スポーツウエアブランドのルルレモンは6月3日(土)、アジア初のランフェス「lululemon Stride」を開催。当日はランニングを日常的にする人もしない人も、普段は一人で運動をしている人も、世界各国から集まった人が東京の街を駆け抜けました。

今回のランフェスの意義は、「一歩ふみ出せば」。運動をするのに行くまでの一歩や、家を出るまでの一歩が意外と大きなハードルとなっている心理に目を向け、ルルレモンは無理なく運動を楽しめるよう、一歩を踏み出すきっかけづくりに寄り添います。

今回は、そんな走ることで得られる「心の働き」に重きをおき、COSMO LEADERの北原弥佳さんと星南さんがランフェスに参加。お互いを励まし合いながら、約10キロのランニングに挑戦しました! 走る前と走り終わった後の心境の変化をリポートします。


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Saeka Shimada
星南さん(左)と、北原弥佳さん

星南さん/モデル、タレント

18歳の時に1型糖尿病を発症。2020年には1型糖尿病の認知、根治、そして生き方を自由に選択できる社会に向けて「TYPE1 CLUB」を立ち上げる。2022年にはインスリン治療を続けながら世界を巡り、アフリカ大陸最高峰の山であるキリマンジャロ登頂完了。山登りは月2〜3回、ランニングは週2回ほど行っているそう。

北原弥佳/リアルサイズモデル

1999年長野県生まれ。175センチ81キロ。XL以上の大きいサイズのモデルとして活動中。普段は毎朝愛犬と一緒に約4キロほどのウォーキングとランニングを行っているものの、ランイベントへの参加は初めて。


不安を吹き飛ばす! 誰かといっしょだから踏み出せた一歩

ーー今回のランフェス「lululemon Stride」に参加してみての感想を教えてください。

北原弥佳(以下、弥佳):楽しかったです! 私はあまり走るのが好きじゃなかったんですけど、ゆっくり走れたっていうのもあって、「楽しい! 」って心が躍ってるのを感じて。私もそういう気持ちになれるんだっていうことに驚きましたし、嬉しかったです。

星南:めちゃくちゃ楽しかったです! 誰かと時間を共有することはすごく特別で、最高の思い出になりました。

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Saeka Shimada

ーー走る前と走り終わった後の気持ちに変化はありましたか?

弥佳:走る前は正直なところ、みんなで走るといっても「きつい」「つらい」とか…、結構ネガティブなことが浮かんでいたんです。高校時代はバスケットボール部に所属していたんですけど、ランメニューが本当に嫌すぎて。ひとりだけ置いてかれたり、それで他の部活の人に笑われたりというトラウマがありました。そういう経験があるから会場に向かう電車の中では、すごく不安ですごく気持ち悪くなってしまって…。

走ることに対して不安を抱えていたけど、実際に走ってみてネガティブなことを考える時間がものすごく減りました。“仲間との一体感を楽しむ”っていう方向に思考が向いてくれたのかなって思います。

星南:不安な気持ちだったことを感じさせないぐらい楽しんでたよね!

弥佳:本当に楽しかった〜! もう1回走りたい!

星南:私は普段からランニングをしている方が多いと聞いて、最近はちょっとさぼりがちだったのでついていけるかなっていう気持ちがありました。でもペーサーの方がグループの全員に対して声をかけてくださって、できる人もできない人も同じぐらいの満足度を持たせて、みんなが楽しめる環境作りをしてもらえたのが、素敵なギャップだったなと感じています。

他には持病のこともあり、スポーツをすると血糖値が下がったりなどの兼ね合いで、普段から運動量のコントロールはしているんです。でも今回はチームで走るということだったので、自分でコントロールしつつ走れるかなという不安はありました。例えば何かあったときに「止まってほしい」というのは言いづらいかなって思っていて。でも倒れる前にそれはちゃんと伝えないとという気持ちはあったので、最初にみなさんにもお話ししました。けど弥佳ちゃんもいたし、安心して走ることができましたね。

弥佳:今回のようなスポーツに対してポジティブで、お互いに対するリスペクトがあるコミュニティで一緒に走るのであれば、もっともっと走れるってすごく前向きな気持ちになりました。私は痩せているわけじゃないけど、そういった容姿とかにも関係なく、とにかくみんな個人個人のチームの人をリスペクトし合うみたいな。そういうあたたかいコミュニティでした。

ランニングがコミュニケーションの架け橋に…

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Saeka Shimada

ーー普段はひとりでランニングをしたりする時間も多いと思いますが、今回誰かと走ってみてどう感じましたか?

