体験をワシントン・ポスト紙>に綴ったことが話題に。

ヤンチャな思春期を過ごしていたというパリスは、当時の自宅だったニューヨークのホテルから頻繁に抜け出し、両親に携帯電話やクレジットカードを取り上げられるなど荒れた生活を送っていたんだそう。そんなパリスにお手上げ状態だった両親は、非行や問題行動を正したり、精神面での成長を目的とする寄宿学校にパリスを入学させることに。

当時を振り返ったパリスは、「入学ではなく両親が認めた上での誘拐だった」とし、寄宿学校での悲惨な体験について告白

「16歳のとき、夜中に手錠を持った2人の男性に突然起こされました。『大人しく我々の言うことを聞くか、辛い方を選ぶか、どっちだ』と言われ、家から連れ去られました。私は助けを求め叫びました。なぜ、連れ去られているのか、そしてどこに連れて行かれるのか、何も分からなかった。ただ、すぐに気づいたことは、地獄に連れて行かれたこということでした」
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「両親は連れ去られる私をただ見ているだけでした。なぜなら、これ以外に方法はないと両親は信じさせられていたから」

計4つの寄宿学校に入ったことがあり、そのすべてで身体的と精神的な虐待をスタッフから受けたと明かしているパリス。

時には首を絞められたり、顔をビンタされたり、シャワー中も見張られたり、さらには睡眠も取らせてくれなかったという。少しでも逃げようとすると、見せしめとして暴力を振るわれたとも。さらに、正式な診断がないにも関わらず、薬を無理矢理飲まされることもあったそう。

中でも、最後に入学し、11カ月ほどを過ごしたユタ州にある寄宿学校での虐待は、他と比べ物にならないほどの酷さだったという。

「学校だとしながらも、授業は二の次でした。朝目覚めた瞬間から就寝するまで、ただ怒鳴られ続けたんです。一日中拷問を受けていました。私が自己嫌悪に陥るよう、スタッフは傷つける言葉だけを発し続け、いじめてきました。私たちが壊れてしまうことを彼らは目的としていたんだと思います。そして、怯えて反抗できなくなるように、恐怖心を植えつけてきたんです」

両親とは2~3カ月に一度だけ話せるという状況だったことや、話す内容も常に監視されていたため、そんな世界から逃げ出すこともできなかったというパリス。

「壁に引っ掻いた跡や血痕がついた独房で監禁されたこともありました。そして、外の世界とのコミュニケーションは全て監視され、さらに(手紙などは)検問されていたので、虐待を訴えることもできなかった。このような施設の多くは、両親に対しては『虐待を訴えてきても子どもの言うことを信じないように』と説き伏せるし、子どもたちには『助けを求めても無駄』と言い聞かせるんです」

次第にパリスはパニック発作を起こすようになり、毎日泣くように。 18歳で“卒業”できたものの、その経験を「恥ずかしい」と思い、誰にも話せない日々が続いたという。

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「施設から帰ってきて間もない、18歳の私。傷ついていることが目に表れています。あまりにもひどいトラウマを負っていたので、大丈夫なふりをして、傷ついた記憶を忘れようとしていました。こうして子どもたちを救おうと活動している今の私を、当時の私はきっと誇りに思ってくれるでしょう」

そんなパリスは、虐待被害から20年以上が経過し、ようやく前に進める気がして告白するに至ったという。現在は、YouTubeのドキュメンタリーで詳細を語ったり、ティーンエイジャーを標的としたビジネスを規制するよう政府に働きかけるために証言台で虐待を告白するなど積極的に活動している。

「アメリカでは、12万人もの若者が寄宿学校に入学しているにも関わらず、きちんと管理されていない」と訴えているパリス。2020年には、同様の施設で、サンドイッチを投げたという学生がスタッフに虐待され死亡した事件が報道されたことも。

パリスは、これ以上の被害者が出ないために、「子どもの人権が守られていることを証明するシステムを作ること」「これは基本的な人権を脅かす問題で、即座に行動しなければならない」と、バイデン大統領と政府に訴えている。