2022年に即位したイギリスの国王チャールズ3世の戴冠式が、1カ月後の5月6日に迫っている。記念コンサートやそのチケットの入手方法、あるいは式典にどのような人たちが招待されているのかなど、当然ながらイギリス国内はいま、戴冠式の話題で持ちきりと言える状況。

その戴冠式について、「出席者のドレスコードが王室の伝統から大きく離れたものになる」と伝えられていることにも、多くの人の関心が集まっている。

カミラ王妃やキャサリン皇太子妃(ウェールズ公妃)など、主要なロイヤルメンバーの装いについては、当日まで明かされないものとみられている。ただ、その他の招待客たちには、これまで考えられていたよりも「はるかにリラックスした」服装での出席が求められることになるよう。

実際に『テレグラフ』紙は、一部のゲストたち(国会議員など)にはすでに、この歴史的な儀式に「ドレスダウンした服装」で出席するよう伝達されたと報じている。

何世紀にもわたる王室の伝統では、貴族の格付けによって異なる小冠と、戴冠式用の特別な「白い毛皮の襟が付いた緋色のベルベットのローブ」を着用することになっている。しかし、イギリス議会の貴族院(上院)の議員たちは、これを着用しないことが求められているという。

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Tim Graham//Getty Images

イギリスでは現在も、インフレの高止まりなどによって、「生活費の危機」と呼ばれる状況が続いている。そのためチャールズ国王は、戴冠式に向けた過度の支出を避けたい考えだとされている。

そして、その国王の意向に沿った式典にするため、議員たちには毎年の議会開会式で着用するローブか、議会での審議に出席する際の通常の服装で式典に出席することが求められているという。

ただ、王室のこうした判断によって影響を受けるのは、式典の日のゲストの服装にとどまらない可能性がある。

故エリザベス女王は2018年、自身の戴冠式の日について振り返るなかで、3時間に及ぶ式典に備え、「列席した人たちの多くが小冠のなかにサンドイッチを隠し持っていた」ことを明かしている。

今回の戴冠式では小冠が着用できないとなると、ゲストたちは“おやつの隠し場所”に困ることになるかもしれない。

From COSMOPOLITAN UK