ハリソン・フォード、ジョージ・ルーカス、スティーブン・スピルバーグという映画界のレジェンドたちが生み出した、歴史に残る大人気アドベンチャーシリーズ『インディ・ジョーンズ』。
クラシックな有名作ですが、実は意外と知られていない逸話や裏話など、トリビアもたくさん存在します。そこで、金曜ロードショーでの2週にわたるシリーズ2作の放送を記念して、それらをまとめてお届け。放送を観ながらチェックすれば、シリーズをもっと楽しめるはず！
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別人が演じる可能性もあった？
今でこそ映画史に残るキャラとなったインディ・ジョーンズですが、シリーズの生みの親ジョージ・ルーカス（写真右）は、当初ハリソン・フォードのキャスティングに消極的だったそう。
その理由は、ハリソンがすでに『アメリカン・グラフィティ』（1973）や『スター・ウォーズ』第1作（1977）などのルーカス作品に出演していたため。
確かにルーカスの気持ちもわかるけれど、ハリソン以外の人が演じるインディなんて想像できない！
名前の由来
インディこと「インディアナ」、この名は実は、ルーカスが飼っていた犬（アラスカン・マラミュート）からとったもの。もともとルーカスは「インディアナ・スミス」という名前を想定していたが、監督のスティーブン・スピルバーグが納得せず、結局「インディアナ・ジョーンズ」に落ち着きました。
さらにシリーズ3作目『インディ・ジョーンズ／最後の聖戦』（1989）では、インディの名前に関するある真実が明かされるので、10月1日（金）の放送をお楽しみに。
ちなみに愛犬インディアナのルックスは、『スター・ウォーズ』シリーズでハリソンが演じたハン・ソロの、頼もしい相棒・チューバッカのデザインの原型でもあるそう。
他キャラの名前も愛犬!?
さらに名前の由来でいうと、『インディ・ジョーンズ／魔宮の伝説』のヒロインの名前「ウィリー・スコット」（演：ケイト・キャプショー、写真左から2人目）は、スピルバーグ監督の愛犬のコッカースパニエルから、かわいい相棒「ショート・ラウンド」（演：キー・ホイ・クァン／ジョナサン・キー、写真右から2人目）の名前は、脚本家ウィラード・ハイクの愛犬のシェットランド・シープドッグから付けられたそう。
ヘビが苦手なインディだけど
インディは「ヘビが苦手」という設定ですが、演じるハリソン本人はまったく平気なのだとか。
タイトルの裏話
『魔宮の伝説（原題：Indiana Jones and the Temple of Doom）』は、ジョージ・ルーカスの制作会社「ルーカスフィルム」が初めて手がけた続編映画（ただし、内容は前日譚となっています）。
第1作『レイダース／失われたアーク《聖櫃》（原題：Raiders of the Lost Ark）』では主人公インディの名前がタイトルに入っていませんでしたが、2作目で初めて入れられ、その後定番化しました。
また、当初は『Temple of Doom』ではなく『Temple of Death』というタイトルで進められていたものの、撮影が始まる8日前に急きょ変更されたそう。
幻のオープニング
『魔宮の伝説』のオープニングはもともと、万里の長城でインディがバイクを乗り回すという内容でした。しかし、中国側が撮影を許可せず脚本を書き直さなくてはならなくなり、結局カジノのシーンになったそう。
ロケ地探しも難航
『魔宮の伝説』のロケ地を探していた際、当初は大半をインドで撮影する予定でしたが、インド政府が映画のいくつかの部分の変更や、不快感を与える場面を検閲したいと考えていることが判明したため、ロケ地は結局スリランカにチェンジ。
公開当時インドでは上映禁止になっていたが、現在も作中におけるインドの描写（邪教や食文化など）が問題視されています。
ルーカスらしいカメオ＆イースターエッグ
『魔宮の伝説』には、実はルーカスやスピルバーグ監督、プロデューサーのキャスリーン・ケネディ（ルーカスフィルムの現社長）ら制作陣が、空港のシーンにチラリとカメオ出演しているので、目を凝らしながら観てみるのも一興。
なお、他にもシリーズのあちこちにイースターエッグがちりばめられており、『スター・ウォーズ』に登場するキャラの名前やモチーフも登場。『魔宮の伝説』には、「クラブ・オビ＝ワン」という場所も出てきます。これぞ、ルーカスならではの遊び心！
私生活の闇が作品にも
