『ショーシャンクの空に』(1994)や『セブン』(1995)、『ダークナイト』シリーズなど数々の名作・大作に出演し、『ミリオンダラー・ベイビー』(2004)ではアカデミー賞助演男優賞も獲得している大物俳優モーガン・フリーマン。8人の女性が、性的な発言をしたり許可なく体を触ったりしたとして、彼を訴えたことが報じられた。CNNが新たに調査を行い、16名に話を聞いたところ、そのうち8名が、フリーマンの不適切な行為を告発したのだそう。「ハラスメント」だと言う人もいれば、「不適切なふるまい」と表現している人もおり、残りの8名は、そうした行為を目撃したと述べている。

事件は撮影現場と彼の製作会社レヴェレーションズ・エンタテインメント(Revelations Entertainment)の双方で起こったが、仕事を失うのを恐れ、誰もフリーマンのことを報告しなかったという。

CNNのレポートに対し、フリーマンは「私のことを知っている人や、私と一緒に仕事をしたことがある人なら、私が意図的に人を傷つけたり、故意に不安にさせたりするような人間ではないとわかってくださっています。不快に感じたり、無礼に感じられたりした方には、お詫びいたします。決して故意におこなったことではありません」と語っている。

またCNN は、レヴェレーションズ・エンタテインメントの共同設立者であるロリー・マクレアリーの代理人にコメントを求めたが、現在のところ返答はないもよう。<エスクァイア>も、マクレアリー氏の代理人にコンタクトを取った。

多くの人々がCNNに対し、フリーマンの不適切な行為など目撃したことはなく、彼はプロフェッショナルな人物だとも語っているが、「職場での不適切な行為」についてCNNに尋ねられた人のなかには、CNNが誰についてのことかを明かす前に、モーガン・フリーマンの名前を挙げる人もいたとのこと。

「セクハラについてどう思うかい?」

CNNが調査した女性のなかには、フリーマンが彼女たちの体について性的な発言をするため、彼がいる場では体のラインが出る服を着るのを止めたと言う人もいた。また、女性に「グルグル回れ」と指示し、上から下まで眺め回したり、ある女性インターンに近づいて、彼女が立ち去るまで肩をマッサージしたりしたことなどもあったという。

元レヴェレーションズ・エンタテインメントの女性社員は、ドキュメンタリー『モーガン・フリーマンが語る宇宙』の撮影現場で、男性たちに囲まれたフリーマンが彼女を上から下まで眺め、「セクハラについてどう思うかい?」と聞いことがあったと語る。彼女が皮肉たっぷりに「大好きです」と答えると、フリーマンは男性たちのほうを向き、「わかったかい? こうやるのさ」と言ったと明かしている。

調査はどのように始まったのか

CNNの記者クロエ・メラスは、映画『ジーサンズ はじめての強盗』の記者会見時、主演のフリーマンが彼女に不愉快な発言をしたことを振り返った。彼女は当時妊娠6カ月だったが、フリーマンは彼女に「僕がそのお腹の中にいたかったな」「君は成熟しているね」と言ったという。

メラスがこの出来事をCNNに報告すると、CNNはワーナー・ブラザースに対し訴えかけたが、ワーナーは、その2つの発言のうちひとつしかビデオに収められていないため、協力できないと断ったのだそう。この一件以来、彼女はほかにも似たような経験をしたことがある人はいないかと数カ月にわたる調査を開始し、そして今回の報道につながったというわけだ。

彼は私のスカートをめくろうとした

CNNのレポートによると、彼の行為が、発言だけでなく不適切なボディタッチになっていったケースもあった。2015年、映画『ジーサンズ はじめての強盗』の製作アシスタントだったとある女性は、フリーマンによりほぼ毎日不愉快にさせられていたと告白。「ある日、彼は私のスカートをめくろうとし、私が下着をはいているかどうか聞いたのです」と、彼女は言う。

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『ジーサンズ はじめての強盗』で共演したアラン・アーキン(左)とフリーマン。

実際このときは、同作の共演者が介入せざるを得なくなった。「アラン・アーキンが、フリーマンにやめるように言ったのです」と彼女は話す。「するとモーガンは取り乱して、何も言えなくなっていました」。この件について、アーキンもコメントを出していない。

ハリウッドを揺るがす大物俳優のハラスメント事件、今後どのような展開になるのか、続報に注目して。

この翻訳は、抄訳です。

TranslationReiko Kuwabara

From:Esquire