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Shoko Takayasu

バレンタインに関する話といえば、ロマンティックなラブストーリーを想像するけれど、杏那さんのバレンタインデーの思い出はおもしろエピソード満載! 初めてのチョコ作りの失敗談からバレンタインデートの斬新なカップルコーデまで、いっぱい笑わせてくれました。青森ならでは? 杏那さんならでは? のバレンタインデーの過ごし方に注目です。

――学生時代のバレンタインについて、教えてください。

みんなクラスのお友達にあげるんですよ。だんだんそれが礼儀というか、挨拶みたいな感じになって、最近は男の子にあげるという概念もなくなっていますね。中学生くらいからそういう行事ごとに関心を持つと思うんですけど、私はわりとそういうことに消極的なほうだったので、もらえば返すっていう感じでした。ホワイトデーは絶対に忘れてしまうタイプなので、お返しはバレンタインの次の日とかに。それにホワイトデーのお返しって、意味を持つじゃないですか。私、一度マシュマロをかわいいと思って女友達にあげたことがあったんですね。でも次の日、その子がすごくムスっとしていたんですよ。おはようって言ったら、ふんって感じで無視されて…。なんで? と思うじゃないですか。そしたら、ほかのお友達に「○○ちゃんにマシュマロあげたんだってね」って言われて。私、意味がわからなくて、「え、なに? マシュマロって、ダメなの?」って聞いたら、『「あなたのこと嫌いです」っていう意味だよ」って! マシュマロ入りのチョコみたいなものが普通に売っていたし、私はかわいいと思ってあげたのに、まさかの! だったんですよ。やっぱりお返しはクッキーが無難みたいですね。

――マシュマロにそんな意味があるとは知りませんでした! ほかにも楽しいエピソードがあれば、ぜひ。

中3のとき、今より短いベリーショートヘアだったんです。2つ下の後輩に知り合いがいたんですけど、その子の友達がけっこうかっこいい先輩がいるみたいな感じで、きゃーきゃー言っていたらしいんですよ。どの先輩?って、気になるじゃないですか。写真見せてもらったら、それが私だったんです(笑)。なんと私、男に間違われました! しかもレズビアン的な感じで好きなわけではなくて、本当に男の子に間違われたという…。それ、女だよって知り合いの子が伝えたら、すごくショックを受けていたらしいです(笑)。うれしいんだか、うれしくないんだかという経験ですよね。

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Shoko Takayasu

――杏那さんが男子にチョコをあげたことはあるんですか?

彼氏にはあげたことがあります。市販のものをプレゼントしたこともありますけど、基本手作りしていましたね。青森では米軍基地に住んでいたんですけど、そこではレッドベルベットやピンク色生地になる、水に溶かして簡単に作れるケーキミックスが売っているんですよ。かわいいなと思ってあげたら、彼においしくなさそうって言われました。(編集部:オチのあるエピソードが続きますね!)もっとオチがある話があるんですけど、小学校6年生のときに初めて手作りチョコなるものに挑戦したんですね。当時ホワイトチョコが好きだったんですよ。最初だし、ホワイトチョコを溶かして型に入れれば、味も心配ないだろうなって。その頃の私は「湯煎」という言葉を知らず、ホワイトチョコを電子レンジにそのままかけしまいました。するとどうなるでしょう? 焦げた匂いがすると思ったら、中身だけが焦げていて、外側はホワイトチョコなんですよ。そこで小学6年生の頭は何を考えたかといいますと、混ぜればクランチチョコじゃん!って。混ぜて、父にあげました。失敗したものだということに気づいてなくて、おいしいって(笑)。そんなひどい話もありましたけど、自分で作ってあげるって、満足感がありますよね。その人を思って作るわけじゃないですか。買っても、同じ気持ちがあれば伝わるとは思うんですけど、私はやっぱり作りたい派でしたね。

――ご家族にバレンタインデーのプレゼントをあげる習慣はありますか?

