最近になって、少しずつメディアやSNSなどでも語られるようになってきた「セルフプレジャー(マスターベーション)の重要性」。一方で、友人同士で「どのくらいの頻度でしている?」と聞くにはまだ勇気が必要だという人もいるかもしれません。

そこで、20~40代の様々なジェンダーアイデンティティや背景を持つ13人に「マスターベーションの頻度」について聞いてみました。性欲の感じ方や性行動には個人差があるので、それぞれの声はあくまで参考とし、“正しい頻度”というものは存在しないことを覚えておきましょう。

マスターベーションの頻度が示すこと

認定性心理セラピストであり性教育者でもあるジジ・エングル氏によると、マスターベーションの頻度は、「その人の自尊心や、性的なことに対してどれだけの心地よさを抱いているのかを反映していることがある」と言います。

また、マスターベーションを汚いものや気持ち悪いことと捉える社会的な偏見が残っていることから、性的な行為に対して羞恥心を持っている場合にも頻度に影響が出ると話します。

「羞恥心を感じることは、決して悪いことではありません。ただ、自分の体と心地よさについてより深く見つめることは価値があることです」

実際に私たちは、プライベートな空間と時間さえ見つければ。いつでも好きなときにマスターベーションをすることができます。エングル氏は、マスターベーションは「人々に大きな力を与えてくれるもの」と強調しています。

TENGA社による2019年版セルフプレジャー・レポートにでは、アメリカ人の74%がマスターベーションをセルフケアやセラピーの一種だと考えていることが示されています。さらに、マスターベーションが月経前症候群(PMS)や月経痛の緩和にも役立つのではと期待されています。

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Jonathan Knowles//Getty Images

13人のリアルな声

ここからは、20~40代の様々なジェンダーアイデンティティや背景を持つ13人に「マスターベーションの頻度」について聞いてみました。(※一部、仮名を使用しています)

