Netflixの人気ドラマ『ザ・クラウン』の最終シーズンでは、エリザベス女王の妹マーガレット王女の死が、一話全体を使って取り上げられています。71歳だった王女は2002年2月9日、ロンドン中心部にあるキング・エドワード7世病院で亡くなりました。このとき、王位継承順位は11位でした。

王女の死を受け、バッキンガム宮殿は次のような声明を発表しました。

「深い悲しみのなかにあるエリザベス女王は、以下を速やかに公表することを求められました。女王の愛する妹、マーガレット王女が本日午前6時30分、キング・エドワード7世病院で、息子のリンリー子爵(第2代スノードン伯爵デヴィッド・アームストロング=ジョーンズ)と娘のレディ・サラ・チャットが見守るなか、安らかに息を引き取りました」
「王女はこの前日午後、再び脳卒中の発作を起こしました。夜になり心臓に問題が生じたことから、午前2時30分、ケンジントン宮殿からキング・エドワード7世病院に搬送されました。王女には一晩中、リンリー子爵とレディ・サラが付き添い、その間、女王には状況が詳しく伝えられていました」
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マーガレット王女(左)とエリザベス王女(当時)、1946年撮影

当時はエリザベス皇太后(クイーンマザー)の公邸だったクラレンスハウスもまた、「皇太后は悲報を受け、深く悲しんでいます」との声明を発表しました。

そして、101歳だった皇太后はそれからわずか49日後に、逝去しました。短い期間に立て続けに妹と母を失ったエリザベス女王は、ひどく打ちのめされたといいます。

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バッキンガム宮殿のバルコニーから手を振る(左から)エリザベス女王、クイーンマザー、マーガレット王女、1995年05月08日撮影

『ザ・クラウン』のストーリーでも描かれているように、マーガレット王女は1998年以降、何度か脳卒中を起こしていました。

1999年にはお気に入りだったカリブ海のリゾート地、マスティク島に滞在中、バスルームで足にひどい火傷を負い、歩くのが難しくなっていました。2000年12月には、クリスマスに家族と滞在していたサンドリンガムの別邸で、再び発作を起こしたとされています。『CNN』によると、脳卒中を複数回、起こした王女は、晩年は車いす生活だったといいます。

王女が最後に公の場に姿を見せたのは、2001年12月に開催された義理の叔母アリス妃(父の国王ジョージ6世の弟、グロスター公ヘンリー王子の妃)の100歳の誕生日を祝うパーティーでした。

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(前列左から)エリザベス女王、叔母のアリス妃、マーガレット王女、2001年12月撮影

マーガレット王女の葬儀は、ウィンザー城にあるセント・ジョージ礼拝堂で執り行われ、王女の2人の子どもたちを含め、ロイヤルファミリーの全員が出席しました。

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マーガレット王女の葬儀に参列した(左から)レディ・サラ・チャット、第2代スノードン伯爵、エリザベス女王、2002年2月15日撮影

マーガレット王女は王室の伝統に反し、火葬されています。王女の侍女だったレディ・グレンコナーはドキュメンタリー番組『Elizabeth: Our Queen』で、「王女は両親の間に埋葬されることを願っていました。ですが、そこには遺灰を納めるスペースしかありませんでした」と説明しています。

マーガレット王女は現在、ウィンザー城のキングジョージ6世記念礼拝堂で、両親と姉のエリザベス女王とともに、安らかに眠っています。


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