メンタルヘルスUK」によると「64歳までの成人は、1日あたり7~9時間の睡眠をとることが推奨」されています。一方で、日ごろ「十分な睡眠をとれていない」と思っている人も多いはず。

そこで本記事では、「米軍式の睡眠法」をご紹介。たった2分で眠りにつけるというこのメソッドの効果の有無や、実際に試してみた人たちのレビューもあわせてお届けします。入眠に悩んでいる人は試してみる価値があるはず!

※この記事は、効果を保証したり、診断の代わりとなるものではありません。症状や実践について不安がある場合には、必ず医師または資格を有する医療従事者の助言を仰いでください。

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米軍式睡眠法とは

米軍式睡眠法は、オリンピック短距離走のコーチであるバド・ウィンター氏が、1981年に出版した著書『Relax and Win: Championship Performance』のなかで言及されています。

スポーツ心理学も学んでいたウィンター氏は、米軍式睡眠法について「アメリカ海軍飛行予科学校のパイロットが、どんな状況や場所であっても(たとえストレスがかかる騒々しい危険な場所であっても)即座に眠りにつけるように考案された方法」と説明。

もしも本当に軍隊に所属する人たちが、睡眠には適していない場所や状況で眠りにつけるようにこのメソッドを利用していて、さらにこの方法を支持しているのなら、試してみる価値はあるかも。

米軍式睡眠法の手順

ここからは実際の手順をご紹介。必ず順番に従って実践しましょう。

  1. 顔をリラックスさせる
    まずは目を閉じて、深くゆっくりと深呼吸をしましょう。呼吸のリズムができたら、ゆっくりと顔の筋肉を緩めます。額からはじめて、下あごに向かってどんどんリラックスさせていく感覚です。基本的に、口や頬、舌、目など、顔のすべてのパーツがリラックスした状態を目指しましょう。それでもまだ緊張しているようであれば、顔がリラックスした状態には達していないということです。
  2. 肩と腕から力を抜いてベッドに下ろす
    首の筋肉と、僧帽筋(首から肩・背中にかけての筋肉)を緩め、上半身をベッドや椅子など、寝る場所に沈めるようにして身体の緊張をほぐしましょう。このときもゆっくりと深い呼吸をしながら腕の上部から上腕二頭筋、前腕、手のひらにかけて徐々にリラックスさせます。そして、これをもう片方の腕でも繰り返していきます。
  3. 大きく息を吐く
    この時点で、顔と肩、腕はすでにリラックスした状態で、呼吸もゆっくりと規則正しいリズムでできているはず。次のステップでは、胸全体を大きく使い一定のリズムで息を吐きながら、身体のほかのパーツの状態を維持するためにお腹に意識を移していきましょう。
  4. 脚の力を抜く
    手順②の肩や腕と同様に、脚をベッドに沈めます。ふくらはぎや足首など脚の各部位に集中できるように、片方ずつ行いましょう。
  5. 完全に心を開放する
    ここでは、身体だけでなく心も純粋にリラックスした状態にしましょう。心を完全に解放するためには、落ち着くものや環境を思い浮かべるのがおすすめ。波打ち際や深い眠りについた自分の姿を想像するのも良いでしょう。
  6. 心の中で「考えるな」という言葉を繰り返す
    10秒間、心が落ち着いて雑念がなくなったと感じられるまで、心の中で「考えるな」と繰り返しましょう。“究極にリラックスしている状態”を目指して10秒より長く行ってもOK。

米軍式睡眠法は効果がある?

フィットネスコーチのジャスティン・アグスティンさんはTikTokで米軍式睡眠法を伝授する動画を投稿。

動画内ではその手順を詳しく説明するとともに、2分以内に眠りにつけるのかという点について「米軍式睡眠法を毎晩取り入れ6週間続けた人のうち96%の人に効果があった」と話す場面も。

これはtiktokの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

現段階では、この主張を裏付けるような実際の研究結果は報告されていませんが、この動画には2分以内に眠りにつくことに成功した人々のコメントが多数寄せられています。

「私の母がこの方法について教えてくれたので、子どもたちにも教えました。9歳の息子はたくさんの困難を抱えていますが、この方法を試すとリラックスしてすぐに眠りにつくことができるんです」
「親が軍人なのでこの睡眠法を教えられました。また、大学でも退役軍人の心理学の教授がこの方法を教えてくれました。これは間違いなく効果があります」

さらに、X(旧Twitter)ユーザーたちもこの睡眠法を賞賛しており、なかには何よりもまずは「練習がカギだ」と強調する声も。

「最初の数回は、米軍式睡眠法が効果を発揮しないかもしれませんが、継続することでうまくリラックスすることができるようになります」

“不眠症を改善に導く”として、米軍式睡眠法を継続して取り入れることを評価するコメントも見られました。実際にとあるXユーザーは「すっきりした気分で目覚め、いつもより早く眠りにつくことができ、集中力が向上した」と伝えています。

米軍式睡眠法を試すメリット

医学部で教師を務めるカール・アヴィロ医学士は、米軍式睡眠法のメリットとして、「思考が高ぶっているにもかかわらず、すぐに眠りにつける」「15~20分の昼寝の効果を最大限に高める」「睡眠の質を向上させる」ことを挙げました

このような睡眠法で一般的に最も重要だとされる点は、睡眠の質を高めること。では、安定した質の高い睡眠をとるメリットは何でしょうか?

米国保健社会福祉省は、7時間以上の適切な睡眠をとることで次のような効果が見られることを伝えています。

  • 病気にかかりにくくなる
  • 健康的な体重が維持できる
  • 心臓病から糖尿病まで、健康問題のリスクを下げる
  • 気分の落ち込みを改善し、ストレスを軽減する
  • 明晰な思考ができ、仕事や作業により集中できる
  • より良い人付き合いができる
  • 情報に基づいた合理的な判断ができるようになり、被害を避けることができる

もしもあなたが睡眠に関する悩みを抱えているなら、寝る前のルーティンとして米軍式睡眠法を取り入れてみるのも一つの方法。ただし、症状が重い場合や長期的に問題を抱えている場合、メンタルヘルスに関連した不調を感じている場合には自己判断はせず、必ず医師または資格を有する医療従事者の助言を仰ぐようにしましょう。


※本記事は、Hearst Magazinesが所有するメディアの記事を翻訳したものです。文化的・言語的な処理を含めた抄訳や部分利用、改変を含んでいます。
Translation: Risa Tsubakihara
COSMOPOLITAN UK