2月7日(現地時間)に行われた『MSNBC』でのインタビューに、アジア系アメリカ人俳優ダニエル・デイ・キム、俳優ダニエル・ウー、活動家アマンダ・グエンが出演。コロナ禍でのアジア人差別について声を上げた。

2020年に新型コロナウイルスが猛威を振るい始めてから、アメリカでアジア系の人々に対する中傷や暴行が急増。「Stop AAPI Hate」によると、昨年3月から12月までに約2,800件の被害があったという。

さらに、トランプ前大統領が新型コロナウイルスを「中国ウイルス」と呼んでいたことでも、アメリカ国内での偏見は広がっていた。そして2021年に入ってからも、立て続けにアジア人を狙った事件が勃発している。

2021年1月31日の正午頃(現地時間)には、カルフォルニア州オークランドのチャイナタウンで、91歳の男性が歩いていたところを、突然見知らぬ男性に突き飛ばされる事件が起こった。

※Twitter内の動画には暴力的なシーンが含まれています

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さらに、1月28日(現地時間)、サンフランシスコで84歳のタイ人男性が突然押し倒されて亡くなり、2月3日(現地時間)には、サンノゼで64歳のベトナム人女性が強盗被害に。同じ日にニューヨークの駅では、61歳のフィリピン系アメリカ人男性が顔を切りつけられるなどの事件が起きている。

活動家のアマンダは、差別の深刻さを訴える動画をInstagramへ投稿。この動画はハリウッド界をはじめ、世界中で瞬く間に拡散され、インタビューを受けるきっかけとなった。

「主要メディアはこの話(アジア人差別)について十分に取り上げていません。これは大きな問題で、人種差別は殺人です」

キムとウーは、91歳の男性が暴行された事件に関して、情報提供者には2万5千ドル(約260万円)の報奨金を支払うとInstagramで投稿。ドラマシリーズ『LOST』でも知られるキムは、こう訴えた。

「アジア系へのヘイトクライムの数は、私たちが繰り返し訴えているのにも関わらず急速に増え続けています。その犯罪は無視されたり、言い訳されたりしているのです」

彼らの協力によって、警察は別件で拘置されていた人物を指名手配。この人物は、60歳のアジア人男性と55歳のアジア人女性にも暴行していたことがわかっているそう。

インタビューでキムは、アジア系コミュニティは脅威に晒されていて、特に高齢者が被害を受けていると説明。高齢者は、新型コロナウイルスに対しても重症化する可能性が高い上に、暴行事件の増加で外に出ることに恐れを感じていると話した。

2021年1月26日(現地時間)にバイデン大統領は、大統領を発令。その中では、アジア・太平洋諸国系のアメリカ人(AAPI)への憎悪犯罪や人種差別を防止する措置も司法省などに指示している。