ダイアナ・ロスの娘で俳優のトレイシー・エリス・ロスの不朽の名言を借りれば、マリリン・モンローには「恋人たちの輪」があった。つまり、彼女は3回結婚し、その前後のシングル時代にもたくさんのボーイフレンドがいたということ。

しかし、多くの恋愛における問題と同じように、マリリンのお相手との関係やその後の結末は、見た目ほど白黒はっきりしたものではなかった。ここでは、6月1日のマリリンの誕生日を記念して、その伝説的な夫婦関係を深く掘り下げてみよう。

ジェームズ・ドハティ(最初の夫):1942-1946

james dougherty and marilyn monroe
Michael Ochs Archives//Getty Images

マリリンが当時21歳だったジェームズ・ドハティと結婚したのは、わずか16歳のとき。米『ヴァニティ・フェア』誌によると、マリリン(当時はノーマ・ジーン)の後見人のグレース・マッキーが引っ越すことになった際に、マリリンにジェームズと結婚するよう持ちかけたとされている。

ジェームズが海兵隊に入隊し、マリリンがキャリアをスタートさせたことが原因だとも言われているが、2人の関係は徐々に悪化。マリリンが亡くなってから10年以上が経った1976年に、ジェームズは『ピープル』誌に「もし私が第二次世界大戦中に海兵隊に入らなければ、彼女は今もドハティ夫人だったでしょう」と語っている。

ただ、マリリンにとってこの関係は決して長く続くものではなかったよう。ジェームズとの結婚について、マリリンは「彼と初めて2人きりで過ごした夜から、私たちの関係は基本的に不安定だった」と日記につづっている。

ジョー・ディマジオ(2人目の夫):1954-1955

joe dimaggio and marilyn monroe kiss
Bettmann//Getty Images

1952年、演技の世界で活躍していた26歳のマリリンは、ニューヨーク・ヤンキースのスター選手で、当時野球界から引退したばかりだったジョーとブラインドデートで出会った。2人とも驚いたもののすぐに惹かれ合ったとか。

『マリリン・モンロー 最後の真実』(1993)の著者ドナルド・スポトによると、ジョーはマリリンを「美しいブロンドのショーガールで、献身的な母親にも主婦にもなりうる」と思ったという。一方、『ピープル』誌によると、マリリンの方は「ニューヨークらしい派手なスポーツ選手だろうと予想していた」ものの、「すぐに言い寄ったりしない控えめな男性」で、「私のことを特別な存在として扱ってくれた」と感じたそう。

1954年1月14日、ジョーの故郷であるサンフランシスコの市庁舎で結婚式を挙げた2人だが、同年10月には離婚を申請。ジョーのエゴで結婚生活が破綻したという説も多い。『ピープル』誌によると、マリリンは、自身が主演した『7年目の浮気』(1955)で、スカートが風で舞い上がるあのシーンがジョーにとっての「決定打」になったと語っており、ジョーは「(彼女の)脚や太もも、ショーツのクロッチ部分までもが露わになった」と話していたそう。

でも、これを聞いてほしい。マリリンが亡くなったあと、ジョーは週に3回もマリリンのお墓に花を送ったのだ(!)。しかも、20年間も(!!)。

アーサー・ミラー(3人目の夫):1956-1961

marilyn monroe and husband arthur miller in car at idlewild
New York Daily News Archive//Getty Images

マリリンと劇作家アーサーの出会いは、1950年にマリリンが『素晴らしき哉、定年!』(1951)の撮影をしていたときのこと。ある日、撮影現場で共通の友人に紹介されたのがきっかけだとか。

その5年後、マリリンがジョーと離婚すると2人は再会。その後水面下で交際を続け、1956年6月に結婚した。『ピープル』誌によると、結婚した同年にマリリンは「本当に恋をしたのはこれが初めて」で「私は彼に夢中なんです」と語っていたそう。

だが、マリリンがアーサーが脚本を手がけた映画『荒馬と女』(1961)の撮影に参加し始めたころには結婚生活には問題が生じていた。繰り返す流産、アーサーから投げられる心ない言葉、マリリンの薬物中毒などが重なり、映画の公開前に離婚。その19カ月度、マリリンは薬物の過剰摂取により36歳でこの世を去った。

ボーイフレンドたち

さらにマリリンは、3度の結婚の合間に、ゴールインこそしなかったものの多くの映画監督やスターたちとも浮き名を流した。その顔触れは以下の通り:

  • エリア・カザン(監督、俳優)
  • チャールズ・チャップリン・ジュニア(俳優)
  • ミルトン・バール(俳優)
  • マーロン・ブランド(俳優)
  • フランク・シナトラ(歌手)
  • ジェリー・ルイス(俳優)

そしてもちろん、マリリンがジョン・F・ケネディ大統領と関係を持っただけでなく、大統領の弟のロバート・F・ケネディにも手を出したという噂も忘れてはいけない。ただ、いずれも証拠はないから、昔のハリウッドの言い伝えということにしておいて。

しかし、こんな言葉も残されている。2012年、伝記作家のジェームズ・スパーダは『ピープル』誌に対して「マリリンがボビー(弟ロバート)とジャック(兄ジョン)と性的関係を持ったことはかなりはっきりしていた」と語っている。これをどう解釈するかはあなた次第!

From COSMOPOLITAN US