スマホやPCから距離を置き、ヨガを行い、バスソルトをたっぷり入れたお風呂で体を温めても、眠れないことがありませんか…?

イギリスのNHS(国民保健サービス)が発表した最新のデータによると、英国の成人の3分の1が不眠症を経験しているとのこと。仕事や家族の問題、パンデミック、政治などのストレス要因が重なれば、決して不思議なことではありません。

これに対処するため、“呼吸法”の活用を推奨しているのが、ヨガとマインドフルネスの講師であり、『Do Breathe』の著者で、呼吸サポート用アプリ「BreatheSync」の共同創設者である、マイケル・タウンゼント・ウィリアムズさん。

「睡眠障害は、私たちが心のスイッチを切り、体をリラックスさせることができないために引き起こされることがよくあります」
「ゆっくりとコントロールされた呼吸は、体の自然なリラクゼーション反応を引き起こします。心拍数が下がり、筋肉がリラックスし、心が落ち着き、精神的および身体的に簡単に眠りにつく準備が整います」

眠りにつく際、To Doリストについて考え込んだり、その日交わした会話を反芻したりする代わりに、呼吸に集中してみて。リラクゼーション方法として使う術を学びつつ、以下のマイケルさんのアドバイスを試してみよう!


【INDEX】


1. 「不安」に最適な呼吸法

不安に悩まされ、色々と心配してしまう気持ちが収まらないときは、呼吸を数えることがカギに。心の中のざわめきがスローダウンし、落ち着きを取り戻すことができるそう。不安に対処するためのシンプルな呼吸法は、以下の通り。

  1. 40から0までカウントダウンしながら呼吸をする
  2. 40から20までは、吐く息と吸う息の両方を数える
  3. 20から0までは、吐く息だけを数える
  4. 呼吸を意識しながらも通常どおりの呼吸を続ける

難しい場合は、カウントダウンの時間を短くして始めてもOK。ここで重要なのは、心が心配事で満たされてしまうことよりも、自分の意思で集中するように訓練すること。

それでも不安を感じたりする場合は、懸念事項を書き留めてから、上記の呼吸法を繰り返してみよう!

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Maria Korneeva//Getty Images

2. 「ストレス」に最適な呼吸法

不安は一般的に幅広い心配事を含むけれど、ストレスは概して、仕事での課題やプレゼン、授業での発表など、生活における特定の出来事や分野に関連しています。ストレスを処理することは重要ですが、マイケルさんはそれを経験することは必ずしも悪いことではないとコメント。

「仕事で新たな課題に直面したり、居心地のいいコンフォートゾーンを抜け出してストレスを感じる場合でも、心配する必要はありません。そのような状況でプレッシャーを感じるのは普通のことです」
「しかし、最高のパフォーマンスを発揮するには、落ち着き、エネルギーを感じる必要があります。そのためには、ぐっすりと眠ることが必要なのです」

これに役立つかもしれない方法は、片方ずつ行うシンプルな鼻呼吸。そのやり方は以下のとおり。

  1. 右の鼻孔を閉じ、左から息を吸い込む
  2. 次に、左の鼻孔を閉じて右から息を吐く
  3. 反対に、右から息を吸い込み、左から息を吐く
  4. 交互にゆっくりと深く呼吸を続ける

うまくいけば、これを行うことで落ち着き、集中していると感じることができるはず。目を閉じ、ストレスを感じている課題をクリアすることをイメージしてから、リラックスして眠りにつくことが可能に。

これはvimeoの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

3. 「考えすぎ」に最適な呼吸法

テレビで刺激の強いドラマを見たり、何時間もスマホをスクロールし続けることで、就寝前に高揚した状態になってしまいます。こうした行動が、自律神経の交感神経をオーバードライブさせてしまうから。

その結果、血液中のストレスホルモンであるアドレナリンとコルチゾールによって、過度に刺激された精神と緊張した体のスイッチを切ることが難しくなるので、睡眠時には注意が必要。こんなとき、マイケルさんは腹式呼吸を勧めています。

  1. 両鼻から4秒間で息を吸い込み、6秒間で吐く
  2. これを繰り返す

これを繰り返すと、1分間に6回呼吸をすることに。これは、生理機能を効果的に改善するための最善のリズムであることが研究によって示されています。こうした長い呼気で、リラクゼーション反応を引き出すことができるとのこと。短時間であなたの体はアドレナリンとコルチゾールから解放され、気分がよくなるはず。

これはvimeoの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

4. 「不眠」に最適な呼吸法

夜中に目が覚め、その後眠りにつくことができないと非常にイライラしてしまうはず。これに対処するため、マイケルさんはマインドフルネスのエクササイズを推奨しています。このエクササイズでは、自分の体の周囲にゆっくりと線を引くことをイメージします。

  1. 頭頂部からスタート
  2. 自分の意識を体の右側へ向け、腕や足まわりへと下っていく
  3. その後左側へまわり、スタート地点へと戻る
  4. お腹でゆっくり深く呼吸をしながら、この“ボディスキャン”に集中する

別のオプションとしては、シンプルに呼吸の間のギャップに気付くことも大切。息が一瞬止まると、心も自然に止まる様子を観察してみて。この小さな一時停止は、ぐっすり眠る方法を学ぶためには必要なこと。

これはvimeoの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

5. 「元気になるため」に最適な呼吸法

眠りにつくのに苦労するという人も多い一方、朝や日中に眠くなってしまうという人も。マイケルさんは、こうしたケースには古典的なヨガのエクササイズ「カパラバティ(光る頭蓋骨という意味)」を勧めています。

この呼吸法では、リズミカルに肺から空気を流し出して神経系を刺激し、緊張をほぐしていきます。まずは、準備で深呼吸を3回。その後、以下を実践してみて。

  1. 息を吐きながらお腹をぎゅっとへこませる
    ※リズムに乗るように1秒に1回繰り返しましょう!
  2. 息は止めず、呼気の合間に息を吸う
    ※意識はせずに。鋭く吐くことにフォーカスしよう。それが難しい場合は、お腹に手を置き、息を吐く度に軽く押してみて。
  3. 最初は20回から始め、いったん深呼吸をしてから、可能であれば30秒息を止める

これで1ラウンドで、3ラウンド繰り返すことを目標に。20回を30回、40回、60回と積み重ねれば、息をもっと長く止めることもできるように。ただし、焦らずにゆっくり着実にすることがベスト。

※この翻訳は抄訳です。

Translation: Ai Ono


From: Women's Health JP