予てから取り沙汰されてきたハリウッドでの男女格差。ジェニファー・ローレンスやスカーレット・ヨハンソンなども、男女間での収入差について発言してきた。そして、新たにミラ・クニスが、自身のエッセーでハリウッドでの女性差別について言及したことで話題に! 子役時代から一線で活躍を続けている売れっ子女優でも、辛い経験をしてきたんだそう…。

「私の友人や仕事仲間、さらに子どもたちが経験しなくていい世界にするには、改革のスピードが足りない」と語るミラ。具体的にどのような経験をしたのかというと…。

映画宣伝のため、男性誌の表紙でセミヌードになることを強要されそうになったんだとか。しかし、彼女が断ると、プロデューサーに脅迫されたのだとか。その経験がきっかけとなり、「これまでやってきたような、バカな"歩み寄り"はやめよう」と思ったそう。

『この街で働けなくなるぞ』とプロデューサーに脅されたの。『働けなくなる』って? 激怒したし、道具としか見られていないと感じたわ。だから、人生ではじめて『ノー』と言ったの。でもね、世界の終わりじゃなかったの。その映画はものすごく成功したし、私はその後もこの街で仕事を続けたわ。何度も、何度もね。このプロデューサーはきっと気づいてないのよ。女性が職場で女性差別を経験し日頃感じている恐怖を、そのまま言葉にしたってことを」

「女性はこういうことを信じるように刷り込まれているの。意見を言うと、その後の人生が危うくなるってね。女性は、自分の立場を守ろうとすると、"殺される"のだと。だから"ビッチ"だと思われ、仲間はずれにされないようにするの。そして、自らの品位を守る代わりに現状維持することを選ぶ。それで、世界がそのうち変わってくれることを願うのよ」

「私はこれまでに、何度も女性差別を経験してきたわ。侮辱されたり、仕事を与えられなかったり、ギャラが少なかったり、都合よく無視されたり、あらゆる意味で価値を下げられた。その度に、他の俳優よりも経験や知識、努力、何かが足りなかったのかも、と考えていた。女性がこの世界で成功するには、"男の子の世界"のルールに則るしかないとも思っていた。でもキャリアが長くなるにつれ、全部デタラメでおかしな話だって気付いたの。それだけじゃなく、私もそれに加担していたってことにもね」

さらに、会社を立ち上げた時には、彼女自身の成功よりも、夫のアシュトン・カッチャーと結婚間近だったことが、ある男性に重要視されたそう。結局その男性と仕事をすることはやめたそう。

「その男性はメールでこう書いたの。『ミラはメガ・スター! ハリウッドで大成功している1人の女優で、近々アシュトンの妻になり、ママにもなる!』 私の価値を結局はただの、『有名な俳優の妻で、子供を産む体を持っている』というものに下げられてしまった。私や、私のチームがそれまで行った努力や、活動はなかったものになった

「すごく小さなことだと分かってる。でも、こういう些細なコメントこそが、女性が毎日職場でも、職場以外でも言われていることなの。女性が仕事で貢献しても、小さな攻撃の連続で価値を下げ続けられるの」

私が経験しているのであれば、世界中の女性はもっと経験しているはずよ。私は幸運なことに、もう明日の食事を買うお金はあるか、と恐怖に感じずに妥協しないことができる。また、このように経験を語る場所を与えられていることも、幸運なことよ。私が話すことで、少しでも女性が職場で孤独に感じず、差別を押し退けることができることを願っているわ」

キャリアも長い大スターのミラ・クニスでさえこんな経験していたとは。いつになったら女性は堂々と男性と立ち向かうことが許されるようになるのか…。まずは小さいところから、たとえば疑問に思った言い回しや態度を受け流してしまわないところから始めるべきなのかも…。