ソフィー・ウェセックス(旧姓リース=ジョーンズ)といえば、エリザベス女王の末息子であるエドワード王子と結婚したウェセックス伯爵夫人として認識している人も多いかもしれない。けれど、最近夫であるエドワード王子がエディンバラ公爵位を継いだことで、ソフィー妃の名前も変わることになったのはご存じだろうか。

かつては女王の夫フィリップ殿下が保持していたこの称号。国王チャールズ3世がこれをエドワード王子に授けることにしたのは、エドワード王子の59歳の誕生日という、とりわけ印象的な日のこと。これに伴い、ソフィー妃も自動的にエディンバラ公爵夫人となり、エドワード王子がこれまで保持していたウェセックス伯爵位は、夫妻の15歳の息子であるセヴァーン子爵ジェームズが受け継いだ。

では、新エディンバラ公爵夫人のソフィー妃はいったいどんな人なのだろうか?過去のキャリアやロイヤルとしての働きっぷり、さらに子育ての方針まで、彼女の人物像がわかる情報を以下にご紹介していこう。

ソフィー妃は、王室内でどんな存在?

2022年9月にエリザベス女王が亡くなる前、ソフィー妃(現在58歳)は女王の「お気に入り」のロイヤルメンバーだという噂が流れた。報道によれば、2021年4月に70年間連れ添った前エディンバラ公で、夫のフィリップ殿下を亡くしたとき、女王はソフィー妃のサポートを頼りにしていたとか。それを踏まえると、女王自身もかつて保有していたエディンバラ公爵夫人の称号がソフィー妃に受け継がれたのは、とてもすてきなことに思える。

王室専門家のダンカン・ラーコムは、当時『ザ・サン』紙に次のように語っている。「フィリップ殿下がいない生活に女王が慣れていく過程において、意外なことに“心の拠り所”として登場したのがソフィー妃でした。情報筋によると、妃は家族全員で女王を支えることを個人的なミッションとしていたそうです」

長年にわたりロイヤルファミリーにとっての「信頼できる存在」であり続けているソフィー妃。ヘンリー王子とメーガン妃が公務から退きロサンゼルスで新生活を始めると、ロイヤルファミリー内でもその存在感はいっそう発揮されるように。近年では複数のメディアのインタビューに応じたこともある。

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Max Mumby/Indigo//Getty Images

ソフィー妃はこれからもウェセックス伯爵夫人なの?

いいえ、その称号はもうおしまい!

エドワード王子が新エディンバラ公だとチャールズ国王が発表したことで、王子の妻であるソフィー妃はエディンバラ公爵夫人となり、エドワード王子が保持していたウェセックス伯爵の称号は夫妻の息子ジェームズに引き継がれた。将来ジェームズが結婚すれば、その妻が新ウェセックス伯爵夫人となる予定。

では、以下でソフィー妃をもっと深く知るために、抑えておくべき事柄をご紹介していこう。


多くの責任ある立場を担っている

ロイヤルファミリーの一員としてフルタイムで公務をおこなう「ワーキング・ロイヤル」として働くソフィー妃は、国王をサポートすることと、慈善団体訪問に時間を割いていて、70団体ものパトロンを務めている。

ソフィー妃が非常に力を入れている分野は、障がい者コミュニティのほか、「全英児童虐待防止協会(NSPCC)」や「チャイルドライン」などの子どもに関するチャリティ。2021年には、エリザベス女王のいとこのアレクサンドラ妃がそれまで60年間勤めていた盲導犬チャリティ団体「ガイドドッグス」のパトロンを引き継いでいる。

ソフィー妃はロンドン・カレッジ・オブ・ファッションのパトロンでもあり、同校の「ベター・ライヴス」(ファッションが変化を促し、持続可能な未来を築き、ウェルビーイングを改善するために使われる)というコミットメントを支持している。

