2022年のアカデミー賞で受賞＆ノミネーションを果たした短編映画は、アニメーション、実写、ドキュメンタリー部門で全15本。アメリカではいくつかの作品がすでに劇場公開されたり、配信がスタートしたりしているが、なかには日本で視聴が可能なものも。
ここでは、その各作品のあらすじと、視聴方法をご紹介（★印が受賞作品。日本では視聴できないものもあり）。気になる人は、早めにチェックしてみて！
短編アニメーション賞
★『The Windshield Wiper』（原題）
監督はアルベルト・ミエルゴ。カフェでタバコを1箱まるまる吸いながら、“愛とは何か”という壮大な問いを投げかける男。数々の場面やシチュエーションが、彼を結論へと導いていく。
『Affairs of the Art』（原題）
監督はジョアンナ・クイン＆レス・ミルズ。ピクルスから昆虫採集まで、あらゆることに興味を持ち、情熱の赴くままに生きる、非常にユニークなある家族の物語。
『Bestia』（原題）
監督はウーゴ・コバルビアス。舞台は軍事独裁政権下のチリ。秘密警察諜報員の人生を描いた作品。彼女と愛犬、体、そして恐怖やフラストレーションとの関係性を通じて、その心と国家の深刻な崩壊が明らかになってゆく。
『ことりのロビン』
監督はダン・オジャリ＆マイキー・プリーズ。ジリアン・アンダーソンやリチャード・E・グラント、アディール・アクタルが声優として参加。ネズミの一家に育てられた楽観的なことりのロビンは、クリスマスの星に心からの願いをかける。彼女は果たして、自分が何者なのかを、そして飛ぶ方法を、知ることができるのか…？
『ボクシングバレー』
監督はアントン・ディアコフ制作。ある日、繊細なバレリーナのオリヤは荒っぽく無愛想なエフゲニーと出会う。2人の世界観と哲学のコントラストが非常にシャープで、この2つのキャラクターが交わることさえ奇跡のように感じさせられる。配信未定。
短編実写映画賞
★『The Long Goodbye』（原題）
監督はアニール・カリア、リズ・アーメッド主演・共同脚本。いつもと変わらない日を家族で過ごしていたある一家。TVには極右グループが映し出されるが、その一団が一家の玄関へと到着し、衝撃の展開を迎える…。
『Ala Kachuu - Take and Run』（原題）
監督はマリア・ブレンドル。若いキルギス人女性が誘拐され、無理やり結婚を強いられる。伝統に縛られるなかでの、自由への渇望を描く。
『The Dress』（原題）
監督はタデウシュ・ウイッチャク。ポーランドの片田舎の古びたモーテルで、希望を持てないままメイドとして働く女性。トラック運転手の男性が何度も訪れてくるが、孤独を抱える彼女の状況は変わるのだろうか？
『On My Mind』（原題）
監督はマルティン・ストレンジ・ハンセン。妻のために今日、今すぐ歌いたいと思っている主人公ヘンリック。生と死、そしてカラオケにまつわる物語。配信未定。
『Please Hold』（原題）
監督はクリステン・ダビラ。ある青年の人生が突然不可解に狂い始め、自動化された“正義”に翻弄される自分自身に気付いていく。配信未定。
短編ドキュメンタリー賞
★『The Queen of Basketball』（原題）
監督はベン・プラウドフット。存命中の最も偉大な女子バスケットボール選手の1人で、全米選手権の3つのトロフィーを獲得し、1976年オリンピックの女子バスケットボールで初ゴールを決め、NBAからドラフト指名を受けた人物、ルシア・ハリス。しかし、その名前を聞いたことがあるだろうか？
『オーディブル: 鼓動を響かせて』
監督はマット・オガンズ。親友の自殺により心に傷を負った、ろう学校に通うアメフト部の高校生。彼は最後の対抗試合を前に、家族や人間関係と向き合ってゆく。
『私の帰る場所』
監督はペドロ・コス＆ジョン・シェンク。アメリカ西海岸のホームレスにフォーカスを当てた、痛切なドキュメンタリー。急増する人道的危機の現状をシネマティックに映し出す。
『ベナジルに捧げる3つの歌』
監督はエリザベス・ミルザエイ＆グリスタン・ミルザエイ。難民キャンプで生活する新婚のアフガニスタン男性は、国軍に入隊するという自身の夢と、家族を支える責務との両立に苦心する。
『When We Were Bullies』（原題）
監督はジェイ・ローゼンブラット。彼はある偶然から、彼が小学5年生だったときのクラスとその担任を追跡し、50年前に起きたいじめ事件の記憶と共犯者を検証する。配信未定。
※この翻訳は抄訳です。
Translation: Masayo Fukaya