星南:誰かと時間を共有することで心も満たされるし、それによって自分のメンタルもフィジカルの面もいい方向に向かっていると感じられました。ひとりの時間も大切だけど、“楽しいこと”を誰かと半分こして共有するっていうのは、特別なんだなって。今まで普通に行っていたランニングの時間が、“とても特別なランニングの時間”になりました。

弥佳:高校時代は走るという“競争”にずっと負けてきたので、ひとりだと寂しい気持ちもあるけど、その方が気が楽っていうのもあって。でも自分ではわかっているんですよ。誰かと一緒に走った方がより楽しいって。でも常に競ってきたし、負けてきたからやりたくないって思っている私がいました。

数分に1回ぐらいのペースでペーサーの方が「みんな大丈夫?」と声をかけてくれて。そういう声かけもあったので、みんなと一つになれた感覚がありました。私と同じように走ることが苦手な人がいたら、誰かと一緒に走ってみるといい気づきがあるよって伝えたいです!

チームで走るという点では、部活をやっていたときと同じなんですけど、フェスでは一人ひとりがお互いを思いやることができたから、私もとても心を開放して走れたんじゃないかなと思います。誰もが「みんないるかな? 」「大丈夫? 」と声をかけて支え合えたのが、よかったですね。

星南:走り始めはペースがちょっと早くて、私も弥佳ちゃんも後ろの方にいたんです。このまま走っていけるかなって思ったけど、置いていかれなかったよね!

弥佳:そうそう! 今日はそれがなかった〜(泣)! 誰ひとり置いて行かずにみんなで完走できて、本当にあたたかいチームでした。

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Saeka Shimada

ーー走り始めてからゴールまで約4時間ほどありましたが、どんなことを考えながら走っていましたか?

星南:私はこのランフェスを純粋に楽しみたいという気持ちで参加しました。それと弥佳ちゃんに“走ることの楽しさ”を何か感じてもらえたら嬉しいなとも思っていて。私ももともとはあんまり走ることが好きじゃなかったんですけど、誰かと一緒に走ってみると本当に楽しくてランニングの良さを知れたんですね。だから弥佳ちゃんにも、ランニングの楽しさを知ってもらえたらいいなって思いながら走っていました。

弥佳:走りながら星南ちゃんに「楽しい? 」って聞かれて、ずっと「楽しい! 楽しい! 」って言ってたよね(笑)。人混みの中も一列になって走ったりとか、その一体感が楽しかったな。個人的には「風になった」って感じました。「今私は風になってる! 」って思いながら走ってました。なかなか感じられる感覚ではなかったから、すごく新鮮でした。

星南:チームにいたみなさんとは初めましての関係だったけど、走るっていうアクティビティ自体がコミュニケーションになってるので、会話でのコミュニケーションがなくても楽しいという気持ちを共有できましたね。マレーシアなど他の国の方々も参加していたので、走ることが言語を超えたコミュニケーションのツールになっていました。

支えてくれる存在が広げる「つながりの輪」

ーー今回は沿道の応援スポットに、ドラァグクイーンのドリアン・ロロブリジーダさんとベビー・ヴァギーさんが駆けつけてくれましたよね。実際にお二人の声援を受けてどうでしたか?

