年齢や相手に関わらず、初体験は(たいていの人にとっては)人生における一大イベント。とはいえ、初めてのセックスを経験したときに感じることは、身体的にも心理的にも人それぞれ。とてもぎこちなかったり、最高にロマンチックだったり、逆に最悪だってことも…。そこに正解はないはず。
いくら映画でラブシーンを観たり、友人から話を聞いたりしたところで、実際のセックスでどう感じるかはいろいろと未知数…。でも、しっかりセーファーセックスを守り、お互いの同意のうえで、心の準備が100%できていればきっと大丈夫。
そんな「初体験の前に知っておきたい心得」を、<セブンティーン>から紹介します。
婦人科に相談する
そろそろセックスをしたいと考えていたり、初体験を済ませたばかりでなにか不安を感じているのなら、婦人科に相談してみるのも一つの手。医療従事者は患者のプライバシーを守り、相談内容を口外しない規則があるため、情報が外に漏れる心配はありません。
赤の他人にセックス事情を話すのは気まずいと感じるかもしれませんが、婦人科医にとってセックスやヴァギナの話なんて日常茶飯事。セックスに関する不安や疑問をぶつけみては?
気が変わったらセックスを中断してもOK
パートナーといい感じの雰囲気になり、二人とも「今夜こそ…」となんとなく予感している状況で、突然「やっぱりしたくない」と気が変わったとしても、それは特別なことではありません。
セックスをするかどうかは2人で決めることであり、決定権の50%はあなたのもの。あなたにその気がないならセックスはすべきでないし、自分の気持ちを相手に正直に伝えれば大丈夫。
未経験かどうかなんてだれも気にしていない
だれもかれもがセックスの話で持ちきりで、友だちはもうみんな経験済み。「初体験」が題材になっている映画も、無数にあると感じるかもしれません。
でも、あなたが気にしすぎているからそう感じるだけであって、実際は周りも気にしてないし、世の中には思った以上にセックスをしたことがないという人は多いもの。だからこそ、二人の深い愛情と互いへの尊重をベースとしたすてきな初セックスが体験できるよう、あわてることなく、時が来るまで待つべき!
あなたのことを大切に思う相手であれば、セックスの経験値なんて気にしないし、むしろ初めての体験を共有できることを喜んでくれるはず♡
「セックス=挿入」とは限らない
セックスすること=ヴァギナにペニスを挿入されることと思われがち。でも、相手が同性かもしれませんし、挿入のない場合はセックスと呼べないなんてことはありません。
性教育にたずさわり『Making Sexual Decisions(原題)』の著者でもあるクリス・ゴーウェンさんによれば、「オーラルセックスといった行為でも、膣性交より親密に交われることもあるし、性感染症のリスクを伴うもの」とのこと。また、「誰かと親密に交われば、必ずその影響を受ける」のだそう。
セックスは、たったひとつの行為に結び付けるのではなく、一連の行為として考えるべき。そうすれば、ひとつひとつのステップに伴う大きな責任(ちゃんと避妊はしている?など)や、複雑な感情に対応できる心の準備ができるはず。
“処女膜”が「音を立てて破れる」なんてウソ
膣の入り口がラップのようなもので包まれていると想像しているなら、それは大きな勘違い。
「“処女膜”と一般的に呼ばれるものは、膣口付近になるヒダ状の粘膜です」と説明するのは、ロサンゼルスを拠点に、性に関するさまざまな教育サービスを提供する団体「Planned Parenthood Los Angeles」で若者向け教育・研修のアソシエイト・ディレクターを務めるミシェル・ホレイスさん。
「初セックスで“処女膜”が破れたり伸びたりすることで、やや違和感を感じることや多少の出血を伴うこともありますが、セックスをすることによって壊れたり消えたりするものではありません」
この“処女膜が破れる”という現象は、むしろ自転車に乗ったり運動をしたりといった日常的な活動のなかで、すでに多少なりとも起こっている可能性が高いそう。そして、処女膜は身体の一部であり、そういったことがあってもまったく問題ないとのこと。
痛みがともなうことも
膣性交の場合、挿入前にはキスをしたり、触れ合ったりという前戯フェーズが必要。
その間にペニスの場合は勃起し、ヴァギナは濡れて挿入に向けた準備が進みます。しっかりと濡れていないと、挿入時に摩擦が起きて痛みが伴う場合もあるので注意しましょう。ただし、ここで難しいのは、緊張して思うように興奮できないこと。あるいは、相手と盛り上がるスピードが異なる場合があること。
ニューヨーク市にある十代向けの性教育やメンタルヘルス関連サービスを提供している「Mount Sinai Adolescent Health Center」所属のヘルス教育者であるスターデル・スミスさんによれば、「男性よりも女性の方が性的興奮が高まるスピードが遅い」とのこと。
