世界には、美しい教会や聖堂が数えきれないほど存在する。そこで、なかでも特に建築ファンの心をくすぐってやまない、いつか必ずこの目で見たい名物施設を「Hearst Contents Hub」がまとめてご紹介。
ル・コルビュジエ最高傑作と称されるフランスの礼拝堂から、安藤忠雄が手がけた北海道のチャペルまで、モダンで凛としたデザインを眺めながら、巡礼気分&旅行気分も味わってみて!
ブラジリア大聖堂/ブラジリア、ブラジル
ブラジルを代表する世界的建築家、オスカー・ニーマイヤーが都市計画にも携わった世界遺産都市、ブラジリア。そこにそびえる大聖堂は、まるでSF映画に登場しそうな佇まい。内部に入れば、ステンドグラスの美しさにも圧倒されるはず。
ノートルダム・デュ・オー礼拝堂(ロンシャンの礼拝堂)/ロンシャン、フランス
かのル・コルビュジエの最高傑作の1つとされ、世界遺産にも登録されている礼拝堂。蟹の甲羅からヒントを得たという屋根や、曲面の壁、不規則に並ぶ大小の窓(内部に差し込む光は必見)など、教会としてはかなり大胆な造りで、建築マニアなら一度は訪れておきたい!
クライスト・カテドラル/カリフォルニア、アメリカ
かつては「クリスタル・カテドラル」の愛称で親しまれていた大聖堂。「ガラスの家」で知られる、アメリカのモダニズム建築の巨匠フィリップ・ジョンソンがジョン・バージーとともに建てた、明るく神秘的な温室と神殿をかけ合わせたような建物。
サンタマリア教会/マルコ・デ・カナベセス、ポルトガル
ポルトガルが世界に誇る建築家、アルヴァロ・シザによる白亜の教会。内部も外部も非常にシンプルながら細やかな計算がなされています。光の取り入れ方も特徴的で、時間の経過により少しずつ変化してゆくポエティックな光をずっと眺めていたくなる!
ミュールマキ教会/ヘルシンキ、フィンランド
神々しい光に満ちたこの教会は、あのアルヴァ・アアルトの後継者とも呼ばれる、現代フィンランドを代表する建築家ユハ・レイヴィスカが手がけたもの。スタイリッシュなデザインや、無数の天使のような美しい照明に見とれて。
ネヴィゲスの巡礼教会/ネヴィゲス、ドイツ
ドイツ人で初めてプリツカー賞を受賞した建築家、ゴットフリード・ベームが1968年に完成させた、彼の代表作。スチールやコンクリートを多用した斬新で無機質なフォルムに、昔ながらの伝統も巧みに融合させた建築スタイルは、今でも称賛を集めています。
ソーンクラウン・チャペル/アーカンソー、アメリカ
アーカンソー州のユーリカ・スプリングスの森の中に佇むチャペル。巨匠フランク・ロイド・ライトの弟子であるフェイ・ジョーンズが設計した、アメリカ建築家協会が選ぶ「20世紀最高の設計」の第4位に選ばれたこともある名建築。
ルーペルト・マイヤー教会/ポイング、ドイツ
ミュンヘンの近くの町ポイングにあるこの教会は、1万5000個に及ぶセラミックのタイルで覆われた、切り取った発泡スチロールのようなルックスが目を引く!
デザインしたのは、ミュンヘンを拠点とする建築事務所「メック・アーキテクテン(Meck Architekten)」。
テンペリアウキオ教会/ヘルシンキ、フィンランド
「ロック・チャーチ(岩の教会)」の愛称でも知られるこの教会は、氷河期から残る天然の岩山を地下にくり抜き、ティモ&トゥオモ・スオマライネン兄弟が設計。巨大な銅板のドームを飾る天窓からは自然光が優しく差し込み、神秘的なオーラに心も洗われるはず。
パウルス教会/ロッテルダム、オランダ
イギリス人建築家のウィル・アルソップの建築事務所、「オール・デザイン(aLL Design)」による、教会とは思えないユニークな外観&内観が特徴のこちら。隣接するレジデンス&ショップと同じプロジェクトの一環として、2013年に建てられました。
ジュビリー教会/ローマ、イタリア
ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の意思により、ニューミレニアムを祝うべくアメリカの著名建築家リチャード・マイヤーが建てた純白の教会。船をイメージしたという、帆のような3枚のコンクリートが実に印象的。
リオデジャネイロ大聖堂/リオデジャネイロ、ブラジル
リオデジャネイロの旧市街にある、モダンで独創的なピラミッド形の大聖堂。設計は、ブラジル人建築家のエドガー・デ・オリヴェリア・ダ・フォンセカ。内部に一歩足を踏み入れると、その天井の高さとステンドグラスの輝きに驚かされる!
マリンガ大聖堂/マリンガ、ブラジル
マリンガ市のシンボルであるこの建物は、124メートルもあり、南米大陸で最も高い教会として愛されている。ロケットを思わせる円錐形のシャープで無駄のないシルエットは、非常にフォトジェニック。ライトアップされた夜も美しい!
グルントヴィークス教会/コペンハーゲン、デンマーク
デンマークの牧師で作家、哲学者のニコライ・グルントヴィの名を冠した教会。住宅地開発の中心的な存在として、デンマークの建築家 P.V.イエンセン・クリントと、その息子により建てられた。さまざまな建築様式を取り入れた、風格漂う表情は必見。
バウスヴェア教会/コペンハーゲン、デンマーク
シドニーのオペラハウスの設計者であり、北欧を代表する建築家のヨーン・ウツソンが手がけた教会。工場のような外観とは裏腹に、内部はマットな白が美しく非常にスタイリッシュで、建築ファンならずともきっと心くすぐられるはず。
涙の聖母教会/シチリア、イタリア
聖母マリア像の目と心臓から涙が流れ出した奇跡を祝って1990年に建てられた、シチリア最大の教会。
デザインコンペが行われ、17カ国100名の建築家のなかからフランス人建築家のミシェル・アンドロー&ピエール・パラが勝ち取った。ランドマークとして今でも広く愛されています。
ボシェス・チャペル/ウースター、南アフリカ
ワインの名産地に突如現れる、はためくシーツを思わせるようなこの建物は、ロンドンの建築事務所「ステイン・ストゥディオ(Steyn Studio)」がデザインしたチャペル。曲線と直線、軽やかさと安定感の調和が見事。
カデット・チャペル/コロラド、アメリカ
アメリカを代表する建築事務所「SOM」が建てた、空軍士官学校内にあるこの教会。アルミ、ガラス、鉄でできた巨大な折り紙のような美しさを持ち、観光名所としても非常に人気なのも頷ける。修繕のため、現在2023年(予定)まで閉鎖中。
天使のマリア大聖堂/カリフォルニア、アメリカ
プリツカー賞受賞歴もあるスペイン人建築家ホセ・ラファエル・モネオによる、LAダウンタウンに立つ大聖堂。カトリック教会としては全米でも最大で、直線的なラインとカリフォルニアの砂漠のようなベージュのコンクリートが特徴。アシンメトリーな内部もぜひじっくり見ておきたい!
ウクライナ聖ヨセフカトリック教会/シカゴ、アメリカ
異彩を放つこの教会は、19世紀頃からヨーロッパ移民が多く集まったシカゴに建てられた、ビザンチン様式をモダンに昇華したもの。古代ユダヤの寺院やギリシャ・ローマの集会場など、さまざまな要素がミックスされているそう。