日本でも、結婚時にその人の状況に合わせて姓が選べる「選択的夫婦別姓」の法制化実現が叫ばれる、昨今。一方で、欧米などの夫婦別姓が認められている国では、結婚時に旧姓を維持するか、パートナーの姓に変更するかの選択で悩む人も少なくありません。

本記事では、ネット掲示板<Reddit>に投稿された「結婚後も自分の姓を貫いた女性たちの声」を、<コスモポリタン イギリス版>からお届け。結婚しても姓を変えなかった理由と、夫婦別姓のメリットやデメリットについて、リアルな声が綴られています。

「選択ができる」という時点で日本とは状況が違うものの、姓も含めて名前がその人のアイデンティティとなることは万国共通。選択的夫婦別姓を考えるヒントにしてみて。

改姓手続きがなくて楽だった!

そもそも自分の名前が好きなので、夫婦別姓を選びました。メリットは、改姓のための書類作成の必要がなかったこと。

デメリットがあるとしたら、夫の知り合いと初めて会ったとき、みんな私のことを『ミセス〇〇(夫の姓)』と呼ぶことですかね。そういった場合には、ファーストネームで呼んでほしいことを伝えています。

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夫から一度は嫌悪感を表されるも…

私は学位を取得するために一生懸命勉強し、生来姓で論文を発表したので本名を変えたくありませんでした。なので、法的にも職業的にも生来姓を維持し、SNSのアカウントのみ夫の姓に変えました。

私が経験した唯一のマイナス面は、夫が私の決断に対して嫌悪感を表したこと。彼は「名字を変えないのは、結婚生活を全うする気がないからだ」と感じたようです。でも、私の決断は結婚へのコミットメントとは無関係であることを説明したら、彼も考えを改めてくれました。

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珍しい姓を維持したかった

改姓のための書類作成が不要で、自分のアイデンティティを保つことができるのが別姓の利点ですね。私の姓はとても珍しくて、子どもの頃はからかわれたりもしましたが、今ではこの名前を誇りに思っているんです。「これこそが私の姓」だと心から思っています。

デメリットがあるとしたら、夫が少し悲しんだこと。でも、改姓にあたって女性がどれだけ多くの事務作業が必要になるのかを理解してもらい、二人で乗り越えました。義理の両親は少し怒っていたようですが、面と向かっては言われませんでした。

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他の姓で呼ばれるなんて考えられない

私は、生まれ育った姓を維持しました。他の姓で呼ばれることは考えられないし、自分の名前を気に入っています。でも、もし夫の姓の方が好きだったら、改姓していたかもしれません。それで何かが変わるわけじゃないですから。どちらを選んだとしても、私の人生には何の影響もありません。

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仕事などで対応しやすいから

私は学術的な仕事や出版物にはすべて生来姓を使用しているので、それを維持しています。その方が対応しやすいからです。

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姓を変えなくても何の影響もなかった

改姓をしなくても、私の人生には何の影響もありませんでした。私や夫が「改姓しなかったことで罪悪感を感じている」と信じたい人もいたようなのですが、私たちはそんなこと、少しも感じませんでした。

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出自が分かりやすい

メリットもデメリットもありましたが、私は自分の名前を維持して良かったと思っています。私は海外出身で、名前からもそのことがわかります。生来姓のままの方が混乱が少ないのです。以前は、私が訛った英語で話すとみんなショックを受けていましたが、今では私が海外出身なことをみんな知っていますから。

また、離婚しても名前を変更する必要がないのも良い点です。家族の中で、伝統を重んじるタイプの人は最初は眉をひそめていました。しかし「女性が自分の姓を持ちつづけたいと思うことって、そんなに変なことじゃないと思いますよ」と言ったら、ほとんどの家族がすぐに納得してくれました。

私たちに子供が生まれた場合は、彼の名前を使うことで合意しています。

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改姓する理由が見つからない

姉に「でも、子どもができたらどうするの?」と聞かれたので、私はこう答えました。

「名前を一緒にするだけで、家族になれるというわけでもないでしょ。私の婚約者のお母さんは一度も改名していないよ。姓を変えなければならない正当な理由なんて他にある?」

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自分の姓が好きだから

私は自分の姓が好きなんです、単純に。私の家系では多くの女性がこの姓を維持していますが、それはやや珍しい姓だから。この姓の人は200人くらいしかいないそうで、そのうちの約50人くらいが私の家族・親戚です。ほとんどの人が結婚しても、性別に関係なく名前を維持しています。

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二度とも夫が姓を変えた

私は2回目の結婚をしましたが、2回とも夫が私の姓に変えました。私が名前を変えていないことを知った人は肩をすくめますが、夫が名前を変えたことを知った人は驚きを隠せないようです。

私は、自分の名前を変える理由がないだけなんです。最初の夫の時は、彼の姓の綴りや発音が難解だったので、二人で相談して私の姓の方が便利だという話になりました。

二人目の夫は、「同じ姓を名乗ることが夫婦にとって大切」という価値観の人だったので、彼の方が改姓することになりました。

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古い慣習に従う必要なんてない

「みんながそうしているから」という理由で改姓するなんて馬鹿馬鹿しいと思っています。私は誰かの従属物ではありませんから。

家族や友人の中には、別姓であることを知ったうえでも夫の姓で私に手紙を送ったり、夫の姓で呼びかけてくる人もいました。そういう時は、丁寧に訂正します。

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結婚は二人でするもの

私は、「結婚=パートナーシップ」だと思っています。私たちは「お互いに結婚する」のであって、「私が彼と結婚する」のではありません。だから、彼の姓に変えるつもりはありませんでした。

そこで、二人で新しい姓を名乗ろうとしたのですが、家族として一体感を表す良い姓がなかなか決まらず、今もそれぞれの姓を使っています。周りの人たちは、私が彼の姓に改姓したか、もしくは私たちがまだ結婚していないと思っていますが…。

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育った環境の反動で…

私は「男性が家長である」という、厳格な環境で育ちました。夫の名前を名乗らなかったのは、その反動もあったと思います。今後のことは分かりませんが、彼との結婚生活が破綻したときに改姓しない決断をしておいてよかったと思いました。

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この翻訳は、抄訳です。
Translation: 宮田華子
COSMOPOLITAN UK