わが家の男子メンバーは全員カレーが好きだ。夫は牛肉のぶつ切りを煮込んだタイプの欧風カレーが好きだし、息子たちは保育園の給食で慣れ親しんだツナカレーが大好物だ。ちなみに私はスパイシーで野菜がたっぷり入ったスープタイプのカレーが好きである。自分で作るのが面倒な時などは、インターネットでまとめ買いしたものを細々とランチで食べたりする(最近は缶詰めでも美味しいカレーが購入できてとっても便利)。野菜、肉、米が一度に食べることができてバランスも良い。カレーって本当に便利なメニューだよなといつも思う。

そんな私が数カ月に一回は猛烈に食べたくなるのが、ポークカレーだ。豚肩ロースのかたまり肉をぶつ切りにして、人参、タマネギ、じゃがいもとじっくり煮込んで、市販のカレールーで仕上げるだけ。いかにも「昭和」なルックスの、なんの変哲もない、本当に普通のカレー。それなのに、なぜこんなにも食べたくなってしまうのだろう。

大きな塊に切った豚肩ロース、人参、じゃがいも、タマネギを鍋に加えて軽く炒める。火が通りはじめた豚肉と野菜のにおいがふわっと鍋から立ちのぼってくる。この時点ですでに懐かしい。甘ったるくて、やさしくて、いかにも「これからおいしくなりますよ!」と言わんばかりだ。全体的に炒めたら、次は鍋に水とローリエを入れて煮込みはじめる。ホーローの鍋を使えば、ずっと火にかけ続ける必要もない。一度沸騰したら火をとめて、蓋をしてしばらく置いたら、また沸騰させ……と、何度か繰り返せばあっという間に火の通りにくい人参も豚肉もほろほろに仕上がってくれる。

ルーも、市販されている一般的なものでいい。むしろそれがいい。カレールーの棚のいちばん手に取りやすい場所に陳列されている、最も一般的なものがぴったりなのだ。甘くもなく、かといって辛いというわけでもない、「あのカレー」。食べるとなんだか懐かしい、安心のカレー。

みなさんも、寒い日に是非。

材料 (2人前)

豚肩ロース 200g

人参 1/2本

タマネギ 1/2

じゃがいも 1

ローリエ 1

カレールー 適宜

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