動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」のオリジナル作品として配信が開始となった、スター・ウォーズの実写ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』。ユアン・マクレガーが主演と製作の総指揮を務めたことなどから、同シリーズのファンたちからも高い注目を集めている。

ところが、公開による盛り上がりの最中で明らかになったのが、同作に出演している黒人女優のモーゼス・イングラムに対する、一部ファンの人種差別的な誹謗中傷。スター・ウォーズ公式アカウントが声明を発表したほか、SNSではモーゼスを支える声が拡がっている。

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度重なる出演者への誹謗中傷

以前にも、新たに起用された役者たちへの誹謗中傷が相次いできた『スター・ウォーズ』シリーズ。特に有色人種のキャストに対する人種差別が顕著で、アーメド・ベストやジョン・ボイエガ、ケリー・マリー・トランなどが、映画公開前から誹謗中傷を受けてきたことが明らかになっている。

そして今回、ドラマ『クイーンズ・ギャンビット』などへの出演で知られ、『オビ=ワン・ケノービ』では尋問官リーヴァ役として起用されたモーゼス・イングラムが被害を受けることに。

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Karwai Tang//Getty Images
左から:ダース・ベイダー役のヘイデン・クリステンセン、リーヴァ役のモーゼス・イングラム、オビ=ワン・ケノービ役のユアン・マクレガー

Instagramストーリーを投稿したモーゼスは、数百を超える人種差別的なメッセージが届いていることを告白。

「誰にもどうすることもできない。このヘイトは誰にも止められない。だから、私がこうして訴える意味があるのかすらも分かりません。でも、黙って受け入れることはできないんです。私をサポートし、擁護をしてくれてる人には感謝しています。その他の人たちは…みんな変ですよ」

この事態を重く受け取めた『スター・ウォーズ』公式SNSアカウントが、同作の世界観に合わせながら、人種差別に対する抗議のメッセージを投稿。

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
「我々は光栄にも、モーゼス・イングラムをスター・ウォーズ ファミリーとして迎え入れることができました。もし彼女が、この世界に歓迎されていないと感じるようなことをあなたが行っているのであれば、我々が言えることはただ一つ。『we resist(私たちは抵抗する)』」
「スター・ウォーズの銀河には、2000万以上の生物が存在します。どうか、人種差別主義者にはならないで」

「ファンだとは認めない」

また、オビ=ワン・ケノービ役を演じたユアン・マクレガーも、モーゼスに対する誹謗中傷をする人々に抗議の声を上げている。

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
「一部のファンが、モーゼス・イングラムを攻撃していることを知りました。恐ろしく人種差別的なメッセージを送っているのです。いくつか内容を教えてもらいましたが、胸が張り裂けるような内容でした」
「モーゼスは、素晴らしい役者で素晴らしい女性です。ドラマでも最高の存在感を発揮して、貢献してくれています。なので、このようなことが起きていると聞いて、憤りを感じています」
「主役とエグゼクティブプロデューサーを務める者として伝えたいことは、私たちはモーゼスの味方であり、モーゼスを愛しているということ。彼女をいじめるようなメッセージを送っている人たちを、スター・ウォーズのファンだとは認めません。人種差別は許されません。私はモーゼスの味方です」

現在では、SNS上で「#SupportMosesIngram(モーゼス・イングラムを支持します)」というハッシュタグが作られたり、彼女のInstagramをフォローすることでサポートを示すなどの動きも。

さらに、ライバル作とも言われる『スター・トレック』シリーズの出演俳優アンソン・マウントも「トレックファミリーも彼女を支持します」とコメントするなど、支援の輪が拡がっている。