線路内での事故により大怪我を負い、左耳を失ったあるイギリス在住のある女性。事故から約1年半後に義耳を装着する動画をTikTokにアップすると、「義耳について初めて知った」などといった約5,700件※2023年7月8日時点のコメントが寄せられた。

事故で耳を失い…

2022年1月11日(現地時間)に、2週間の昏睡状態に陥るほどの大怪我を負ったことをInstagramに投稿したキエラさん。恋人と友人と地元の駅を訪れ、写真を撮ろうと線路に降りたところつまずいてしまい、750〜1000ボルトの電気が流れている線路の上に落ちてしまったという。

※日本では一部地下鉄を除いて線路には架空線方式を用いているので、踏切を渡る際などに感電の恐れはありません。なお、線路への立ち入りは鉄道営業法で禁止されています。イギリスではサードレール方式を用いる鉄道が多いため、線路と隣接して地面に置かれた第三軌条(サードレール)に触れると感電の危険があります

結果、頭と腕、太ももにⅢ度の火傷を負い、さらに脳の出血に加え、肺も潰れていたとのこと。2週間を昏睡状態で過ごし、さらにICUで1週間過ごさなければならないほどの重症だったそう。

義耳を装着する姿を投稿

この事故により左耳を失うことになったキエラさんは、2023年5月に自身のTikTokに義耳を装着する姿を投稿。キャプションでは、「こういった動画を作るのは好きじゃないんだけど、撮ってみようと思ったんだ」と説明。みんなが知らないようなことを、せっかくだから見せてみたいと思ったそう。

これはtiktokの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

アメピンとヘアバンドを使って髪の毛をまとめた後は、義耳をつける部分に保湿クリームを塗ったキエラさん。しっかりと保湿をしないと、接着剤がついている部分が炎症を起こしてしまうことがあるのだとか。

次に医療用の接着剤を使用し、たくさんのピアスで埋め尽くされた義耳を左右対称になるように装着。キエラさんによると、より自然な仕上がりにするためにDERMACOLORの“カモフラージュクリーム”を使って、耳周りの傷跡をカバーしているとのこと。

最後にパウダーで整え、5分後にブラシでオフしメイク完了。動画の最後に、キエラさんはこのように語っている。

「間近で見ると本物には見えない。でも私の身に起きたことを知らない人なら、パッと見ただけではわからないと思う」

同動画のコメント欄には、「ピアスをたくさんつけた、あなたらしいスタイルがクール」「初めて義耳を見ました! 共有してくれてありがとう」などといった声が寄せられた。

自身の経験から伝えたいこと

キエラさんは自身の経験から、線路に立ち入ることがどれだけ危険かを伝えたいと事故後初めて投稿したInstagramにつづっている。

「自分の経験を通して、線路がどれだけ危険なのかを多くの人に伝えたい。子どもたちが同じ過ちを犯さないため、みんなの家族が私の家族と同じ目に遭わないようにするためにも」

また2022年5月にTikTokに投稿した動画では、事故前に線路内で楽しそうにしている姿も公開。

これはtiktokの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

同動画の中でも、自身の過ちについてこのように明かした。

「私は間違いを犯したし、愚かだった。今ならそう考えられる。失敗から学んだ」

また、「恋人がいなければ今の自分はいなかった」とも語っている。

「つまづいたとき、後ろ向きに倒れてしまったの。でも恋人が降りてきてくれて、私の腕にコートを巻いて引っ張ってくれた」
「彼に感謝してる。彼がいなかったら私はここにいないから」

自身の経験をSNSに投稿し、線路に立ち入ることの危険性や義耳について教えてくれたキエラさん。彼女の思いはきっと多くの人に届いているはず。