およそ18年前、米イリノイ州ウィルメットにあるスターバックスの店舗のトイレで生まれた青年と、その際にお産を手伝った元店員が再会したというニュースを、<TODAY>や<Good Morning America>などの現地メディアが報じています。

2002年8月当時、グリフィン・バロンさんはスターバックスのバリスタとして働いていました。するとある日、1人の女性客が来店し、水の入ったペットボトルを購入してトイレへと向かったそうです。

その直後、トイレから大きな悲鳴が聞こえ、他の女性客が様子を見に行ったところ、まさにそこで赤ちゃんが生まれようとしていたのだとか!

「当時の私は21歳で、出産に関する知識は全くありませんでした。思いついたのは、よく映画などで見るように、ホットタオルを用意することだけ。そしてトイレのドアを開けたところ、女性客がいきんでいて、間もなく赤ちゃんが生まれるところだったんです」と、振り返るバロンさん。

その4分後に女性は赤ちゃんを出産し、すぐに救急隊が到着して、母子を病院へと運びました。母親の名前はリサベス・ロールクさん、誕生した男の子の名はジョナサン・セルナーさん。

このニュースは地元だけでなく全米で報道され、当時大きな話題を集めることに。

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それから18年の月日が流れ、バロンさんは39歳になり、自身も2人の子供を持つ父親になりましたが、ロールクさんとジョナサンさんのその後がずっと気になっていたんだとか。

そこで彼は、2人についてネットで検索をかけることに。するとクラウドファンディングサイト<GoFundMe>で、ジョナサンさんの身内が立ち上げたページを発見し、2012年に母親のロールクさんが乳がんでこの世を去ったこと、さらに2020年には、彼女の夫のトーマスさんも亡くなったという事実を知ったそうです。

そこで、ジョナサンさんに会いたいと思ったバロンさんは、次のようなメッセージをページに書き込みました。

「私はジョナサンが生まれたとき、その場に居合わせたバリスタです。彼と話せたら嬉しいのですが…」

すると、ジョナサンさんの叔母から返事があり、ついに二人はFacebookで繋がることに。何度かメッセージのやり取りを重ねた後、3月21日(現地時間)、ついにジョナサンさんが誕生したスターバックスで、二人は再会を果たしたのです。

この再会について、ジョナサンさんは次のように述べています。

「母のことを思い出させてくれる話が色々聞けて、とても楽しいです。母もよく、僕が誕生した当時の話をしてくれたのですが、数週間はメディアが大騒ぎだったと言っていました。バロンさんが連絡をくれたことで、すべての出来事が一つの円になったように思います」

また、バロンさんは自身のInstagramに、次のように綴っています。

「私たちはようやく繋がって、お互いが過ごした年月の穴を埋めることができました。彼に再会できたのはもちろん、新たな友達が増えて、とても嬉しいです」

18年前は、ジョナサンさんがこの世に誕生するのをサポートしたバロンさん。これからは彼の良き友人として、この先の人生をサポートし続けてくれるでしょう。