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Saeka Shimada

星南:チームでお互いを励まし合いながら走る楽しさもありますけど、それとは違う形での応援にすごくパワーをもらいました。二人は新宿2丁目の応援スポットにいてくれたんですけど、私たちは新宿御苑から走り始めたばかりだったので、「この先10キロかぁ」みたいな気持ちもあって。でもお二人から応援してもらって、気持ちをもう一回立て直してもらったというか。「よし! また頑張ろう!」みたいな気持ちにさせてくれるパワーをもらいました。

弥佳:直接会って「頑張りなさいよっ! 」と言ってもらえて本当に嬉しかったです。ハイタッチもしてゴールに向けて後押しをしてもらいました。

自分ひとりだときっと頑張れないときもあると思うんです。近くで応援をもらえたから、その瞬間は足の疲れなどの「これから起きるかもしれない不安なこと」を考えないで楽しめたんですよね。だから私も誰かにとってそういう存在でありたいなと思いましたね。

星南:応援してもらった経験があるからこそ、そう思えるようになったよね!

ーー誰かと一緒に走ったり、サポートし合うことでランニングをより楽しむことができたというお二人ですが、今回のランフェスを通して得た気づきを、今後の人生にどう活かしていきたいですか?

星南:コロナ禍になってからは、誰かと時間を共有して運動などのアクティビティを楽しむ機会が減っていたんですけど、久しぶりに色々な方々とセッションしてみて、やっぱり楽しかったし、すごく刺激的な一日でした。誰かと時間を共有することは、自分の心の豊かさに繋がるなと思いましたし、メンタル面をケアしたいと思ったら、ひとりで考え込まずに周りの人に助けを求めたりするのも大事だなと感じました。

来年はトライアスロンにもチャレンジしたいと思っているので、ひとりで挑戦するというよりは「ランニングをしてみたいな」「スイミングをしてみたいな」って思っている方々と時間を共有したいと思いました。ひとりでやるのもいいけど、そういった時間を共有することも人生にとってすごく大切な時間だなと感じられたので、今後の人生に活かしていきたいなと思いました。

弥佳:過去の経験もあって、私は誰かと走ることに対してネガティブなイメージがあったんですけど、今回走ってみて「こんなに楽しかったんだ」ってランニングをポジティブに捉えられるようになりました。

もし私が今回のランフェスへの参加を怖がって断っていたら、知ることがなかった感情だと思うんです。これからの人生、もっと色々なことがきっと起こると思うんですよね。でも怖がらずに、「今日みたいに感じられることもあるよ」「トライしていくことを恐れるな! 」って自分のなかで“お守り”のように持ち続けられる経験をできたイベントでした。

星南:弥佳ちゃんにとって今日のことは、すごく自信になったんだね!

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Saeka Shimada

弥佳:視野が広がったなって本気で思う! 普段からひとり行動が多くて、何か相談したいことがあったとしても自分のなかで解決策を出したり、自分で解決しちゃうんです。でもつらいときは、あえて人に話したりするのも大事だなって感じました。

ーー今回のランフェスでは、たくさんの気づきや学びがあったんですね。

星南:これまでさまざまなランニングイベントに参加してきたんですけど、ランニングが得意ではない人に対してこんなにも寄り添ってくれるイベントは初めてでした。もちろんペーサーの方との相性などもあるかもしれないけど、本当に走っていて楽しかったです。素敵なイベントでした。

弥佳:私にとって人生初のランニングイベントだったけど、初めてが今回でよかったなって思いました! 最初は不安で押しつぶされそうだったけど、新しいことや自分の知らない世界へのチャレンジが成長するきっかけになったと思います。どのぐらい自分が走れるのか、誰かと走ってどう感じるんだろうって気になったから、最後まで頑張れたのかなって。探究心と冒険心でいっぱいでしたね。

ーーとても有意義な時間が過ごせたというお二人ですが、これからもランニングをすると思いますか?

弥佳:走ると思います! でも今日の経験があるから、きっと“ひとり”じゃ物足りないって思うかも。

星南:いつでも誘ってください!


自分と向き合うために、ひとりでいる時間をつくるのも大切なこと。けれど誰かと一緒に一歩を踏み出してみると、ひとりでは気づくことができなかった“より良い自分”に出会えるのかもしれないーー。

問い合わせ先:ルルレモン

CREDIT:Photos_Saeka Shimada, Text_Nana Kikuchi