指で性器が濡れているか確認して、濡れていなければもう少し前戯を楽しみましょう。お互いに気まずい思いをしないように、ローションなどを使うのもおすすめです。
感覚に変化が起きる
セックスを経験すると、ヴァギナの柔軟性が増すのだとか。回数を重ねて挿入に慣れるうちに、違和感も減少するそう。また、セックス中に興奮することで血管が拡張し、乳房組織が膨張するため乳房が張り、血流がよくなり筋肉が緊張することで乳首も固くなることで普段より敏感になるとのこと。
相手に初体験を“捧げる”必要はない
人生でもっとも頭を悩ませるかもしれないのが、「もうセックスをしてもいいのか?」という疑問。特に、だれかと付き合い始めて相手がなにかを期待しているように感じると、なおさら問題は複雑に。
でも、ここで覚えておくべきは、相手がとても優しくて、デート代を負担してくれたり、プレゼントをもらったりしていたとしていても、そしてその日が、交際記念日や誕生日といった特別な日だったとしても、相手に初体験を“捧げる”必要はないということ。
「時が来た」という神さまからお告げのようなを待っている人もいるかもしれませんが、実際に最後の決断をくだすのは自分自身です。あなたの心と身体の準備が整っていますか? あなたの安全性が守られる相手ですか? 自問自答をしながら、決断するようにしましょう。
念入りなプランニングが必要
ここで言うプランニングは、キャンドルを灯して、セクシーな音楽のプレイリストを流して、ベッドにバラの花びらを散らして…というものではありません。セックスには、とてつもなく大きな責任が伴います。
次のステップに進もうかと考えているなら「避妊はできているか」、「(相手が男性なら)コンドームはだれが準備するのか」といった質問に正面から向き合うべきであり、セックスには一生を左右する妊娠や性感染症といった可能性がともなうかもしれないことを、きちんと理解しておくべき。
初セックスでも妊娠する可能性は大いにあります。避妊や性感染症予防はしっかりと行いましょう。
初めてなら戸惑って当然!
自分のその戸惑いを受け入れることが大事。パートナーにとって初体験ではなくても、あなたにとっては初体験。二人とも多少緊張しているはず。
だから、自分ひとりで「私、ちゃんとできているのかな?」「これでいいの?」「だれか助けて!」と思いを巡らせるより、パートナーに気持ちを正直に伝えて、相手がなにを望んでいるか直接聞いてみて。
思っていたのと違う…?
初体験の前は、セックスについてあれこれ妄想をふくらませていたのに、実際にやってみると、「え、これだけ?」と感じる人も。むしろ、はじまった瞬間に「早く終わって欲しい!」と思うかも…。そのように感じても、なんら間違いはありません。
「セックスは、身体だけでなく感情が関わるもの。たいていの人はそうですが、初体験で緊張や恐怖を感じると楽しみづらいんです」
加えて、ホルモンの変化でセックス後に感情が高ぶることもあるそう。セックス後は感情がハイになるので、ポジティブにしろネガティブにしろ、極端な感情を持ったとしてもあまり心配しないで。
慣れてくれば、セックス自体とパートナーに対しても緊張が解け、オーガズムを感じることもできるようになるので、慌てなくて大丈夫!
セックス後に関係が変わることも
初セックス後に、パートナーとより親密な関係になることだってもちろんあるけれど、だれも語りたがらない事実として、二人の関係が試されるケースも。
生理が遅れたり、性器周辺に異常を感じるといった不安要素が、二人の関係に溝をもたらすこともあります。だから、だれかと行為に及ぶ前に(初回に限らず、毎回!)「最悪のシナリオになったとしても、二人の関係はそれに耐えうるくらい強いものか?」「セックス後でも、相手は確実に自分を尊重してくれるか?」と自分に問いかけてみて。
セックスをすることは大きな決断なので、立ち止まってよく考えましょう。
それから、「セックスをすることでそれまでの曖昧な関係が真の愛情に変わるはず」なんて考えてはダメ。真の愛情に必要なのは、互いを深く思いやる心であり、初体験のタイミングはなんら関係ないと言えるのです。
初体験は一度きりとは限らない
まさかと思うかもしれませんが、初セックスが期待していたものと違ったなら、その時の学びを糧に、期待どおりの初セックスを経験できるまで待てばいいとのこと。
ゴーウェンさんによれば、「セックスを1回すれば、それ以降は無制限というわけではありません。いつでもノーと言って、引き返す権利はあります」とのこと。
何ごとも“初めて”には不安がつきものだけど、正しい知識を身につけることが自分の身を守ることにもなります。早く初体験を済ませなきゃ! なんて、いたずらに焦ることなく、心身ともに準備ができたときにぜひ一歩を踏み出してみて!
※この翻訳は、抄訳です。
Translation:Kate Sawahara(Office Miyazaki Inc.)
SEVENTEEN