先日までサンディエゴで開催されていた世界最大級の「コミコン2018」。大勢のセレブが集結した同イベントでは、『リバーデイル』のキャストなども登場し、自身が出演している作品について熱く語る一幕も。また、『デッドプール』主演のライアン・レイノルズが「パンセクシャルな彼のセクシャリティを表現したい」と話したことが注目を浴びるなど、作品をつくる上でセクシャリティの表現が大きな課題のひとつであることが再確認された。そんな中、人気ドラマに史上初となるトランスジェンダーのスーパーヒーローが登場することが発表に!

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Visual Press Agency/アフロ
2015年から放送されているテレビシリーズ『SUPERGIRL/スーパーガール』。主演を務めているのは、『glee』出演で知られる女優メリッサ・ベノイスト。

テレビ史上初となるトランスジェンダーのスーパーヒーローが登場するのは、DCコミックスによる人気ドラマで、今年10月にシーズン4が放送となる『SUPERGIRL/スーパーガール』。そのキャラクターは「Nia Nal」という名で、別名ドリーマー。人々を救いたいという強い思いに突き動かされ、差別や憎しみと闘っていくんだそう。

今回、ドリーマーを演じるのは、トランスジェンダー女性のニコール・メインズ。弱冠20歳ながら、女優とアクティビストという二つの顔を持っている注目の存在だ。

ニコール・メインズpinterest
Getty Images

8歳で自ら改名したというニコールは、3歳の頃から「自分は女の子だと頭と心で理解していた」んだそう。しかし、学校で女性用トイレを使用していることを同級生の親族から批判され、学校側からスタッフ用のトイレを使用するように指導されたことが。そこで彼女は泣き寝入りせず、家族と共に人権侵害を訴える裁判を起こし、見事勝訴。また同裁判は、トランスジェンダーの人々が自分に合ったトイレの使用を認める州法制定のきっかけにもなったんだそう!

そんなニコールが語った同作への意気込みがコチラ

「これまでもテレビでトランスジェンダーが登場したことはありましたが、どの描写も正しくありませんでした。特に私がカミングアウトした頃は、男性として生まれた男性がトランスジェンダー女性を演じていたため、“トランスジェンダー女性=女装をした男性”という誤ったメッセージが届けられてきたんです。そしてたいてい、彼女たちはセックスワーカーや薬物中毒という役どころでした。今の時代はクリエイターや脚本家、そしてキャスティング担当者が、トランスジェンダーの役にはトランスジェンダーの女優や俳優を配役しているので、希望も持てますし、安心して出演できます。私たち自身でこのコミュニティを表現し、ステレオタイプが間違っていると伝えることができるなんて嬉しいです。しかもスーパーヒーローのスーツを着用できるんですから! 今からとても楽しみにしています」

一方で、プレッシャーも感じている様子。

「大きなパワーには、大きな責任も伴います。失敗したくないので、緊張しています」

これまでにも女性同士のロマンスを描くなど、積極的にLGBTQ+コミュニティへの理解推進を図ってきた『SUPERGIRL/スーパーガール』。テレビ業界の新たな夜明けに乞うご期待を!