春といえば、出会いと別れの季節。コスモポリタンでは、これまでにも様々な「出会い」や恋愛模様を紹介してきました。そこで今月は、東京を舞台に4人の女性が経験した「忘れられない初デート」を追想。笑いあり、涙あり!? 等身大の体験記をお楽しみあれ!

ジェニーさん(25)の場合

彼氏が途絶えて4年。何でもひとりで楽しめちゃう性格の上、趣味にハマりすぎてそんなこと忘れているくらいなのに、年齢のせいか周りの優しさがスゴイ。「今にコイツは干からびるんじゃないか!?」と、紹介したい人候補を次々出してくれたり、週末飲みに行った方がいいよとアドバイスをもらったり、あの手この手で潤いを注入してくれようとします。しかし申し訳ないくらい腰が重い。まず生涯をささげる勢いの趣味に夢中。次に、男性のストライクゾーンがものすごく狭い。ヒンシュクを買うかもしれないけど、もう好みなのでどうしようもない、と最近は言い切るようにしています、超メンクイです。見た目でGOがだせないと、中身までたどり着けない。好きなのはキツネ顔の美人(美形じゃない、美人)なのですが、もう二次元の中に行くしかない(笑)。

そんなひねくれた私の心を動かしたのは、先輩からのお誘い。「自衛隊のお祭り行ってみない? いい人と出会えるかもよ!」。上記を読んでいただければうっすら勘づくと思うんですが、私、オタクです。しかも軍服に目がない(服を見るために漫画『DOLLS』を読んでいた)。肩章やらモールやら整然と並んだボタンやら、かっちりした軍服にうっとり…♡ もしかして式部清寿(『DOLLS』参照)ばりの美人がいるかもしれない、と妄想膨らむ中、本物の戦闘機なんかも見られるチャンスと聞いたら、よだれが止まらない!! 「(軍服と戦闘機が見たいので、)行きます!」と二つ返事したのでした。

迎えた当日。ヘリから人が降りてきたり、オートバイ隊が敵陣に突っ込んで行ったり、戦闘機が空砲を撃ったり、大迫力のお祭りを駐屯地で堪能。最後に輸送ヘリに乗れる機会があったのですが、そこで先輩の知り合いの上官さんがさらっと「こいつはオススメ」と紹介してくれた人に名刺を渡しました。彼は任務中だったので、会話もなくそれだけで終わり。顔もろくに確認できず…。

週の明けた月曜日。名刺に書いてある会社のアドレスに、きっちりした姿勢でありつつも、かしこまりすぎず、こちらを気遣うメールが到着。文面とタイミングに好感を持って、書いてあったLINEでお友達登録。挨拶から始まり、他愛無い会話が続く…と思いきや、いつの間にか私から質問しているだけ。すべて教科書のように超マジメ回答が返ってくる。AIと会話しているのか!? 気分。うーん、LINEだけで歩み寄るには一億光年必要だぞ…と感じた私はさっさと直接話した方がいいなと思い、「会いませんか!」と提案。次の週末デートが決まったのでした。

初デートは気軽に夜ご飯だけに。彼の緊張が減るのでは? と場所は駐屯地がある周辺にして、お店選びもお任せしました。駅で再会したとき「正直、好みではない…」とは思ってしまったものの(ごめんなさい!)、話は色々聞いてみたいしな~と心を前向きに。地元の人たちに愛されているような居酒屋さんで、適当にお酒と食べ物を注文。しかし直接対面しても、私が質問し続けないと会話が続かない…「門限てあるんですか」「射撃訓練とかあるんですか」「上下関係は厳しくないですか」「空路で迷ったりしないんですか」etc. ハッと気づいたら「これ取材じゃないか! 記事が書けちゃうぞ」状態に。今まで会ったことのない職業の人なので知りたいことは沢山あるし、話を聞いていて面白いのだけれど、さすがにこれは初回しかもたなさそう…。好青年であることは確かだけれど、ちょっと次はないな…ということで、ごめんなさいとは思いつつLINEを返さなくなり、フェードアウト。でも未知の世界を知れた、という意味ではかなり面白い経験に。あと、パートナーを選ぶときの基準がひとつ加わりましたね、「会話の弾む人」。