アメリカで開催される、50歳以上の選手を対象としたスポーツ大会「シニア・オリンピック・ゲームズ」。バドミントンやスイミング、トライアスロンまで幅広く試合が繰り広げられるなか、今年度の大会では100メートル走を完走した105歳の女性が世界記録を打ち立て、大きな話題を呼ぶことに。


新たに設立された「105歳」部門

今年はルイジアナ州で開催された「シニア・オリンピック・ゲームズ」。そこで注目を浴びたのが、 105歳以上の100メートル走。実はこれまで「105歳以上の部門」は存在していなかったものの、同大会への参加を表明したジュリア・ホーキンス選手に合わせて設立されることに。

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こうして100m走に出場したホーキンス選手は、「105歳以上のカテゴリーで陸上競技に出場したアスリート」として世界記録を樹立。これまでに男性での陸上競技者はいたものの、女性としては世界初の記録で、またアメリカ人としても初の記録だという。

年齢の影響から30cm以上先は見えないことを明かしているホーキンス選手。この100メートル走には「自走するレーンからはみ出てはいけない」というルールがあったものの、見事に1分2秒95で完走。会場には、家族や彼女の教え子である90代の女性たちも応援に駆けつけていたよう。

101歳から始めたランニング

新たに世界記録を打ち出したホーキンス選手。驚くべきは、彼女がランニングを始めた年齢が101歳だったということ。

娘からの勧めでランニングを始めたというホーキンス選手は、日々のルーティンであるガーデニングと散歩、そして気が向く日は50メートルのスプリントをしてトレーニングを重ねているという。

101歳だった当時は100メートルを39秒62でゴールし、当時の100歳から104歳のカテゴリーで世界記録を達成。そのあまりの速さに“ハリケーン”というあだ名がつけられたほど。

また、これまでにも別の競技でシニア・オリンピック・ゲームズに参加してきた、ホーキンス選手。80歳から10年ほど自転車を極めた彼女は、坂道を走るのが辛くなるまで大会に出場し、金メダルを何度も獲得したことがあるという。

一方で、こうして世界記録保持者になり続けることには「あまり興味がない」よう。

「特にすごいことだとも思ってないんです。なぜなら、これまでにも数多くの素敵なことを経験してきましたから。今回のことは“バケツの中の一滴”、些細なことだと思います」

年齢に囚われず、次々と新しいことにチャレンジし続けているホーキンス選手。彼女は、自分の生き方を通して伝えたいメッセージがあるという。

「私は走ることも、人々のインスピレーションになることも大好き。だからできる限り走り続けたいですね。私が皆さんに送りたいメッセージは、歳を取っても健康で幸せであり続けるには、ずっとアクティブでなきゃいけないということです」