毎年3月8日は、女性の権利拡大やジェンダー平等に向けたこれまでの歩みを讃え、連帯を確かめる日である「国際女性デー」。

当日には多くの人がSNSなどで祝福のメッセージを発信したなか、モデルやTikTokerとして知られるディラン・マルバニーによるSNS投稿が誹謗中傷を受けることに。そんな彼女にレディー・ガガがサポートを表明したことが注目を集めている。

国際女性デーに投稿されたツーショット

トランスジェンダー女性であることを公表し、アクティビストとしての一面を持つディラン。昨年10月には、ロサンゼルス LGBTセンターから「LGBTQ+コミュニティの若者の良きロールモデルであること」を讃えるモデルズ・オブ・プライド賞を受賞したばかり。

そんな彼女が「国際女性デーおめでとう」という言葉と共にInstagramに投稿したのは、レディー・ガガとのツーショット。 レディー・ガガと実業家マイケル・ポランスキーの自宅で開催され、多くの慈善活動家たちが集まったイベントに招待された際の一枚だという。

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この投稿には、「最高の写真!」「私が憧れている美しい女性たち。二人のコラボが見れて嬉しい!」などといった好意的なコメントが見られた一方で、「でもあなたは“本当の女性”じゃない」といったトランスジェンダー嫌悪的なコメントが多数寄せられることに。

「これは“反発”ではなく、ヘイト」

この状態を重く見たレディー・ガガは自身のInstagramに同じ写真を投稿し、ディランやトランスジェンダーコミュニティへのサポートを示すために、次のようなメッセージを綴っている。

「ディランと私の国際女性デーにまつわる投稿が、強いヘイトスピーチの被害を受けていることを恐ろしく思います。ニュースでは『反発を呼んだ』という書かれ方をしていますが、これがヘイト(憎悪や差別)であることを明確にしなければなりません。このようなヘイトは、暴力の一種です。『反発』とは、私やディランのことを愛する人が、私たちの行いに反対するということ。これは反発や批判ではなく、ただのヘイトです」
「トランスジェンダーの人々の人権が尊重されサポートされるようになるまで、まだまだ多大なる課題を抱えている現在の社会を考えれば、今回のことも驚きません。ディランやトランスジェンダーコミュニティのことを守りたい気持ちでいっぱいです。彼らは差別や偏見、身体的やメンタル面での暴力や暴言の被害にありながらも、品格を持ちながら、人々をインスパイアしつづけているのです」

また「国際女性デーには、すべての女性が称えられるべき」というメッセージや、未来への希望についても触れている。

「私には彼らの代弁はできませんが、伝えたいことがあります。国際女性デーには、全ての女性が、全ての女性を称えることを願っています。そして、全ての女性が平等に、全ての人類が平等に祝福される日が来るまで称える日々が続くようにと願っています。自身の性自認と合致する記念日で祝福される日が来るまで。どのような性自認をしていても、どのような人種でも、みんな平和に暮らし、尊重されるべきなのです」
「すべての人が愛を持ち、受け入れる心、温かい心を持ち、団結しますように。トランスジェンダーの人生の複雑さや困難さを称えましょう。お互いに全てを知ることはできませんが、理解しようとし、思いやりを持つことはできます。私は、人が大好きです。このようなヘイトを、ただの“反発”として許すことはできません。人は、このようなひどい扱いを受けるべきではありません」

「トランスジェンダー女性は、女性」

同投稿のコメント欄でも議論が巻き起こっているものの、「ガガ、いつも私たちのコミュニティへの支持を表明してくれてありがとう」、「よく言ってくれた、その通り!」とレディー・ガガを讃えるコメントも。

また、ディランの投稿にも「トランスジェンダー女性は、女性です。トランスジェンダー女性の存在が、シスジェンダー女性から何かを奪うことはありません」、「私は、いわゆる“本当の女性”ですが、あの投稿を見て少しも嫌な気持ちにはなりませんでした。女性同士が支え合う姿は素晴らしいし、誇りに思います。ヘイトを滅亡させる唯一の方法は、愛を持つことだと思う」といったトランスジェンダーコミュニティへのサポートを表明する女性たちの言葉も寄せられている。