アメリカの大統領官邸であるホワイトハウスは毎年、クリスマスを前に華やかなデコレーションで覆いつくされます。
特に2023年は、ジル・バイデン大統領夫人が写真共有サービスのPinterest(ピンタレスト)とチームを組んだことで、ホワイトハウスは正真正銘の“おとぎの国”のように、その姿を変えています。
2023年のテーマは?
今回のデコレーションのテーマは、「Magic, Wonder, and Joy(魔法、驚き、そして喜び)」。約3万4,000個のきらめくオーナメントや、およそ14万2,000個の瞬くライト、そしていくつもの巨大なキャンディケインを見ることで、訪れる人たちに「それぞれのインナーチャイルド(心の中の子どもらしい側面や子どもの頃から変わらない部分)を抱きしめてあげてほしい」というファーストレディの願いが込められています。
ジル夫人は<エル・デコ>に対し、「仮装してクリスマスページェント(キリスト教劇の一つ)に参加するための衣装を作ったり、ツリーに飾るためにポップコーンを糸でつないだり、手形のオーナメントを作ったり、(クリスマス)ホリデーは“あらゆる年齢の子どもたち”にとって、創造性と想像力を発揮できるときです」と語っています。
ホワイトハウス内の部屋には、それぞれに異なるデコレーションが施されています。ステート・ダイニングルームには、約23kgのロイヤルアイシングを使って真っ白に塗り上げたジンジャーブレッドで作ったホワイトハウスが登場。また、出版からちょうど200年を迎えたことを記念して、シュガークッキーで作った巨大な『クリスマスのまえのばん』の絵本も飾られています。
また、ステート・ダイニングルームは“サンタクロースの作業場”にもなっています。たくさんのクリスマスツリーの周りには、エルフたちが作業をするためのいくつものカラフルな作業台と色々な道具、準備中のプレゼントなどが置かれています。
そしてチャイナルームは、「ウィリー・ウォンカのチョコレート店」を思わせるような「ホワイトハウス・スイーツショップ」に変身。カラフルなマカロンやバブルガム・ピンクのジンジャーブレッドハウス、3段重ねのケーキなどが置かれています。
エントランスホールでは、クリスマスツリーと白い家が並ぶ村の上を、サンタクロースが乗ったソリを引くトナカイが“走って”いる様子が。
そのほか、ホワイトハウスの「公式クリスマスツリー」は、例年どおりブルールームに設置されています。ノースカロライナ州のフリートウッドから運ばれた高さおよそ5.6mの「フレイザーモミ」を使ったツリーのために、天井のシャンデリアは取り外されているもよう。
過去のデコレーション
ジル夫人が手がけたカラフルなデコレーションは、前任のトランプ大統領の妻、メラニア夫人が選んだテーマとはまさに対照的。これに対し、<カット>誌は2020年、メラニア夫人が2018年にホワイトハウスの廊下に飾ったツリーを「皮をはがれ、血が流れているような赤」として「極めて不吉」、2017年のホワイトがメインのデコレーションを、「凍った荒地」と酷評したことも。
一方で、さらにその前任のオバマ大統領が最後にホワイトハウスで迎えたクリスマスのために、ミシェル夫人は“子ども時代を懐かしめる”レゴブロックのジンジャーブレッドハウスや雪だるまを作り、ツリーを飾りました。このときのデコレーションには大量の赤いリボンを使用したほか、およそ20万個ものレゴブロックを使用したとのこと。
2023年のホワイトハウスのクリスマス・デコレーションには、ホワイトハウスのデザインチームのほか、Pinterestのクリエイター12人を含むボランティア200人以上が協力。
このホリデーシーズンの間にホワイトハウスを訪れる人は、10万人余りにのぼると予想されています。