家にペットを迎えたいと思ったときに保護施設や保護団体から犬猫を譲り受けることが選択肢として定着しつつある昨今。しかし一方で、実際に一緒に暮らすことを考えると「審査のハードルが高そう」「先住犬猫との相性が気になる」など、心配な人もいるはず。

そこで本記事では、保護犬猫マッチングサイト「OMUSUBI」を使って譲渡を受けた里親4組に聞いた「保護犬猫と家族になるまで」のエピソードをお届けします。

【INDEX】

存在自体が「向き合ってきた証」

うりむにママさん(30代、夫婦二人暮らし)

 
うりむにママ


  • 保護犬・猫を迎えたきっかけは?
    一つは、保護犬に対する世間の認識に疑問を持ったからです。自分自身にもあった、保護犬に対してネガティブな印象を抱く価値観やその原因に向き合ってみたかった気持ちもありました。
    また、むにこ(私たちが迎えた保護犬)の里親になった理由はもう一つあって。ちょうどその頃、私たち家族に経済的・時間的な余裕ができ、持病がある子でも十分にケアしてあげられる環境が整えられたタイミングでした。
    それまでも保護団体への物資支援を行っていましたが、ケアを必要とするワンちゃんが安心して暮らせる場所を自分たちが準備できるなら、お迎えすることがベストなのではないかと思ったんです。それで里親に応募しました。
  • お家に来た当初、苦労したことは?
    むにこが環境に慣れるまでは、私たち人間や先住犬を含めた家族全員にとってストレスのある日々が続きました。先住犬がヒステリーを起こしてしまった一方で、むにこは下痢になったりご飯を食べなかったりしたほか、(“保護犬あるある”と言われますが、)口臭がひどくて。全てがノーマルな状態になるまでに、約半年の時間がかかりました。
    信頼関係もゼロからのスタート。私たちの「普通」は全く通用せず、むにこに心を開いてもらうまでの積み重ねに苦労しました。今ではむにこの存在が、私たちが一生懸命向き合った証にも感じられ、かけがえなく愛しいです。
  • これからペットを迎えたい人へのメッセージ
    動物の年齢・種類・健康状態に真実の価値はないということを伝えたいです。一緒にいられる時間の長さよりもその濃さに目を向けてみてください。豊かで幸せなご縁にきっと巡り合えると思います。
    「この子を迎えたい」と自分の意思を優先し、環境にペットを適応させようとせずに、どの子なら自分の環境で飼育できるかをまず考えるのが、本当の意味で「動物を思う」ということ。
    保護された犬猫たちは「かわいそうな子たち」ではなく、「これから幸せになる、素晴らしく愛しい、尊い命」です。
    全ての飼い主とペットに、良いご縁がありますように。

殺処分されてしまう猫を減らしたい

ルナさん(20代、一人暮らし)

 
ルナ
  • 保護犬・猫を迎えたきっかけは?
    殺処分されてしまう猫を減らす助けになればという思いがありました。保護動物について知ったきっかけはうろ覚えですが、YouTubeの動画を見たのが最初だった気がします。
    「OMUSUBI」 のことは「保護猫」で検索して初めて知りましたが、ページのデザインが見やすくてUIが良く使いやすかったので選びました。
  • 保護犬・猫がお家に来た当初、苦労したことは?
    猫の飼育についての本を読むなどして事前に準備していたのですが、家に迎えたばかりのころ、水をあまり飲んでくれなくて膀胱炎にかかってしまい、病院に行くことに。
    そのあと自分なりに考えて少量のお湯にチュールを入れあげてみたところ、飲んでくれて。1年弱が経った今でも毎日続けていますが、再発することもなく健康に過ごせています。

里親になる以外の選択肢は考えられなかった

佐藤華純さん(20代、一人暮らし)

 
佐藤華純
  • 保護犬・猫を迎えたきっかけは?
    実家では20年ほど前に先住犬を知り合いのブリーダーから迎えました。当時は「保護犬」という言葉自体をまだ聞いたことがなく、犬を飼うならペットショップかブリーダー、この二択が主流だったと思います。
    しかし、「保護犬の里親になる」という選択肢がある今、他の選択をする考えは全くありませんでした。
  • お迎えにあたり、準備したことや勉強したことは?
    保護犬の場合、ペットショップやブリーダーのワンちゃんに比べ、お見合い先やシェルターなど色々な場所に連れて回られた経験がある子が多いと思い、そのトラウマがあった場合の対処法を迎える前に学びました。
  • これからペットを迎えたい人へのメッセージ
    20年も生きられない犬猫にとっての1日は、人間で考えれば1週間ほどの時間。彼らの短くて尊い時間を最後まで一緒に過ごしてあげてください。
    動物たちはとても一途で、私たちが与える以上に大きな愛情を返してくれます。彼らから学ぶこともたくさん。
    数多くのワンちゃん・ネコちゃんが皆さんを待っています。ぜひ温かいお家に迎えてあげて、一緒に素敵な人生を歩んでほしいです!

少しでも安心して幸せに過ごせる環境を

さくらんさん(50代、夫婦二人暮らし)

 
さくらん
  • 保護犬・猫を迎えたきっかけは?
    それまで過酷な環境で生活し苦労を経験してきた犬や猫に、少しでも安心して幸せに過ごしてもらえる場所を提供したいと思ったからです。
  • お迎えにあたり、準備したことや勉強したことは?
    ケージやトイレ、餌などの必要なものを揃えたり、家のなかの危険そうなものを片づけたりしたほか、近くの動物病院の情報も確認しておきました。
  • これからペットを迎えたい人へのメッセージ
    ペットショップの犬猫も保護された犬猫も同じ命です。家族として迎えたからには途中で放棄したりせず、愛をもって最期まで寄り添ってほしいと思います。