  • ドミニク(29歳)
    私は、そんなにマスターベーションをしません。自分の性器を触ることはあっても、他にもっとするべきことがある気がして没頭できなくて。だから、ベッドの横にある引き出しいっぱいのセックストイを使うこともありません。セルフケアのために時間をとる難しさも感じています。ついつい、マスターベーションが自分への愛情の示し方の一つであることを忘れてしまうんですよね。
  • ジャバニ(35歳)
    今はマスターベーションの回数を減らしていますが、これには理由があります。パートナーと会う数日前にマスターベーションを控えると、セックスのときによりオーガズムを得られることに気づいたんです。たとえば、これは他の人からされる場合のみ、また焦らされて感度が高まったときにのみ起こるのですが、太ももの愛撫でオーガズムに達することもあります。これがすごく楽しいんです。ただ、自分の手でオーガズムに達することも大切だと思うので、パートナーとのセックスのためにマスターベーションを控える行為を当たり前にしたくありません。今はただ自分の体の変化に耳を傾けて、意図的に感度を高めようとしているだけです。
  • コーラ(28歳)
    マスターベーションは、毎日やることの一つです。私は予定を立てるのが苦手ですし、記憶力も悪いのですが、マスターベーションが必要な“そのとき”が来ると、身体がいつも私に必要なことを思い出させてくれるんです。また、オーガズムに達するときに放出されるホルモンが、私の不安を和らげてくれる気がするので、私にとってマスターベーションは優先順位が高いんです。抗うつ剤に毎日追加している“魔法のようなもの”とも言えますね。
  • テオドラ(30歳)
    私はついに自分の好きなときにいつでもマスターベーションができるようになりました。昔は恥ずかしいという気持ちが強くて、本当に蕁麻疹(じんましん)ができてしまうほどだったんです。今ではしたいときにいつでも、小さなアパートなのに、パートナーがいるときでさえマスターベーションをしています(少し刺激的にするためにね)。
  • レッド(30歳)
    私は定期的にマスターベーションを楽しんでいて、普段は毎日、少なくとも週に5~6回はしています。私はマスターベーションが大好きですし、マスターベーションとも健全な関係を保てていると思います。セラピーに通って自分と向き合ううちに、マスターベーションはセルフケアの一つの方法だと思うようになったので、優先するようにしているんです。また、嬉しいことに1回のマスターベーションで2~3回はオーガズムを経験しています!
  • ジェス(31歳)
    私はマスターベーションをあまりしません。たいてい朝はまず携帯電話に手が伸びるので、マスターベーションで一日を始める代わりに、TikTokで動画を観て、そのときに出るドーパミンの虜になっています。実際にマスターベーションをするのは週に1回くらいです。本当は毎日したいですけどね。
  • フォックス(31歳)
    私は少なくとも週に1回はマスターベーションをしています。それ以上できれば最高ですが、今の平均的な回数で満足しています。優先順位などはつけずに、直感的にタイミングを選んで、たとえばパートナーが仕事に行っているときなどにしていますね。特別なセルフケアのように思っています。
  • ウィオ・リー(34歳
    日によって差はありますが、私は自分が満足するまでマスターベーションをします。私にとって、セックスはウェルビーイングの基盤となる大切なものなので、1カ月ほどマスターベーションの時間をしっかりとって、向き合う期間をつくったほどです。これは自分の体のことをよく知り、快楽や幸福を追求するためにとても良い方法でした。
    セックスするときは、相手をよく見極める必要があるので、気持ちの赴くままにソロセックスを楽しむことのほうが多いですね。ただマンネリ化してしまったときは、たいていセルフケアができていない証拠。睡眠と食事、性欲を満たすことが、健康を維持して好きな仕事をするために必要な基本的な要素なんです。
  • パラキート(22歳)
    私はよくマスターベーションをします。おそらく一日に平均して5回ほどです。私はどこでもこっそりとマスターベーションができます。
  • ジェニファー(37歳)
    私は、好きなときにいつでもマスターベーションをしていると思います。現在2人目の子どもを妊娠中なのですが、マスターベーションをしたくなる瞬間が突然やってくるんです。そういう予兆もなく、いきなり無性に欲が高まります。そして、そいうときはすぐにオーガズムに達してしまいます。それに妊娠中のオーガズムは、ダイナミックで全身で刺激を感じられて、通常時よりもすごく良いんです。ただ、その後はお腹が痛くなることが多いので、いつもその痛みで現実に引き戻されますね。
    • ジュヌヴィエーヴ(37歳)
      普段あまりマスターベーションをしません。パートナーが軍隊に所属していて頻繁に家を出入りしているので、私が家事を一手に引き受けています。掃除や洗濯、2匹の犬の散歩、食料品の買い出しなど、やらなければいけない家のことを全てこなし、それから仕事に行って大学院で勉強をし、そんななかでも運動に取り組む時間をつくろうとしています。とにかくやるべきことが多いんです。このようなライフスタイルなので、マスターベーションは“やることリスト”に追加するほど重要なことではないと感じでいます。
    • タリン(37歳)
      私生活のなかでマスターベーションを優先しているわけではないので頻度は高くないですが、とても満足しています。独身だったらもっと積極的に時間を割くかもしれませんが、パートナーがいるのでセックスを優先するんです。また、一人暮らしをしていたときや出産前ほど自分だけの時間や場所がありません。もっと時間をかけて色々なことを試してみればとても楽しいのは十分わかっているのですが…。
      子どもができてから私のセックスライフが変わったので、セックスやセルフプレジャーに関して新たな楽しみ方を色々と試しています。母になったことで実際に成長できましたし、ある意味ではパートナーとのセックスをより楽しめるようにもなりました。
    • ジョーイ(41歳)
      私にとってマスターベーションは日常生活のなかで優先するべきこと。どれくらいマスターベーションが必要であるか、または欲求が高まっているのかは週によって変わりますが、その変動が“必要”と“欲求”の健康的なバランスだと思います。
      また、優先順位のつけ方は自分の心の状態に左右されます。真剣に快楽を求めるなら、できるタイミングで一旦すべてを忘れて楽しみます。その後は、元気が湧いてくるんです。セルフケアのためにする場合は、たいてい夜寝る前に数回、朝にまた数回マスターベーションをしています
      ときには、より集中して前向きな精神状態で生活するために、そういった余分なドーパミンが必要なんです。

    ※本記事は、Hearst Magazinesが所有するメディアの記事を翻訳したものです。元記事に関連する文化的背景や文脈を踏まえたうえで、補足を含む編集や構成の変更等を行う場合があります。
    Translation: Risa Tsubakihara
    COSMOPOLITAN US