大好きな相手でも、2人の関係に大きなストレスがともなうのであれば「もう一緒にいない方がいい」と決断するのは賢明だし、あなたにとって悪影響を与える関係でならば、別れるのがベストなことは明白。とはいえ、どんな状況であれ、恋愛関係が破たんするのは辛いもの

そこで、専門家が解説する「別れの痛みを軽減する方法」をコスモポリタン アメリカ版から紹介。自分の心の声に耳を傾け、正しい判断であったことを理解することが辛さを克服するカギ。今現在、苦しい状況にあるのであれば、ぜひ参考にしてみて!

1.自分が妥協できないことを理解し、意志を貫く

自分とパートナーがうまくいかない原因は何なのか? お互いの考え方の相違点はどこなのか? 問題点をピンポイントで指摘できない場合、一緒にいて苦しい状況を変えるのは難しいもの。

「あなたが人生において大切にしている信条や、あなた自身が人に対してどう接しているか、また人があなたにどう接してほしいと思っているのかを理解しましょう。それこそが、あなたが人生において価値を見出していることなんです」と語るのは、トロント大学で対人関係の心理学を教えているマリアナ・ボカロヴァ博士

あなたは子どもがほしいのに相手は望んでいないとか、自分は相手に尽くしているのに浮気ばかりされている、いつかあたたかい場所に移住したいと考えているけれど、パートナーは寒冷地好きといった、お互いの妥協点を見出すのは困難な問題が見えてくるかも。まずは、自分が「自信をもって楽しく生きるために必要なもの」を見極めることが大切なんだそう。

「自分が“大切にしているもの”が明確にわからない場合、もし、友人が同じ状況に置かれていた場合に、自分だったらどうアドバイスするのかを考えてみましょう」とボカロヴァ博士は提案。

例えば、親友に「彼のことが大好きだけど、気持ちが通い合ってない気がするの。このままでは人生を無駄にしてしまうのかしら?」と相談されたとした場合。あなたが彼女にどう答えるのかを考えると、自分に対しても同じことが言えることに気づくのでは? 誰かのために犠牲になるのではなく、自分自身を大切にすることをしっかり考えることが重要。

2.ずっと感じてきた違和感の理由を追跡する

何年も相手と付き合っている場合、1つの単語や1つの感情でこれまで感じてきた違和感を定義するのは不可能。

「そんな場合は、過去に感じた不安や、裏切られた、怖い、何かがおかしいと感じたときの状況を思い出しましょう」とボカロヴァ博士。「こうした感情の裏で起こっていたことこそが、あなたを脅かしてきたことなのです」

「パートナーがあなたの友人の前で面白くないどころか、傷つけるようなジョークを年中言う」「人前ではまったく愛情表現をしない」「彼があなたをなじってばかりいるので、自分がダメな人間だと思えてくる」――こんな状況が思い当たる場合は、別れるのが正解だとわかるはず。

また、違和感の原因を具体的にするために、日記を書くのは1つの方法なんだとか。日々感じることにヒントがあるので、「一緒にいないほうがいい」と納得する手がかりを探し出せるのでは。

3.(少なくともしばらくの間は)会わないと決意する

もし「関係を終わりにしたい」という決意が固いのであれば、どんなことがあってもメッセージを送らないと決めることも大切。

ボカロヴァ博士も「今後の見通しが判明するまでは、相手と接触しないことをおすすめします」とアドバイス。「とはいえ、関係性は各々異なるもの。『相手と絶対に会わないこと=ベストチョイス』とも限りません」。

例えば、元パートナーと同じ職場の場合は、顔を合わせないわけにはいかないもの。また、恋愛相手ではなく友人として成立すると思える関係であれば、ベストフレンドになるのも1つの方法。つまり「別れた相手と会う場合の理由」が大切だと、ボカロヴァ博士は強調。

彼氏がいなくて退屈だからとか、話し相手がいないから連絡してみようかな、という理由では接触しない方が身のため。

4.うまく別れられなくても、自分を責めない

恋愛とはそもそも複雑なものだし、破局はもっと複雑な思いが絡みあうもの。ボカロヴァ博士は「破局はとても個人的な出来事。じっくり時間をかけて、心の声に耳を傾けましょう」と説明。

大切だった(はずの)人と別れることは、誰にとっても大事件。別れようと決意したところで最初は「キッパリ」と切れずに、またヨリを戻してみたりするのもよくある話。そんな風に悩んで煮え切らない態度の自分のことも、ときには優しく許してあげましょう。「絶対にメッセージを送らない」と決めても、理由をつくって送ってしまう、そんなダメな自分のこともわかってあげて。

「2018年に発表された研究論文からも、別れたりヨリを戻したりはよくあることであり、スッキリ別れられるのは稀なことなんだそうです」とボカロヴァ博士は指摘。「通常、破局に至るまではいくつもの過程があり、関係は紆余曲折しまうものなのです」。

心がふらつくのは仕方ないもの。基本的には、自分の決断に忠実に行動するよう心掛けていればOK。

5.自分ひとりですべてを抱えこまない

破局は大きなストレスになるので、不眠や食欲不振(または過多)、精神が不安定になるなどの心身の症状を引き起こすことも。

「問題を解決しようと思って別れるのに、破局することで孤独感や寂しさなどの新たなストレスが生まれてしまうこともあります。そんな場合は、あなたのことを大切に考えてくれる人たちとの絆を深めましょう」とボカロヴァ博士。

傷心のときは、しばらく1人で過ごしたいと多くの人が考えるもの。けれど、ずっと殻に閉じこもっていると状況が悪化する場合も。信頼できる友人や家族と話したり時間を過ごすことは、寂しさがまぎれるだけでなく、周囲の人たちの愛情をより強く感じるきっかけになるかも。

6.忙しく過ごす

辛い別れのストレスを忘れるために、忙しく行動するのは良い方法。「忙しく行動する元気なんかない(涙)」と思っても、自分を忙しくするよう心掛けてみて。

「悲しみと格闘しても、ストレスを解消できるわけではありません。それならば、『好きな映画を見る』『ジョギングをしてリフレッシュする』『美味しいものを食べる』など、好きなことに集中したほうが、短期的にではあるもののポジティブな気持ちになれるものです」とボカロヴァ博士は解説。

この方法で人生が変えられるわけではないものの、心のバランスを保ち、辛い気持ちを引きずっている時間もなくなるはず。この時期を乗り越えることで、人生の大きな転機を迎えることができるかも。

7.ヨリを戻すと決めた場合は、ゆっくりことを進めて

別れると決めたものの、相手のことが忘れられず「やっぱりやり直そう」と思い直すことも。一度別れを経験したことで、以前よりも関係がうまくいく場合もあるけれど、ヨリを戻すなら注意も必要。

「ヨリを戻すと決めたらなら、慌てず、ゆっくり進めてください」とボカロヴァ博士は提案。「別れていた時間があるので、お互いの見方にも変化が起こるでしょう。何が悪かったのかも、見えてくる可能性もあります」

ここで書いたように、「別れたりヨリを戻したり」はよくあること。そのことを理解した上で「もう1度やり直してみよう」と思うのであれば、それは価値あるチャレンジになる場合も。ただし、じっくり時間をかけてスローに進めることが肝心。何よりも、あなた自身を大切にすることを最優先に考えて。

この翻訳は、抄訳です。

Translation: 宮田華子

COSMOPOLITAN US