スポーツ選手から政治家、アーティストまで、多岐にわたるリーダーたちが活躍中。
女性活躍の動きに、さらなる広がりが期待される昨今。特にAAPI(アジア・太平洋諸島系アメリカ人)コミュニティの女性たちの飛躍には、目を見張るものがあります。
これまでも多くの著名なAAPIの女性たちがいたものの、その活躍が料理や学術分野に限定されていたという歴史も。しかし現在は、スポーツ選手から政治家、アーティストまで、多岐にわたるリーダーたちが出現しているのはご存知のとおり。この記事では、そんな時代の流れをけん引するAAPIコミュニティの女性20人を<プリベンション>からご紹介します。
日本人も当事者!アジア人への憎悪・差別に連帯する「AAPI」を解説
第49代アメリカ合衆国副大統領のカマラ・ハリス。彼女はアメリカ史上最高位の女性官僚となり、そして初のアフリカ系でアジア系アメリカ人の副大統領に就任しました。
いくつもの歴史を塗り替えてきた人物です。
トランスジェンダーの人々の権利のために闘うアクティビストであるセシリア・チャン。彼女はLGBTQ+コミュニティの人たちも、公平な医療サービスを受けられるようにするために、重要な役割を担ってきました。
2013年には、保険に加入していないトランスジェンダー患者の性別適合手術の費用を、サンフランシスコ市が負担するよう働きかけて成功させました。これは同手術を地方自治体が負担した、アメリカ初の事例だったそう。
エイミ・タンは、アジア系アメリカ人の文化のなかでも、家族関係について自らの経験を生かして執筆している作家。
彼女の初の小説である『ジョイ・ラック・クラブ』は舞台および映画化されました。オペラやテレビアニメ化された作品も。
コメディアンで、ユーチューバーでもあるオークワフィナ。自作でラップビデオを作っていたときからブレイクするまで、長い道のりだったそう。
ブレイクした後は俳優としても、映画『オーシャンズ8』『クレイジー・リッチ!』『ジュマンジ』などで世界的に大きく注目されるように。2019年には、ゴールデングローブ賞の主演女優賞を受賞しています。
そして同賞を受賞した、初のAAPIの女性となりました。
ベトナム系アメリカ人で、建築家のマヤ・リン。彼女はイェール大学在学中にベトナム退役軍人記念館を設計し、全米デザインコンペティションで優勝をしました。
以来、数多くの記念碑や公共施設、個人宅、ランドスケープ、アート作品などをデザインしています。
大坂なおみは日本で生まれ、現在はカリフォルニア在住。
全米オープンと全豪オープンのディフェンディング・チャンピオンであり、女子テニス協会のランキングで、アジアにルーツをもつ人物として初めてシングルスの首位に着いたプレイヤーです。
タミー・ダックワースは、歴代のアメリカのAAPI女性・上院議員のうち、2番目に上院議員になった女性。しかしこれは彼女の数多くの業績の一つに過ぎません。
アメリカ陸軍のヘリコプターパイロットだった彼女は、イラク戦賞で両足と腕の一部を失っています。その後も2014年に中佐として退役するまで、州兵の任務を続けました。
クロエ・ジャオは中国出身の映画監督。アメリカのインディペンデント映画で幅広く活躍しています。
映画『ノマドランド』で2021年ゴールデングローブ賞やアカデミー賞など、数多くの監督賞に輝きました。女性としてアカデミー賞で監督賞を受賞した2人目で、白人以外の女性としては初の快挙となりました。
ビジネス界でもっともパワフルな女性の一人として知られる、ペプシコの前会長兼CEOのインドラ・ヌーイ。
コネチカット・経済リソースセンターの共同ディレクターとして、同州の新しい経済開発戦略に携わっているそう。
メイジー・ヒロノは、ハワイで政治家として活躍する人物。
ハワイ出身者初の女性上院議員、上院議員となった初のAAPI女性、そして初の仏教徒上院議員など、多くの「初」の肩書きをもちます。1994~2002年には第9代ハワイ州副知事を務めました。
中国系アメリカ人のテレビジャーナリスト、レポーターのウェイジャ・ジャンは、CBSニュースのシニアホワイトハウス特派員としてトランプ政権を報道。全米の注目を集めました。
トランプ政権に切り込んだ質問ややりとりをきっかけに、彼女自身もたくさん取材されたとのこと。
アナ・スイは、デトロイト生まれの中国系アメリカ人2世で、ファッション界の第一線で活躍するデザイナーのひとり。
2009年には、アメリカファッションデザイナー協議会の「ジェフリー・ビーン生涯功労賞」を受賞。
ヴェラ・ウォンは、中国系アメリカ人一世のファッションデザイナー。
マライア・キャリーやアヴリル・ラヴィーン、キム・カーダシアン、ミシェル・オバマなどを顧客にもつブライダル市場(それ以外の市場でも)の「パワーパーソン(影響力をもつ第一人者)」です。
政治家であり、アメリカ陸軍予備役のタルシ・ガバード。
クウェート国防軍から感謝賞を受けた初めての女性であり、初のヒンズー教徒の議員、初のサモア系アメリカ人の投票権をもつ議員など、彼女もたくさんの「初」タイトルをもっています。
小説家のセレステ・イングは、作品を通して世界中の読者に感動を与えてきました。
2014年に発売した初の小説『Everything I Never Told You』は、Amazonのブック・オブ・ザ・イヤーを受賞。最新作『Little Fires Everywhere』は映像化され、Huluの人気テレビシリーズとなっています。
ヘレン・ジアはアメリカにおける、アジア系アメリカ人の社会運動において、重要な貢献をしてきたひとりとして多くの人からリスペクトを集める人物。
ジャーナリストであると同時に、AAPIコミュニティやLGBTQ+コミュニティのためのアクティビストとして知られています。
大人気を博したNetflixのコメディスペシャルや『フアン家のアメリカ開拓記』などのヒットシットコムで彼女の活躍を目にしたことがある人も多いはず。
<タイム>誌は2020年、ウォンを「今年もっとも影響力のある100人」の一人に選定しました。
父方がフィリピンの血を引いているオリビア・ロドリゴ。そんな彼女は「自分の文化や家族の背景を理解することの重要性」についてよく語っているそう。
シングル曲『Drivers License』で大ヒットを打ち出し、その後女優としても成功を収めています。
リサ・リンは、何十年にもわたってニュース報道に携わっているジャーナリスト。
「Channel One News」「The View」の共同司会、「National Geographic Explorer」の司会、「The Oprah Winfrey Show」のスペシャル記者などを歴任しました。
現在はCNNの「This Is Life with Lisa Ling」の司会を務めています。
ミシガン州フリントで生まれ育ったモナ・ハイダルは、ラップと詩を融合させたパフォーマンススタイルで知られるアクティビスト。
彼女のヒット曲『Hijabi』は、ビルボードが選んだ「2017年のベストプロテストソング20」に選ばれたほか、フェミニストアンセムのトップ25にも選ばれています。
※本記事は、Hearst Magazinesが所有するメディアの記事を翻訳したものです。元記事に関連する文化的背景や文脈を踏まえたうえで、補足を含む編集や構成の変更等を行う場合があります。 Translation: 宮田華子 PREVENTION
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