父には小学校のときに失敗作をあげたきり、あげてないですね。反抗期がきて、なんだかあげにくくなっちゃったところもあります。「お父さんイヤイヤ期」になってしまって、父に向かって、ひどいことを言っていましたね。今思えば、何をしていたんだろうっていう感じですけど。私の父は普段、自分の部屋にこもってずっとパソコンをしているような人で、一緒に暮らしているときは父と食事をする機会もあまりなかったんですよ。でもクリスマスはいつも父が大きなハムを焼いてくれて、私はそれが大好きだったんです。年末に青森に帰ったときに、父がハムを焼いて、ローストチキンとかも買って私を待っていてくれて。上京してひとり暮らしを始めたばかりで、さみしくなっていたときに父に会えて、せっかくだし、一緒に食べようよという気分になったので、私から誘って、本当に何年ぶりだろうっていうくらい久しぶりに一緒にご飯を食べました。今まで趣味の話もしたことがなかったんですよ。バイクでどこどこに行った、という話をされても、そこで情報が終わって、何をしたのか、楽しかったのかどうかまで聞けてなくて。そういう父の趣味の話も今回はいろいろと聞けて、すごく楽しかったですね。これからはもっと優しくしていければいいなと思いました。だから今年のバレンタインは、父にあげようと思っています!

――思い出に残っているバレンタインデートはありますか?

学生のとき、今思えば恥ずかしいデートしていましたね。東京ではやらないと思うんですけど、高校生のとき、青森では中学校の頃のジャージを着るのが流行ったんですよ。当時の彼と私は違う中学校だったんですけど、彼と同じ中学校だった女子にジャージをもらって、お揃いで着ましたね。上だけでなく、下もプーマのジャージで揃えて、バレンタインは町に繰り出したんです(笑)。今思うと恥ずかしい! 高校生なので、たとえばプリクラを撮りに行ったり、あとは2人でチャリに乗って、ちょっと遠出したり。私の地元は飛行機が有名で、三沢航空科学館というところがあるんですけど、そこにおもしろいアトラクションがあるので彼と乗りに行きました。次の日、目撃者多数で、「ペアルックで自転車こいでたよね」とか言われて(笑)。やっているときは楽しいんですけど、次の日改めて人から言われると、キャー!ってなりましたね。たぶん私の地元や世代ならではですかね、中学校のジャージを着るのがかぶらなくていいよね! みたいなムードだったんです。

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Shoko Takayasu

――青森だと、毎年雪の降るホワイトバレンタインですね!

そんなにロマンティックなものではないですけど、旅行で来るならいいかもしれないですね。青森では雪が降ると、親の送り迎えがないと学校にも行けないんです。どの家も雪掻きをしてから朝出かけるので、大変な場合だと夏よりも1時間前起き。学校も会社も基本的には雪だからって特別扱いしないんです。東京だと雪が降るとダイヤの乱れとかがあるじゃないですか。青森は雪に関してはスルーですからね。電車がたくましく雪の中を走っています。

――今年はどんなバレンタインデーを過ごす予定ですか?

去年、彼と別れたのでデートには縁がなさそう。でも今は仕事も含め、やりたいことをやれているので、楽しい気持ちのほうが強いですね。今年は初めて東京で過ごすバレンタインになるので、何をしようかなって考えているところです。東京はイベントが多そうなので、1人でも楽しめますよね。出会いを求めてみようかな!?(笑)

――理想のバレンタインデーの過ごし方は?

バレンタインはアットホームな感じでいいんですよ。2人で何かを作りたいですね。お家でお料理したり、お部屋を飾り付けしたり。そういうことをやってみたい気持ちはあるんですけど、今年は相手が…(笑)。あとは、すごく子供っぽいんですけど、割ったらお菓子が出てくる紙製のくす玉人形(メキシコや中南米で子供たちのお誕生日会などに使われる。通称ピニャータ)、あれを2人きりでやってみたいですね! バレンタインデーは高いディナーに行きたいとかいう気持ちはないです。2人でアットホームな時間をゆっくりと過ごしたい。そんな理想ばかりが募っていきます(笑)。

おっとりとした話し口調と独特の間合いで、ユニークなエピソードをたくさん披露してくれた杏那さん。そんな終始笑いが絶えないインタビューの中で、親元を離れて、東京でひとり暮らしを始めたことで家族の大切さに気づいたというお話もしてくれました。普段はちょっと照れくさいけど、バレンタインデーは家族にも愛を伝える、いい機会になりそうですね!

撮影/Shoko Takayasu ヘア&メイク/LISA スタイリスト/町野泉美 モデル /シャッツ杏那 取材・文/江口暁子

ブルゾン/71,000、ドレス/88,000(エムエスジーエム/アオイ) シューズ/155,000(クリスチャン ルブタン/クリスチャン ルブタン ジャパン) セーフティーピンピアス/330,000185,000(マクリ/ザ・ショーケース GINZA SIX 店) ※全て税抜価格