皆さんは年の離れた人との交流は好きですか? 中には、世代が違う人と話すのが苦手な人や、そもそも「ジェネレーションギャップ」のせいで共通の話題や趣味が見つからない! と思っている人もいるかもしれません。

そこで今回は、世代を超えた友情を育み、同年代の友達以上に素晴らしい関係を築いた4組をご紹介。彼らの関係の楽しみ方を知ったら、きっと新たな出会いが待ち遠しくなるはず!

※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。


【INDEX】


世代を超えた友情の実態

AARP(米国の高齢者団体)の調査によると、10人に4人の成人が15歳以上年下の友人をもっていることがわかりました。

「世代を超えた友情は、互いに実りのあるものになる」と語るのは、心理学者で友情を専門としているアイリーン・S・レヴィ―ン博士。彼女は、自信のロールモデルであり、メンターである小学校の先生が亡くなるまで、50年以上もの間友人であり続けました。

そして大人になると、必ずしも年齢ではなく、共通点や関心事を中心に友情が形成されることが増えていきます。友情に関する本の著者であるシャスタ・ネルソンさんは、「学生時代のような集団生活ではないので、全員の年齢を知ることは少なくなってきている」と述べています。

私たちは、義務教育から離れると、より広い社会の枠組みの中で生きていくことになります。AARPは、ボランティア、サークル、共通の趣味を持つ人たちとの集まり、会社などのおかげで、他の世代と知り合いになる可能性が2倍以上に増えていると発表しています。

ジョエルさん(42歳)&ジンジャーさん(70歳)

ジョエル・ブルーノさんは、ニュージャージー州の高校でジンジャー・フェオラさんと出会い、共に進路指導部に勤務していました。ジョエルさんのやりたいことリストの中に“タイムズ・スクエアで新年を迎える”という項目があることを知ったジンジャーさんは、「私のやりたいことリストにも入っています。一緒に行きましょう!」と言い、二人で新年を迎えることに。

「一生に一度の経験でした。とても楽しかったです」とジョエルさんは語ります。二人は一緒に電車で街へ出て、 ボールドロップを見た後、なんとライアン・シークレストと、ジェニー・マッカーシーが司会を務めた番組に映りこんだのです。

タイムズスクエア
Courtesy of Joelle Bruno
タイムズスクエアにて、TV番組に映りこんだジョエルさんとジンジャーさん 。

ジョエルさんとジンジャーさんは30歳も年が離れていましたが、年齢差は関係ありません。「ジョエルはとても気さくでフレンドリーだから、簡単に惹かれました。一緒にいると同い年のような気がしてきます」と、ジンジャーさん。

AARPによると、世代を超えた友人の50%以上が、顔を合わせてコミュニケーションをとっているそうで、ジョエルさんとジンジャーさんも、時間が許す限り、野外市場、コンサート、流行のレストランなどに出かけて二人の時間を楽しんでいるのだとか。

ジョエルさんは、ジンジャーさんの退職記念ディナーを同僚と計画したこともあります。「ジンジャーと交わす会話やアドバイスが大好きなんです」と話すジョエルさん。さらに「ジンジャーがいなかったら、退職金制度について考えることもなかったでしょう」と付け加えました。

ネルソンさんは、これが年齢差のある友情の大きなメリットの一つだと言います。

「私たちは、年上の友人がいることで、友人が親を亡くした時や、自分より先に退職した時など、ある種の人生経験を共に“体験”することができます。将来のライフステージで起こる出来事に対して、準備ができるのです」

ベスさん(41歳)&アンさん(66歳)

ニューヨークに住むアン・スミスさんとブルックリンに住むベス・トリップマッハさんは、2005年にアンさんがベスさんを、出版社の編集者として雇ったのがきっかけで、職場で知り合いました。そして、上司と部下という関係から、25歳という年齢差のある友情に発展。

