今年10月、アメリカ・メイン州で結婚式を挙げた、ケリー・アンさんとアンソニーさん。視覚に障がいがあり、パラ柔道選手やミュージシャンとして活動するアンソニーさんを驚かせようと、結婚式に向けて花嫁のケリーさんが準備したものとは――。

2017年、旅行先の海岸でアンソニーさんが困っていたところを見かけたケリーさん。周りにサポートする人もいなかったため、話しかけたそう

「アンソニーは『外の光は見えるけれど、室内では何も見えない』と言っていました。なのに、彼は一人だったんです」

その日は1日中ケリーさんがアンソニーさんをサポートすることに。それが二人の間に初めて「絆」が芽生えた瞬間だったのだとか。

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その約1カ月後、アンソニーさんがドキュメンタリー映画のプレミアに彼女を招いたことで初デートが実現。初めてのデートで何か特別なことをしたいと思っていたケリーさんは、新しいドレスを用意することに。アンソニーさんに自分の存在を感じてもらえるように、触り心地の良いベルベット素材のドレスを選んだそう。

そのデートの後、カップルとなった二人。アンソニーさんは、この交際から多くのことを学んだのだとか。

「ケリーと出会って、僕の人生は変わりました。彼女は、私の頭の中に絵を描くように、風景を視覚的に表現してくれました。彼女は文字通り、私の目になってくれたのです」

約4年間の交際を経て、二人は夫婦になることに。結婚式に向けてケリーさんは、ニューヨーク・ブルックリンにある、生地をリサイクルしてサステナブルなドレスを作るブライダルショップへ。

そこで見つけたベルベットのタッセルや花のエンボス加工、何種類もの生地を使ったドレスに一目惚れ。その瞬間涙があふれ、「これが私の夢見たドレスだ」と思ったそう。なにより、最初のデートと同じベルベット生地が使われていたということが一番の決め手だったのだとか。

今年10月の結婚式まで、どんなウェディングドレスなのかを知らされていなかったアンソニーさんは、当日の思い出についてこう振り返り。

「彼女のドレスに触れたとき、心が揺さぶられ、涙が出てきました。彼女を感じることができたのが印象的でしたね」
「その瞬間、私の脳裏に天使のイメージが浮かんできたんです。本当に美しかったです」

今後も一緒に様々な困難を乗り越えていくと誓ったアンソニーさんとケリーさん。二人の幸せな日々が続きますように!