時代の変化と共に家族の在り方も多様化するなか、今年2月にドイツのベルリンで結婚式を挙げた、あるカップルが注目を集めています。

結婚したのは、モデルとして活動するチデラ・サニーさん(25歳)と、ライターのデイドラ・オルセンさん(30歳)。

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同性婚は今や、世界的に見て珍しいことではなくなりましたが、チデラさんとデイドラさんの結婚が従来のものと少し違うのは、2人の間に恋愛感情はなく、それぞれの性的指向も異なるという点。

チデラさんは異性愛者であり、デイドラさんは同性愛者ですが、2人はお互いを“ソウルメイト”と認識しており、その友情は「恋愛をも超越する」と感じたことから、結婚を決めたと<METRO>に語っています。

チデラさん(左)とデイドラさん(右)。

「私たちは2人とも、人生の中で恋愛がプラスになった経験より、マイナスになった経験の方が多かったんです。現在の関係に落ち着いてからは、とても幸せです。今となっては、恋愛中心に回る人生は考えられなくなりました」と、デイドラさん。

元々カナダで暮らしていた2人が出会ったのは、2019年のこと。当時チデラさんは自身のセクシュアリティを模索中で、マッチングアプリを通じてデイドラさんと知り合い、デートをしたのが始まりだったそう。

その後、チデラさんは自分が異性愛者であることを自覚しますが、デイドラさんとの交流は続いたそうです。

そんな2人の距離がぐっと縮まったのは、新型コロナウイルスの感染が拡大し、カナダでロックダウンが行われた時でした。現地での暮らしに行き詰まっていた2人は、外を散歩しながら悩みを話し合う日々を重ね、 やがてお互いが“背中を押してくれる相手”だと感じ始めたのだとか。

当時絶望の中にいたというチデラさんは、ある日デイドラさんに抱きしめられ、「きっと何もかも上手くいくよ」という励ましの言葉を貰った時に、「この人と共に人生を歩んでいきたい」と思ったそう。

偶然にも、いつかヨーロッパで暮らすことを夢見ていた2人は、一緒にそれを実現すべく、昨年8月にベルリンへと移住することに。そこから5カ月の同棲期間を経て、今年1月、チデラさんがデイドラさんにプロポーズしたことで、結婚へと至りました。

とはいえ、性的指向は異なる彼女たち。デイドラさんによれば、結婚するにあたって次のようなルールを設けたたとのこと。

「私たちはパートナーでありソウルメイトですが、チデラは異性愛者で私は同性愛者なので、お互いでは満たせない部分もあります。なので各々、外でカジュアルな関係を楽しむのはOKとしています」
「(たとえ他の誰かと恋愛をしても)チデラこそが私の帰る家であり、家事や生活を共にして、銀行口座を共有する相手なんです」

2人の結婚に対する周囲の人たちの反応はさまざまですが、家族は応援してくれているとのこと。今後はハネムーンに行く計画をしているほか、将来的には子供を持つことも話し合っているそう。

人の縁とは実に不思議なもの。もしかしたらあなたの“ソウルメイト”も、予期せぬところにいるのかもしれません。