現在は一緒に働いてはいないものの、今でもよく会っているそうで、ディナーをしたり、映画を見に行ったり、自転車に乗ったり、同じジムでワークアウトをしたりすることもあるそう。「ときどきアンの家でご飯とカクテルを注文して、ただお喋りすることもあります。おもしろいことに、私と同年代の友達より、遥かにアンとの共通点の方が多いんです」と、ベスさんは語ります。

ベスさんは現在、別の会社でコンテンツ・オペレーション・ディレクターを務めており、2020年1月に同社がユタ州で開催した映画祭で、二人は再会。彼らは映画を見に行き、遅い夕食をとった後、とてもクールなタクシードライバーの車に乗ったそう。「ベスと私は、ユタ州のパークシティを、サム・クックの曲を聴きながらタクシーでドライブしました。最高の時間でした」とアンさんは回想します。

世代が違う人との友情は、多くの場合、アンさんとベスさんのように最高で開放的な関係になるでしょう。さらにネルソンさんは、特に年下の友人について次のように説明します。

「年下の友人というのは、“同年代の友達よりも活気的でありたい”、“もっと何かに挑戦したい”という気持ちを、後押ししてくれることがあります」

ララさん(29歳)&ジェーンさん(51歳)

年齢差のある友情の中には、共通の価値観だけでなく、世界を変えたいという情熱が原動力となり、育まれているものもあります。ララ・ソーンさんとジェーン・ドリクタさんは、2018年にイラクの産科クリニックで、ボランティア活動をしているときに、友人になりました。

彼らは同僚だっただけでなく、9カ月間一緒に暮らすことになりました。これが、ララさんがロンドンに、ジェーンさんがシアトルに戻っても変わらず現在まで続く、美しい友情の始まりです。

「ジェーンとは、どんな話題でも全て正直に話し合います。昼でも夜でも、笑ったり、泣いたり、わめいたり、アイデアを出し合ったりするために、いつも彼女に電話します。夜遅くまで哲学的な話をすることは、私たちにとって最高の時間です」―ララさん

ララさんとジェーンさんは毎日メッセージを交わし、週に数回ビデオ通話をしているそう。「お互いをからかうことはあるけれど、“相手が嫌がるからこれはしないでおこう”と気を遣う必要がありません。私たちは、少し怖いくらいよく似ているからです」と、ジェーンさんは言います。

ララさんとジェーンさん
Courtesy of Lara Thorne and Jane Drichta
ララさんとジェーンさん


ジェシカさん(35歳)&ケリーさん(50歳)

カリフォルニア州に住むケリー・ジョンソンさんとジェシカ・フローリさんは、15年来の友人です。毎日メールを交わし、少なくとも月に1度は会っている二人。ハロウィンとホラー映画が大好きで、お泊りで映画鑑賞をしたり、アートフェアに行ったりと、お互いの家をよく行き来するそう。

ケリーさんは、ジェシカさんの正直で素直なところに信頼を寄せている上で、次のように話しました。

「私は彼女になんでも言うことができます。たまに意地悪を言ったとしても、それでも彼女は私を愛し、変わらず支えてくれると思います」
ジェシカさんとケリーさん
Courtesy of Jessica Frolli and Kelly Johnson
ジェシカさんとケリーさん

ネルソンさんは、二人の友情関係に触れながら、「ライフステージが違う友人となら、この二人のような安心感を、より一層簡単に感じることができます。なんでも話せるオープンさが、比較や競争を減らすことに繋がります」と付け加えました。


世代を超えた友情の最も優れた点の一つは、“ピュアな関係”であること。このような関係には、嫉妬心や損得勘定、人目を気にしてしまう気持ちなどは、ほとんど存在しないことが多いです。

インターネットが発達し、様々な世代の人たちと交流する機会が増えた昨今。 思わぬところで素敵な出会いが待っているかもしれません。

※この翻訳は、抄訳です。
Translation: Risa Tsubakihara
GOOD HOUSEKEEPING US