初めまして。韓国に住みながら物書きをしている、南田柊子と申します。旅行で韓国へ通っていた時から、韓国男子と遠距離恋愛をしたり片思いをしたり、はたまたモテ男に振り回されたりと、楽しいこともトンチキなことも色々ありました...。

そんな私が実際に韓国で体験したことや、移住してから気づいたことを愉快に綴っていきたいと思います。

seou, south korea city skyline at twilight
SeanPavonePhoto//Getty Images
韓国、ソウルの街並み。

ドラマと現実は、やっぱり違う…?

現在、日本では第4次韓流ブーム真っ只中ですが、韓国に住んでいるということで、日本にいる友人からよく尋ねられるのは、「韓国男子ってやっぱりあんなに情熱的なの?」「(『梨泰院クラス』の)パク・セロイみたいな人はいるの?」「ドラマみたいな恋愛はできるの?」という質問。

それに対する私の回答は、希望を持ちたいけれど弱気なNO。日本も同じですが、ドラマと現実は違いますよね。

とはいえ、やはりアジアのラテン・韓国ですから愛情表現は豊かだし、ときめくサプライズをしてくれることもあるし、ジェントルマンな韓国男子もたくさんいます。私の周りの友人たちを見ていると、基本尽くしてくれる人が多いようにも感じます。

韓国で「大人の恋愛」はハードルが高い…!?

まず現実的な話から入ると、韓国は若さと美貌がものを言う国です。東京に住んでいる頃は感じなかった「年齢&外見至上主義圧」を、韓国に住み始めてからヒシヒシと感じ、正直若干、私のような30代以上の独身女性にとっては厳しい社会だなという重みを背負って生きています。

めちゃくちゃ便利で生活しやすくてスピード感のある先進国なのですが、「25歳を過ぎたらおばさん」という、日本でいう“クリスマスケーキ神話”がまだ生きているのです。

人によって価値観はもちろん違うけれど、これはなかなか根強く、韓国の人たちは年齢に重きを置いている(上下関係が重要な文化も関係している)こともあり、出会って5分以内に「ミョッサリエヨ?(何歳ですか?)」と聞かれます。

20代中盤くらいまでは、年齢を聞かれてもなんてことないですし、むしろ「俺がオッパ(女性が年上の男性に対して呼ぶ名称・お兄さんという意味)」だと喜ぶ男子も多いはず。ここで30代中盤だと言うと、なんだか気まずい空気が流れてしまうと感じるのは、私だけでしょうか...。

とにかくまだまだ「女性より男性が年上」という関係性の方が好まれる傾向にあるようです。

「ごはん食べた?」は、ただの挨拶

韓国の人たちがよく使う言葉パブモゴッソ?(ごはん食べた?)」。これは、老若男女問わず本当に(!)よく使います。もちろん、韓国男子もよく使うフレーズですが、これは「ごはんを一緒に食べよう」というお誘いではなく、ただの挨拶です(※)。

最初こそ「え? 食事に誘われた? 脈あり?」と勘違いしていたのですが、後にただただ挨拶だということがわかってきました。期待しちゃってお恥ずかしい…。

たとえば…

私:「まだ食べてないよ〜」

男子:「美味しいもの食べて〜」(完)

てな具合です。もちろんタイミングが合えば、食事に行ったりお酒を飲んだりすることもあると思いますが、基本はただの挨拶だという認識で良いでしょう。

※一説によれば、朝鮮戦争中にごはんを食べられなかった辛い経験からくる「食事を大切にする」という習慣と、当時相手を気遣ってかけていた言葉の名残なのだとか。

smiling young asian woman enjoying korean meal in a korean restaurant
d3sign//Getty Images

韓国男子の「綺麗にしてきてね」はガチなやつ

以前、デート日の前日に彼から「明日楽しみだね。綺麗にしてきてね」と言われたので、軽い気持ちでヒールにジーンズ、ファーのアウターという“自分的キレカジ”で行ったところ、見事にがっかりされてしまいました。あのちょっと寂しそうながっかりした顔...3年経った今でも脳裏に焼き付いています。

基本的に韓国男子の“綺麗にしてきてね”は、江南オンニ(※)的・シフォン素材のフェミニンなブラウスにミニスカート、または綺麗なワンピースというスタイル。カフェにいるような若いお洒落男子ならカジュアルスタイルは通用するかもしれませんが、一般的な男子にはまだまだコンサバが人気という印象です。

タイツも80デニールは綺麗じゃないからと、極寒の中薄いタイツを推奨されたこともありました。そりゃ韓国女子、身なりに気合いが入っているはずだわ。

asian happy young woman choosing  shirts in mall or clothing store
Prasit photo//Getty Images

私は普段好きな服を着ていますが、もし大好きな彼がフェミニンスタイルで喜ぶのであれば、コスプレ感覚で楽しくワンピースを着ることもあるタイプ。正直、そんなに嫌じゃないのでここは気楽に考えています。

※後日韓国のオンニ(女性が年上の女性に対して使う、お姉さんという意味の言葉)にこの話をしたところ、「そんな男はダメ! これだから古い価値観のままなのよ」と憤っていました。昨今の若い男女はカジュアルなスタイルのカップルもたくさんいるので、時代は変わりつつあるのかもしれませんが、韓国でフェミニズム運動が盛り上がる理由を少し垣間見たエピソードでもあります。

毎朝○○をしてくれる彼氏

世知辛い話が続いてしまいましたが、ちゃんと甘いエピソードもあります!

逆ナンした韓国の彼氏と日韓遠距離恋愛をしていた時、まだロクに言葉も通じないのに、朝が苦手な私のために毎朝電話で起こしてくれていた彼。「チャギヤ〜イロナ〜(ハニー起きな〜)」と、朝から甘いコールで目覚めていた幸せな日々。頻繁に会えずとも、毎朝の甘い時間で「大事にされている感」がむくむくと育っていきました。お金をかけずとも、彼女をこんなにも喜ばせることができる。「このマメさが、韓国男子か!」と感動したものです。

airplane behind window
RUNSTUDIO//Getty Images

ちなみに、韓国人男性との交際は私の経験上、毎日の連絡が基本。カカオトークや電話でとにかく頻繁に連絡を取ります。社会人で仕事がすごく忙しい人の場合は難しいこともありますが、それでも連絡が来ない日はない、と言っても過言ではないでしょう。

自分の母親にも毎日電話をする男性がとても多いので、彼女はもちろん、家族への連絡もマメなのです。兵役もありますし、「男なら、家族や恋人はケアして大切にするもの!」という考え方の男性がとても多いです。一方、彼女からの要求も多いので、近年ではそれが負担になってしまい、彼女を作りたくない...という若者が増えているのも事実。韓国男子もなかなか大変なようですよ。

※あくまで個人の経験と実体験に基づいたレポートです。