ドナルド・トランプ米大統領によるTwitterでの発言が、またも波紋を呼んでいる。先月、トランスジェンダーの入隊に関する意向発表を延期していたトランプ大統領だったが、26日(現地時間)にアメリカ軍におけるトランスジェンダーのいかなる勤務も禁止することを発表。LGBTQコミュニティに理解を示し、すべての人々が安心して米軍に入隊できるよう手術をする場合の治療費を国が負担するという方針を発表していたオバマ政権時の方向性を大きく覆すことに…。このショッキングなニュースを受けて、即座に声を上げたセレブたちの反応をご紹介!

複数回にわたって、米軍のトランスジェンダーコミュニティに対する対応についてツイートしたトランプ大統領。

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「米軍幹部や専門家と協議をした結果、アメリカ政府はいかなる職務であれ、トランスジェンダーを米軍に受け入れないことを決定した。現在の米軍は圧勝することに集中しなければならぬ、生じかねない分裂やトランスジェンダーに対する膨大な医療費を背負うわけにはいきません。以上」

この発表を受け、大統領が指摘する医療費が本当に"膨大"であるかについて疑問視している現地メディアも少なくない。

米軍に属するトランスジェンダーの医療費を検証した<People>や<コスモポリタン アメリカ版>によると、米軍にはおよそ1,320名から6,630名のトランスジェンダーが現役勤務していて、830名から4,160名が予備軍にいるそう。そのうち性転換に関連する手術を1年間で受ける人は29名から129名で、費用は240万ドルから840万ドル(約26000万円から93000万円)。

確かに数字だけ見ると膨大にも思えるが、その他の費用と比べると全体の0.005パーセントから0.017パーセントなのだそう。さらに、米軍が負担している勃起障害の治療では毎年8400万ドル(約93億円)を要しており、バイアグラだけでも4100万ドル以上(約45億円)を使用しているという。

セレブによる抗議

トランスジェンダー活動家のケイトリン・ジェンナー

以前、「トランプ大統領はLGBT関連の過ちを犯した」と言いながらも支持を表明していた共和党派のケイトリン。しかし、米軍からトランスジェンダーを排除する意向についてすぐに反応。

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「米軍には15,000人の愛国心を持ったトランスジェンダーのアメリカ人が、すべての国民のために戦っている。彼らのために戦うと言った約束はどうなったのですか?」

さらにケイトリンは、自身のサイトにもこのように綴った。

「これは、国のために制服を着て戦っている人に対する侮辱。すべてのアメリカ人が激怒するべき」

レディー・ガガ:

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「トランスジェンダーのコミュニティには強く勇敢な人がいます。彼らが軍で働きたいのであれば、そうさせるべき。そして入隊したのであれば、名誉を与えるべき」

キム・カーダシアン:

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「軍からトランスジェンダーの人々を追放するのは間違ってる。国のために入隊したい人に感謝するべきだわ」

レナ・ダナム:

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「トランスジェンダーのティーンたちへ。あなたたちが世界に飛び立った時、待っているのはあふれんばかりの愛情、サポートと誇りです。"彼"は、それらを代表していないからね」

カナダ軍までもがツイート:

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「我々はどのような性的指向や性的認識であれ、すべてのカナダ人を歓迎します。ぜひ参加してください。 #ダイバーシティが我々の強み」

ジェームズ・コーデン:

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「イヴァンカさん、ジェームズです。元気ですか? 頼みごとがあるんですが、お父さんに電話して話してくれませんか?」

デミ・ロヴァート:

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「トランスジェンダーコミュニティには、私はあなたたちを愛していることと、何があってもサポートすることを知ってほしいわ。 #トランスジェンダーの軍人を守って」

自身もトランスジェンダーであるラヴァーン・コックス:

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「ここ数年で多くの軍にいるトランスジェンダーのアメリカ人に出会いました。性別を間違えられたり、屈辱的な経験をしたと聞いています。自らの命を危険にさらしているのに。(中略)このような大統領の決断もありますが、トランスジェンダーの人々には、私たちはみんなの安全を尊重し、軍での勤務を尊敬し、全員に価値があるというメッセージを一丸となって送りましょう」

再び注目を集めているトランプ大統領の過去のツイート

今回の発表を受け、以前トランプ大統領やイヴァンカ・トランプが発信したツイートが再び注目を浴びている。なぜなら、彼らはLGBTコミュニティのために戦うことを発表していたから。

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トランプ氏によるツイート。「LGBTコミュニティには感謝する! 私はヒラリーと違って、あなた方の自由と信念を脅かすことなく戦う」

イヴァンカ・トランプも同様のツイートを先月したばかり。

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「私は、社会と経済に貢献してくれているLGBTQの友人やアメリカ人を誇り思ってサポートします」

以前から、保守派のトランプ政権になったことでLGBTQの立場が危ぶまれるのでは、と危機を感じていた人々は少なくなかった。一方でケイトリンを含め、大統領やその娘によるサポート表明に懸けていた人もいたはず。そんな中、ジェンダーのみを理由に「国のために戦う」という意志のある人々を軍隊から排除するという暴挙には、セレブたちもショックを隠し切れないよう。

20年にわたり軍人として働き、対テロ部隊にも属し、海軍のエリートにもなったトランスジェンダー女性に密着したドキュメンタリー映画『Lady Valor』。彼女が自分らしさを取り戻していく様や、身体的にも女性へと変化を遂げていく姿が話題になり、世界中から称賛が集まったことも記憶に新しい。

また、オバマ政権の下で、米軍内のジェンダーにまつわる課題が大きく前進し始めたばかりだったため、今回のトランプ大統領の決断を、多くの人が「何十年も時代を戻るよう」だと表現しているのも頷ける。