1作目に比べ、「ダークで刺激が強すぎる」「ホラー要素が多すぎる」といった批判も多かった『魔宮の伝説』。
スピルバーグ監督自身もそれを認めていますが、そうなってしまったのは、制作中にスピルバーグもルーカスもともに、私生活で離婚や失恋を経験していたためだとか。
新たなレーティングのきっかけに
前述のとおり、グロテスクで残酷なシーンが意外と多い『魔宮の伝説』。
それまでは「G（General Audience）」「PG（Parental Guidance Suggested＝保護者の検討が望ましい）」「R（Restricted＝17歳未満の観賞は保護者の同伴が必要）」「X（後のNC17＝No One 17 and Under Admitted / Adults Only）」の4種類しかなかったアメリカのレーティングシステムに、「PG13（Parents Strongly Cautioned＝13歳未満の観賞は保護者の厳重な注意が必要）」が加わるきっかけになりました。
その背景には、こんなエピソードが――。スピルバーグらは『魔宮の伝説』と、同じく彼が同年に制作した『グレムリン』をむりやり「PG」扱いにしますが、それによりMPAA（米国映画協会）の会長ジャック・ヴァレンティの怒りを買ってしまいます。そこで、スピルバーグは彼をなだめるため「では、PGとRの間を作りませんか」と持ちかけ、こうして「PG13」が誕生したのだとか。
少ない予算でもアカデミー賞ゲット！
有名な洞窟でのトロッコのシーンは、バジェットの都合もあり、実はその多くがミニチュアを使用したもの。スズ箔（銀紙）で岩肌を再現するなどして屋内にセットを作成し、撮影したそう。
その甲斐もあってか、本作は第57回アカデミー賞では視覚効果賞を見事受賞！
名シーンは一発撮り
吊り橋が落ちるスペクタクルなシーンは、なんと1テイク。イギリスの会社がちょうどダムを建設しようとしていた峡谷がロケ地となりました。
名子役の発掘
ショート・ラウンド役でブレイクした、キー・ホイ・クァン／ジョナサン・キー。もともとこの役のオーディションを受けていたのは彼の兄でしたが、ジョナサンのほうがキャスティングディレクターのマイク・フェントンの目に留まり、役をゲットしました。
その後彼はカルト作『グーニーズ』（1985）などにも出演し、人気子役のひとりになってゆきます。
ちなみにハリソンは撮影中、ジョナサンに泳ぎを教えてあげたそう。
禁断の料理は
劇中の食事シーンで提供される“サルの頭”は、もちろんフェイク。カスタードにラズベリーソースをかけたものを、脳ミソに見立てていたそう。
撮影には“ドーピング”も
ウィリーを演じたケイトは、虫のシーンを撮影するにあたりナーバスになりすぎたため、鎮静剤を服用して臨んだと明かしています（使われた虫はもちろん本物！）。
作品がきっかけで結婚♡
ちなみにケイトは、『魔宮の伝説』でスピルバーグ監督と出会い、1991年にゴールイン。監督は1989年まで俳優のエイミー・アーヴィングと結婚していましたが、彼女と離婚してケイトを2番目の妻としました。
事故もつきもの
象に乗るシーンでハリソンが背骨を傷めてしまい、手術のためアメリカに約6週間も帰国しなくてはならなくなるというハプニングも勃発。
そのためハリソン抜きで撮影が続けられ、ベルトコンベアでのアクションシーンなどは、ハリソンのスタントダブルを務めていたヴィク・アームストロングを代役に立てて撮影が続行されたそう。なお、すべての女性のスタントを担当したのは、ヴィクの妻ウェンディ・リーチ。
リヴァー・フェニックスの起用
『最後の聖戦』に登場する若きインディを演じるのは、伝説の俳優リヴァー・フェニックス。彼に自身の若い頃を演じさせようと考えたのは、ハリソン本人なのだとか。
1986年の作品『モスキート・コースト』（写真）での共演が、起用のきっかけだったよう。
親子の歳の差は
また、『最後の聖戦』でインディの父親ヘンリーに扮したのは、2020年に惜しまれつつ亡くなった英国を代表する大御所俳優、ショーン・コネリー。
劇中では素敵な親子を演じていますが、ハリソンは1942年生まれ、ショーンは1930年生まれで、歳の差はわずか12歳。
ロケ地が大人気に
『最後の聖戦』のロケ地のひとつだった、ヨルダンにある世界遺産・ペトラ遺跡。公開後には観光客が激増、毎年数千人だったのが数百万人となり、瞬く間に世界的名所となります。
なおヨルダンでは、ヌール王妃自身が子どもたちと一緒にスピルバーグ監督をロケ地まで車で連れていったこともあったとか。
