ある大学が行った"アンケート"が、物議を醸す事態となった。
コスモポリタン アメリカ版によると、問題となったのは南カリフォルニア大学(以下USC)が行った"強制アンケート"。キャンパス内でのレイプなどの性的暴行事件をなくすという名目で、学生の性体験を事細かに聞くという調査だったらしい。
アメリカの大学で多く行なわれている特別授業がある。それはTitle IX(タイトル・ナイン)という男女の機会均等を保証する法律やセックスと性犯罪についての授業。USCもこの授業を、全学生を対象にオンラインで行っていた。しかし、授業の一部として、必ず初めにこの"アンケート"に答えなければならなかったよう。サイト<Campus Reform>によると、期限までにアンケートに答えなければ、次学期の授業にも参加させてもらえないという罰則付きだったらしい。
このアンケートはアメリカで大きく批判され、大学は謝罪し、アンケートを撤廃することとなった。
アメリカの大学や大学院では女子学生の約1/4が性犯罪に巻き込まれているという数字が出るほど、性犯罪率がとても高い。そのため、学生の意識を変えようとTitle IXや性犯罪防止の取り組みに力を入れたり、相手に承諾を得てから性的行為をするよう教える大学が多い。USCが学生にネットで配信した授業はCampusClarityという団体が他の200大学にも提供したものと同じだった。
ただしアンケートはUSC独自のもの。<Campus Reform>によると下記のような質問が書かれていたらしい。
- 友人の何パーセントが1カ月に最低1回はセックス(オーラルセックス含む)していると思いますか?
- あなたは過去3カ月間、何度セックス(オーラルセックス含む)をしましたか?
- あなたは過去3カ月間、何人とセックス(オーラルセックス含む)をしましたか?
- 過去3カ月の間にセックス(オーラルセックス含む)をした場合、そのうち何回飲酒をしていましたか?
- 過去3カ月の間にセックス(オーラルセックス含む)をした場合、そのうち何回ドラッグを摂取していましたか?
- 過去3カ月の間にセックス(オーラルセックス含む)をした場合、そのうち何回コンドームを使いましたか?
この内容に、USCの学生のみならず、多くのネットユーザーが怒りを露わにした。
「超個人的な質問だらけでした」と、USCの学生ジェイコブ・エレンホーンさんは<Campus Reform>に語っている。
「USCの必修授業では学生に具体的な性遍歴を開示するよう求めている。変態たちはお互いに答えを教え合っているらしい。学生たちは、とにかく嘘を書くように」
「USCが細かく性経験を教えるように求めている」
「私なら、子供の代わりにアンケートに答えて、他の学校に通わせる。こんな学校に子供を通わせないで」
この出来事の約1年前にアメリカ大学協会(以下AAU)が作成したアンケートがあった。このアンケートにもUSCは参加しており、性遍歴についての質問も記載されていたが、大きな違いは強制的ではなかったというところ。大学の参加も学生の参加も任意だった。不参加だった場合の罰則もなく、アンケートも完全に匿名で行われた。
皮肉にもそのAAUが実施したアンケートでは、USCが一番性犯罪率の高い大学という結果となった。回答者の参加率は19.4パーセントと低かったが、内29.7パーセントの女子大学生(院生含まない)が"大学へ進学後に性的暴行や何かしらの性的違法行為"を受けていたことが分かった。
問題になったアンケートについてUSCは謝罪し、性関連の質問はアンケートから削除された。特別授業への参加は必須のままだが、現在は個人的な質問に答えなくても授業への参加が可能となっている。
※この翻訳は、抄訳です。