路上など公の場でのセクハラを明確に「犯罪」とする新たな法律が、イギリスで近く成立する見通しとなっている。最長2年の禁錮刑が科される可能性がある「ストリート・ハラスメント」には、通りすがりの女性の容姿にほめ言葉をかけるなどの痴漢行為「キャットコーリング」や、道をふさいだり、付きまとったりすることも含まれる。

セクハラ自体はすでに犯罪とされているものの、具体的にどのような行動が「有罪」になるのか、詳しく規定するのが新たな法案の目的。「それほど深刻とは思えない」ような声をかけるだけの行為にも、問題があることを明確にする。

イギリスでは2021年、サウスロンドンで夜間に徒歩で帰宅中だったサラ・エヴァラードさんが警官に殺害された事件を受け、ロンドン警視庁や行政が公に、「女性と少女に対する暴力(VAWG)」の問題に対策を講じることを約束していた。

イギリスの調査会社ユーガブが昨年行った世論調査では、女性の3分の2が(常にではないとしても)、夜歩いて帰宅することに不安を感じていることが明らかになっている。

法案を議員立法し、共同提出した保守党のグレッグ・クラーク議員はメディアに対し、ストリート・ハラスメントが現時点でも犯罪化されていないことは、「驚くべきことだ」とコメント。同時に、この法案は「文化を変えることを後押しする」ものだと説明している。

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『BBC』が伝えたところによると、クラーク議員はこの法案について、次のように語っている。

「法律の抜け穴をふさぐものになります。これまでは女性や少女たちに公の場で故意に嫌がらせをしたり、脅したりすることが法律で罰せられる行為であると明確に規定されていませんでした」

クラーク議員は、明確に「犯罪である」とされていなかったために、「あまりに多くの女性と少女たちが、これらを警察に通報しても意味がないと考えてきた」と指摘。だが、こうした行為は「受け入れられるものではない」と述べている。

この問題については、法案提出をリードしたクラーク議員以外にも多くの国会議員や活動グループ、女性支援団体などが、「明確な変化を起こす必要がある」と訴えていた。

法案が一日も早く可決され、前向きな変化が起こり始めることを期待したい。

From COSMOPOLITAN UK