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クラシック女優の生き方に学ぶ⑪ツイッギー Twiggy

この連載ラストを飾るのは、60年代を語るのに絶対に外せないツイッギー! キュートかつクール、キッチュで大胆なファッションは、今見ても新鮮で、参考にしたいオシャレが盛りだくさん。写真を見ているだけで楽しくワクワクしてくる、そんなモデル・女優の代表格は、ツイッギーだろう。

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"ミニの女王"ツイッギーは今も女子の憧れ!

1966年。水星のごとく、モデル界にデビューしたツイッギーは16歳だった。その芸名の由来になった小枝(=twiggy)のように細い手足はグラマラスが美人という概念を覆し、彼女が着た膝上20センチのマリー・クヮントのミニスカートは世界的に大流行。カラータイツやローヒールでセクシーさを抑えたコーディネートはモッズ・ファッションの代表格となってもてはやされ、タイトなショートカットは「女性=ロングヘア」という美意識を古いものに。女性に必須だった赤いルージュを封印し、代わりにボーイッシュでイノセントな魅力を際立たせたベージュピンクのリップをベストセラーにした。

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こんなボーイッシュなスタイルもツイッギーの得意技!

彼女自身は自分の細い身体が嫌で、もっと太りたくてたくさん食べたり、胸に詰め物をしたりしていたそうだが、そんなコンプレックスを逆に個性として強調して時代の寵児となったツイッギー。

これまでのオシャレの概念をガラリと変えたファッションアイコンとしては多くの人が知るところだろうけれど、彼女が変えてしまったもうひとつの概念に“モデルの表現方法”もある。ツイッギー登場以前は、すました顔でポージングするばかりで、自己表現するモデルはいなかったけれど、彼女は口を大きく開けて笑ったり、おどけたり、踊ったりと、実にバラエティ豊かな写真を残しているのが大きな違い。また、コーディネートにも自身のセンスを発揮して、パーソナルな魅力を発信し始めたのも彼女が初めて。モデルの常識を打ち破り、スーパーモデルの走りとなったのだ。

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恋人にしてマネージャー、プロデューサーのジャスティン・デ・ヴィルヌーヴと

影響力絶大だったものの、実はモデル活動はたった4年。やはり表現者としての才能と欲求が高かったのだろう、潔くモデルを辞めた後は女優に転身した。ケン・ラッセルのミュージカル映画『ボーイフレンド』に出演したのを皮切りに、ブロードウェイに進出して活躍。歌うことも大好きな彼女は歌唱力にも定評があり、アルバムも何枚もリリースしている。彼女を見ていると、自分を肯定して好きなことを究めることが人生を豊かにするのだと感じる。