2019年には、「女性・平和・安全保障(WPS)」アジェンダと、紛争が女性と女児に与える人権侵害に取り組むイギリスの「紛争下の性的暴力防止イニシアティブ(PSVI)」に賛同し、支援を約束。さらに翌年には、紛争下での性的暴力に反対するキャンペーンのため、南スーダンに渡航する勇敢な姿も見せている。

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Pool/Samir Hussein//Getty Images
ウェセックス伯爵夫妻(当時)と子どもたちのジェームズとルイーズ。英国ビーチクリーンにて。2020年9月20日撮影


自身の子どもたちは「普通」に子育て

エドワード王子との間には娘のレディ・ルイーズ・ウィンザー(19歳)と息子のジェームズ(15歳)がいる。それぞれ王位継承第14位と15位とはいえ、将来は2人とも自分で働いて生計を立てなければならない。

自身の子どもたちには殿下(HRH)の称号を用いず、大学にも行ってほしいと語っていたソフィー妃。秘書としていた働いていた母親とタイヤ会社の営業部長の父親のもとで育った妃の生い立ちは、誤解を恐れずに言えば実に「普通」だった。

PR業界で成功!華々しいキャリアを築いていた

メーガン妃同様、2001年にフルタイムのワーキング・ロイヤルになる前は輝かしいキャリアを築いていたソフィー妃。ラジオ局「キャピタル・ラジオ」で4年間、その後「ザ・クェンティン・ベル・オーガニゼーション」や「マクローリン・コミュニケーションズ&メディア」といったPR会社で経験を積んだ。また、「RJHパブリック・リレーションズ」という自身のPR会社を設立し、5年間共同経営者を務めていたことも。

ビジネスウーマンからフルタイムのロイヤルへの移行について、ソフィー妃は以前『ザ・サンデー・タイムズ』紙に次のように語っている。

「慣れるまでにはしばらくかかりました。悔しかったのは、自分ができることへの期待値を下げなければならなかったことです」

「大きく一歩後ろに下がって、『私が期待されているのは、ケーキの上のアイシングのような存在になること――例えば、ボランティアや資金提供者に感謝の気持ちを伝えるといったことであって、必ずしもコミュニケーションプランの運営方法を私に教えてほしいわけではないんだ』ということを悟りました」

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Tim Graham//Getty Images
出勤中のソフィー妃、1999年1月撮影

2億人がエドワード王子との結婚式を見守った

1999年6月19日にウィンザー城内のセント・ジョージ・チャペルで結婚してから(ちなみに、出会いはその6年前のとあるテニスの試合)、およそ24年になるエディンバラ公爵夫妻。

ソフィー妃のウエディングドレスは「サマンサ・ショー」のシルク・オーガンザ製で、32万5000個のクリスタルやパールが施されたもの。女王個人のジュエリーコレクションからはアンテミオン(古代ギリシャで用いられた植物のモチーフ)のティアラが貸し出された。

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Tim Graham//Getty Images

ソフィー妃にもドラマがあった

ヘンリー王子とメーガン妃が特にそうであるように、多くのロイヤルが報道陣のプライバシー侵害行為に対しては声を上げている。ソフィー妃にも、1999年の結婚式のわずか1カ月前、『ザ・サン』紙にトップレスの写真を掲載されるという、執拗なタブロイドの犠牲になった経験がある。

さらに、ニュースサイト『デイリー・ビースト』によると、2001年には『ニュース・オブ・ザ・ワールド』紙に盗聴され、トニー・ブレア(当時の首相)を物まねし、女王を「あのおばあちゃん」と呼ぶソフィー妃が録音されていたとか。バッキンガム宮殿は、これらの記事が「全体的に不正確」であるとし、「まともなジャーナリストであればこのような記事に時間を使うことはありません」と声明を出した。

妃自身のロイヤルとのつながり

ソフィー妃は1399年から1413年までイングランドを統治した国王、ヘンリー4世の子孫だと報じられていて、ウェールズとスコットランドにもルーツがあるのだとか。

From COSMOPOLITAN UK