90年代に一世を風靡した女性アイドルグループ、スパイス・ガールズのメンバーのメラニー・チズム(通称、メル・C)。9月14日(現地時間)、彼女は出演したポッドキャスト番組で、スパイス・ガールズとして活動していた1997年に性暴力を受けていたことを告白しました。
9月27日に回顧録『THE SPORTY ONE: My Life as a Spice Girl(原題)』を出版予定のメル・Cはこの日、25年前にスパイス・ガールズの他のメンバーたちと滞在したトルコ・イスタンブールのホテルで、スパのマッサージを受けた際にセラピストから受けた性被害について明らかにました。それは、グループとして初めて行ったコンサートの前日に起きた出来事だったと言います。
「私たちは長時間のコンサートをそれまでにしたことがなく、何週間も前からリハーサルをしていました」と、彼女は当時を振り返ります。
「『ステージに立つこと、パフォーマーであること』がモチベーションになっていたので、初めてのコンサートの前日に自分へのご褒美としてマッサージを受けることにしました」
自身が受けた被害を“軽度なほう”としながらも「私にとってそれは暴行以外の何物でもなかったし、無力感と屈辱感を覚えた」と、当時の心境を語りました。
しかし、当時アーティストとして多忙に過ごしていた彼女は、この出来事をすぐに心の奥に仕舞ってしまったと言います。
「(自分の身に起こった出来事を)そのときはすぐに忘れてしまったんです。騒ぎにしたくなかったし、対処する時間もありませんでした」
それから25年のときを経て、自伝本を執筆することになったメル・C。性被害の体験については、本のなかでも触れられていると言います。同書でこのことについて書くことに決めた際、「ついにこの問題に取り組むときが来た」と感じたとそう。
「夢で見たのか、あるとき目が覚めたら頭の中にこの出来事のことが浮かんでいたんです。自分でもこのことを本に書くなんて考えてもいませんでした」
「そのあと、『私自身、このことを明かしたいのか』を考える必要ももちろんありました。そして最終的に、自分の体験を世に告白し、向き合い、あらためて受け止めることが私にとって本当に重要なことだと思ったのです」
彼女は一方で、スターとして成功したことが自身の健康にどのような影響を与えたかについても明らかにしました。
「数年間、かなり調子が悪い状態が続きました。今振り返ると、あれほどの過密スケジュールのなかでどうやって生活していたのか、どれだけ運動していたのか、肉体的になぜ可能だったのか不思議なほどです」
<Daily Mail>のインタビューでは、スパイス・ガールズ時代にうつ病や摂食障害を発症したと明かしたメル・C。しかし、その後に摂食障害を克服し、2009年に娘のスカーレットちゃんを出産したことを「とても誇りに思っている」と語ったことがあります。
「拒食症になって生理も止まりました。『母親になりたい』とずっと思っていたはずなのに、生殖機能を脅かすような状況になっても自分自身をコントロールできませんでした。強迫観念のようなもので、止めることができなかったのです」
性暴力被害の相談窓口
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