社会課題を取り上げ、多様性について焦点を当てたエピソードを発表するなどして度々注目を集めている、子ども向け教育番組の『セサミストリート』。同番組で新たに「反アジア系差別」をテーマとしたエピソードが公開したところ、現地メディアを中心に話題を呼ぶことに。

YouTubeで公開となったのが、「Proud of Your Eyes Song(自分の目を誇りに思う歌)」と名付けられた新エピソード。

フィリピン系アメリカ人の女の子であるアナリンが登場し、日系アメリカ人俳優のウェスと黒人キャラクターであるアランに、自身の目の形を理由に、他の子どもたちから心ない言葉を浴びせられたと相談する…というところから物語は始まる。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
Sesame Street: Proud of Your Eyes Song | #ComingTogether
Sesame Street: Proud of Your Eyes Song | #ComingTogether thumnail
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自身もアジア系である、ナカムラ・アラン演じるウェスは 「僕と同じように、君は完璧な目を持っているんだよ」アナリンに伝え、彼女を励ますためにある歌を歌うことに。その歌詞に込められていたのは、ルーツや外見を誇りに思う大切さ。

「君の目は、君の家族を物語っている/君どこから来て、どのようにして生まれたのかを示しているんだ/色、形、大きさ、自分の目をいつも誇りに思ってほしい」

今回の映像を制作した目的として「家庭でも人種差別について率直に話し合えること」を掲げている、『セサミストリート』を制作する非営利教育団体「セサミワークショップ」。

というのも、<Yahoo!Life>の報道によると、「セサミワークショップ」が行った調査では、なんと86%もの子どもたちが「異なる人種の人々は公平に扱われていないと思う」と回答したのだとか…。

そこで同団体は、人種的正義に関する教育カリキュラムを提供するプログラム「The ABCs of Racial Literacy」の一環として、アジア系アメリカ人の子どもたちの経験に焦点を当てたストーリーをシェアすることに。

また、番組のアドバイザーを務める人種平等団体「Coalition for Asian American Children and Families」の共同執行役員であるアニータ・グンダンナ氏とヴァネッサ・リョン氏は、「人種問題やレイシズムについて子どもたちとオープンな会話をすることは、理解と共感を深められるだけではありません。差別を経験した子どもたちへ、癒しのプロセスを感じてもらうためにも重要なのです」と、回答。

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今回のエピソードの他にも、近年の『セサミストリート』では自閉症を抱えるキャラクターゲイ夫夫のキャラクターを番組に登場させるなど、多様性に富んだ番組作りを実践。個性あふれるキャラクターのエピソードを通して社会課題を取り上げ、子供たちへの教育を促進している。