「第92回アカデミー賞」で助演女優賞を獲得したばかりの、アメリカの国民的女優ローラ・ダーン。彼女が2月10日で53歳になるのを祝して、日本ではまだ知られていない、彼女にまつわる様々な事実を「Hearst Contents Hub」がお届け!
名家のサラブレッド
父は『華麗なるギャツビー』(1974)や『帰郷』(1978)の大御所俳優ブルース・ダーンで(右)、母は『チャイナタウン』(1974)の女優ダイアン・ラッド(左)。二人は、映画のセットで出会ったそう!
そして曾祖父はフランクリン・ルーズベルト政権で第52代アメリカ合衆国陸軍長官を務めた、ジョージ・ヘンリー・ダーンという名家に、1967年のLAで生まれたローラ。
母とは『ランブリング・ローズ』(1991)で母娘を演じ、ローラがアカデミー主演女優賞、ダイアンが助演女優賞にノミネートされたことも! 親子でアカデミー賞にノミネートされたのは、これが史上初となった。
姉の死
両親は、ローラの姉ダイアン・エリザベスをわずか生後18カ月で亡くしている。「2人目が生まれたらその喪失も和らぐかもしれない」と考えたそうだが、ローラを産んでも夫妻の心の傷は癒えず、それがきっかけで1969年に離婚してしまったそう。
母はローラに対し、なるべく過保護になりすぎないよう努めたとも明かしている。
若くして映画界へ
まだ10歳に満たない頃、巨匠マーティン・スコセッシ監督による映画『アリスの恋』(1974)に名前のない脇役で出演し、母ダイアンとも共演したローラ。
アイスクリームを食べるシーンを、17テイクも撮影することになったが、文句も言わず撮影をこなした彼女にスコセッシ監督は感激し、「この子は女優になるべき!」とダイアンに伝えたそう。今のローラがいるのは、スコセッシ監督の太鼓判のおかげかも?
カルトの帝王のミューズに
"カルトの帝王"ことデヴィッド・リンチ監督(左)の『ブルー・ベルベット』(1986)にサンディ役で出演し、名演技で知名度を上げたローラ。実はこの役、『ブレックファスト・クラブ』(1985)などの青春映画で当時人気だった、女優モリー・リングウォルドにもオファーがあったそうだが、最終的にはローラがゲット。
それ以降、リンチ監督のお気に入り女優となり、さらにキャリアアップしていくことに…!
スピルバーグ監督作で世界的に名を馳せる
その後、ほぼ毎年様々な映画に出続け、スピルバーグ監督のメガヒットシリーズ『ジュラシック・パーク』(1993~)のエリー・サトラー博士役に抜擢。グウィネス・パルトロウやヘレン・ハントたちを押しのけて勝ち取ったそう!
世界中で大ヒットした今作、2021年には最新作『ジュラシック・ワールド3(仮題)』が公開される予定だが、ローラはこれにも出演することが決定。1993年に共演したサム・ニール(写真上)、ジェフ・ゴールドブラムら旧キャストもおよそ28年ぶりに揃ってカムバックするとのことで、どんなストーリーになるのか、待ちきれない!
アンジーがロマンスのライバル!?
何度か婚約経験のあるローラ。前述の『ジュラシック・パーク』(1993)で共演した、ジェフ・ゴールドブラムと最初の婚約を経験し、破局。
その後、俳優ビリー・ボブ・ソーントンとも1997年から約2年交際し、婚約も。だが、ビリーは『狂っちゃいないぜ』(1999)で共演したアンジェリーナ・ジョリーのもとへと走ったうえ、ローラに知らせずにアンジーと結婚したそう!
ローラは大きなショックを受けたが、その後ミュージシャンのベン・ハーパーと出会い、2005年に結婚し子どもを2人もうけている。だがその5年後には破局し、2013年に離婚が成立したそう。
歴史的カミングアウトに一役買う
世界で最も有名なレズビアンの1人で、アメリカで最も稼ぐ司会者の1人である、エレン・デジェネレス(右)。1994年にスタートした彼女が主演のシットコム『Ellen(原題)』は、米ドラマ史上初めて主人公が性的マイノリティであることをカミングアウトした番組で、ローラはエレンの恋の相手スーザンとして出演した。
このカミングアウトは猛烈な反響を呼び、エレンはもちろん、レズビアンではないローラのもとにまで脅しやヘイトの手紙が大量に届き、しばらくの間仕事を干されることとなってしまったそう。だが、その後エレンは自身のトークショーを持つようになり、前以上の人気を獲得。ローラも再びキャリアを復活させ、二人は今でも大の仲良し♡
「ローラにアカデミー賞を」
2006年、『インランド・エンパイア』で主役だったローラに、是非アカデミー賞を獲ってもらいたいと考えたリンチ監督は、ハリウッドの道端で「ローラ・ダーンへの投票をご検討ください」というバナーを広げた横に、大きな牛を連れてただ座るというシュールなキャンペーンを敢行。
ノミネートには及ばなかったが、難解な今作はファンの心をグッと掴んだ様子。
あの伝説のSFでキュートな失態?
幼い頃から『スター・ウォーズ』シリーズを観ていたというローラは、2017年に『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』への出演を果たし、ラベンダー色の髪が特徴のホルド提督を演じた。
しかし、なんとブラスター(レーザー銃)を撃つシーンでは、自分でも気付かないうちに「ピュン、ピュン!」と口に出してしまっていたらしく、撮影からかなり経ったあと、ライアン・ジョンソン監督に教えられて相当恥ずかしい思いをしたそう。実際の映像では彼女の声は取り除かれているが、口が「ピュン!」と動いているのが確認できる。憧れの映画に出られたら、誰だって無邪気になってしまうはず!
ネットミームにも
エミー賞やゴールデン・グローブ賞も獲得した大ヒットドラマ『ビッグ・リトル・ライズ』では、主役の1人であるレナータを演じたローラ。
特にシーズン2(2019)で発した「I will not not be rich!(私は貧乏人になんかならないから!)」というアイコニックなセリフは、鬼気迫る演技と相まってネットで大ウケ。「レナータが今年のムード」「彼女がすべて」と、瞬く間にGIFやミームとして広まったそう!
話題作が目白押し
出演作が配信中&続々と公開を控えているローラ。やり手の弁護士を演じて、英米2つのアカデミー助演女優賞を獲得したNetflixの『マリッジ・ストーリー』(配信中)のほか、クリステン・スチュワートと共演した『ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏』が2月14日(金)に公開予定だ。
また、アカデミー賞では衣装デザイン賞を受賞した『ストーリー・オブ・マイライフ/私の若草物語』も3月27日(金)より公開されるそう。キャリア初のオスカーを携えて、今後もローラの快進撃に期待!
Text:Hearst Contents Hub