イギリスで毎年開催される音楽の祭典、「ブリット・アワード」が、2022年からは性別によるカテゴリーわけを廃止すると発表した。今後は性別にかかわらず、アーティストたちの業績を称えることになる。

この動きは、サム・スミスやウィル・ヤングなどをはじめとするミュージシャンや、音楽ファンたちからの呼びかけを受けたもの。数年前から、アワードをよりインクルーシブ(包括的)にし、LGBTQ+のアーティストも受賞できるものに変えるべきとの声があがっていた。

ノンバイナリーであることを公言しているサム・スミスは、アルバム『Love Goes』が昨年、全英チャートで2位になったにもかかわらず、受賞を逃している。

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2019年の授賞式に出席したサム

これについてサムは、賞が性別に基づいてカテゴリーわけされていることが関係しているとの見方を示し、すでに削除したインスタグラムへの投稿で、約1480万人のフォロワーたちに向けて次のようにコメントしていた。

「私にとって音楽は常に、分裂ではなく結束を意味するものでした。このアワードが、私たちが生きる社会をよりよく反映したものになることを期待しています」「性別、人種、年齢、能力、セクシャリティ、階級に関わりなく、すべての人たちをたたえましょう」

ブリット・アワードは1977年の初開催以来、性別ごとに各賞を授与してきた。そして、主催団体の英国レコード産業協会は2019年、そのカテゴリーわけを今後どのように行うべきかについて、見直すことを約束していた。

協会のスポークスパーソンを務めるジェンナーロ・カスタルド氏は、「このアワードをいまゼロから始めるとすれば、きっとこれら(新しいカテゴリー)で、受賞者を決めていたでしょう」と発言している。

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賞に関する変更により、今年受賞したシンガーのデュア・リパとラッパーのJ・ハスは、性別ごとにわけられた国内の「ベスト・ソロアーティスト」賞を最後に獲得した人として、歴史に名を残すことになる。

デュア・リパのマネージャーは今回の決定を歓迎。BBCに対して、次のように語っている。「ブリット・アワードが才能を最優先した、よりインクルーシブな賞になることに向けて前進しているのは、嬉しいことです」

そのほか変更によって影響を受けるのは、インターナショナル部門。今年は男性と女性のソロ・アーティスト賞に、ザ・ウィークエンドとビリー・アイリッシュが選出されたが、来年からこれらの賞は、「ベスト・インターナショナル・アーティスト」に置き換えられる。

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ザ・ウィークエンド

来年の授賞式は、2022年2月8日(火)にロンドンのO2アリーナで開催される予定。6年ぶりにアルバムをリリースしたばかりのアデルが、いくつかの賞を獲得するとすでに予想されている。

From COSMOPOLITAN UK