主人公は、まるで雑誌にでてきそうな完璧な人生を送っているのに、不眠症に悩まされている「僕」。そんな彼の前に、ある日タイラーという謎の男が現れて言います。「殴り合いをしたことあるか?」。そこからただ男同士が殴り合う「ファイトクラブ」が始まり、生きる実感を求める男たちが集まり始めます。タイラーは牙を抜かれた男たちのフラストレーションを吸い上げて、ついには今の世界そのものをぶっ壊そうともくろむ男なんですが、演じるブラッド・ピットの「悪い男ぶり」がすごくかっこいい。
僕は学生時代から殴り合うようなことはしてこなかったんですが、だからこそこういう世界には男心がくすぐられます。犯罪を犯す気持ちはわからないけれど、物質的になりすぎた社会への反発とか、社会に対して押し殺してきたものを解き放ちたいという気持ちはすごくわかりますね。「男子」が凝縮された映画だと思います。