イギリスのマンチェスター出身のコンテンツクリエイター、ルーシー・スミス・バトラーさん(23歳)。

1万1,000人以上のInstagramフォロワーを抱える彼女は、自身のSNSでストーマバッグ(人工肛門・人工膀胱から排出された排泄物や分泌物をためる専用の装具)についてオープンにし、ありのままの姿を発信している――。

17歳で大腸炎と診断され、2年間多くの治療を受けてきたルーシーさん。寛解には至らず、19歳のときに手術が最良の選択であると診断され、その結果腸の大部分を切除。回腸ストーマ造設術を受けることになったという。

回腸ストーマ造設術とは、外科手術によって腹部に作られた小腸の開口部(ストーマ)から、「パウチ」や「ストーマバッグ」と呼ばれる人工装具に排泄物を通す救命処置のこと。

イギリスでは、約16万5,000~20万人がストーマと共に生活していると言われているものの、誤解はまだまだ多いそう。

ルーシーさんは<Daily Star>のインタビューで、誰かの助けになることを願って自身の経験を明かしたと語った。

「私は潰瘍性大腸炎のため、ストーマバッグを装着しています。これまでに何人かの心ない人たちに笑いものにされたこともあります。でもそれが私の意識をより高め、タブーを破るきっかけとなったのです。結果的には、有利に働きましたね」

「好奇の眼差しがほとんどですが、私は気にしていません。否定的な意見は、私には関係ないことですから」
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自身の命を救ってくれたストーマ装具との生活をポジティブに捉えるルーシーさん。ストーマバッグは、若い人たちの間で思っている以上に一般的であると、人々に知ってもらいたいという。

「私がよく聞く主な2つの誤解は、『臭い』と『お年寄りだけのもの』だと思われていること。『排泄物をためる袋』だからそういったイメージがあるのだと思うのですが、空っぽにするとき以外は自分の香水の香りがします。この袋の臭いじゃないと思います」

「また、若い世代では馴染みがなくあまり見かけないため、人々は単純にそう思っているのでしょう。だからこそ私は意識を高め、タブーを破るためにこのような活動をしているのです」

またルーシーさんは、病気を患うことで孤立した気持ちになる場合もあると語り、自身と同じような経験をする人たちを励ましたいとも明らかに。

「私がストーマバッグを見せることで、同じような状況に置かれている若い患者に、『術後もきっと大丈夫だ』と安心感を得てほしいんです。そうすれば状況は変わるし、人生はうまくいくと思ってもらえるはずだから」

「私はいつも、入院中にみなさんに検索されるような人になりたいと思っていました。そして今受け取っているメッセージから、私はそんな人になれたのだと感じています。多くの人に知ってもらうため、同じ経験をする方々を助けるため…そんなみなさんのおかげで私はここにいる。だからストーマバッグを誇らしげに見せているのです」

さらに彼女は、自分と同じ経験をした人たちへメッセージも発信。

「手術に直面している人、手術を受けたばかりの人、何年もストーマバッグを持っている人へ。どうか自分の人生を生きることを止めないでください」

「隠したり、尻込みしたりせず、自分がここにいることを誇りに思い、自分のものにしてください。私はいつも『カットされて初めて輝くことができたんだ』と言っています。みなさんはダイヤモンドなのです」

多くの人の目に触れるSNSで発信を続けるルーシーさん。多くの人からあたたかいサポートを受け取っているという彼女のInstagramをのぞくと、カラフルなファッションに身を包む姿が!

ハイウエストのボトムスやワンピースを着ているときはストーマバッグが隠れているものの、ビキニを着てビーチに行ったりとおしゃれも思いっきり楽しんでいるよう。

手術を乗り越え、今を楽しんで生きるルーシーさんからは、多くの人が勇気をもらえるかもしれないですね。