社会問題とされている「セクシャルハラスメント(セクハラ)」。ここ近年話題になっているのが、いわゆる男性がセクハラの被害者になる「逆セクハラ」と呼ばれるケース。

これまで「被害者側」にまわることが多かった女性が、気づかぬうちに「加害者」になってしまっているなんてことも…。無意識のうちに加害者にならないためにも、男性にアンケート調査を実施!他人事とは思えない身近な事例から、自分の言動や行動を振り返ってみて。

20代男性に聞いた! 「セクハラ」実体験

Case1 距離感が近すぎる

「職場の飲みの席で『それって逆セクハラじゃない?』と思うことは多々ありますね。女性の先輩や上司の過度なボディタッチや、許可する間もなく『一口ちょうだい」』と若手男性社員のドリンクを勝手に飲んだり…。自分が男性上司にされたら、確実にセクハラだと騒ぐことを普通にされると居心地はよくないかも」(会社員24歳 K.I)

Case2 性別や年齢を理由に怒られる

「仕事で些細なミスをした時、確認を怠った自分にももちろん非はありますが、『出世ルートに乗り損ねたら男は辛いよ…』や『新人じゃなければ許されない』など顔を合わせる度に執拗に責められ、会社に出勤するのが億劫になった時期があります」(会社員24歳 D.Y)

Case3 “男はこうあるべき”の概念は一生変わらない!?

「結婚を前提に付き合う彼女の両親に挨拶に行ったときのこと。大手企業に勤める彼女と僕が勤めるベンチャー企業を比較され、将来のことを心配されました。その時点でも落ち込んだけれど、後日、そのことを女友達に相談したら『それはしょうがないんじゃない?』と言われてしまいました」(会社員27歳 H.S)

Case4 プライベートなことへのお節介

「出先でのランチや飲み会などで執拗に彼女との関係や不満などを聞き出そうとしてくる女性上司。『早く彼女にプロポーズしてあげないと』や『プロポーズのタイミングを逃したら、振られちゃうよ』など正直余計なお世話と思いながら、聞き流しています」(会社員25歳 Y.Y)

Case5 いつのまにか“お気に入り”に

「後輩として可愛がってもらえるのは嬉しいけれど、それ以上の感情を職場で感じることがあります。飲み会の席での距離や関係の薄いプロジェクトに指名で途中参加など…。周りからは『○○さんのお気に入り』と露骨に冷たい目線で見られることに疲れるし、会社に居づらいです」(会社員24歳 S.T)

Case6 体型や外見で判断される

「女性が多い職場なのもあるかもしれませんが、みんな見た目の変化にはかなり敏感。『また太った?』など体型や外見のことで意見されると『またか…』と思います。挨拶やイジり程度にしか思ってないかもしれませんが、いい気分ではないし、正直返事するのも面倒くさい」(会社員28歳 S.M)

どうすれば「セクハラ」は改善される?

☑︎ 過度な接触は避けるべし!

「男女問わず、自分のパーソナルスペースに踏み込まれ、過度の接触をされることに、誰だって強い不快感を抱くはずです。『親しき仲にも礼儀あり』という言葉があるように、立場に関係なく、お互いを尊重した距離感を」(会社員24歳 K.I)

☑︎「男性だから…」というワードは立派なセクハラ

「ミスで怒られるのは仕方ないけれど、言葉選びで印象が違います。言い方やワードチョイスで、性別や年齢による理不尽な理由をつけていないか、一度確認してほしいです」(会社員24歳 D.Y)

☑︎ ステレオタイプに流されない

男性はこうあるべき、というステレオタイプは今の時代には合っていないと頭ではわかっていても、ふとした瞬間の言葉として何気なく発している人も多いと思います。他人事とは思わず、自分もそうかもしれないと振り返ってほしいです(会社員27歳 H.S)

☑︎ プライベートのことに踏み込むのはNG

「人生の先輩として親切心でアドバイスしているつもりでも、特に異性関係は性別問わず、他人には触れられたくない人が多いはず。幸せの定義や価値観は人それぞれであることを、心にとめておいてほしい!」(会社員25歳 Y.Y)

☑︎ 仕事上のえこひいきはお互いに不利益

「職場で冷遇されることも嫌だけど、優遇され過ぎることも逆セクハラだと感じます。優遇されている側の男性社員は社内で疎外感を感じるし、優遇している側の社内評価も落ちていることを自覚してほしい」(会社員24歳 S.T)

☑︎ 「逆の立場だったら…」を考えて

「仲がいいからこそ、外見のことについてネガティブに言いがち。一種のコミュニケーションではなく、何気なく傷つけている可能性もあるということを考えてほしい。『逆の立場だったら』と想定して、自分が嫌なことはしないようにしています」(会社員28歳 S.M)

まとめ

セクハラの定義は非常に難しく、“被害者がどう感じたのか”がポイント。それは、あなたにとってはコミュニケーションの一環としての発言や行動も、相手にとっては嫌悪感や不快に感じる場合もあるということ。

立場や状況に関係なく、常に相手に対して敬意を払いながら接することができれば、知らぬ間にセクハラ加害者に…なんて事態も防げるのではないでしょうか。