最新のWHO報告書によると、十中八九、あなたも、あなたの元交際相手も、将来のパートナーも、なんらかのヘルペスウィルスを持っているという。
性交渉感染症(STD)の世界的な有病率をWHOが調べたところ、50歳代以下の3人中2人が何らかのヘルペスに感染しているという推定結果が出た。通常は口内に留まるものだが、避妊対策をしていない状態でのオーラルセックスにより下半身に移る単純ヘルペスウィルス・タイプ1(HSV-1)の感染者は約37億人。加えて、主に性行為感染によって、相手の外性器から接触感染して、性器から性器へと広がる性器ヘルペスとして知られる単純ヘルペスウィルス・タイプ2(HSV-2)の感染者は4億1700万人に上るという。
同報告書には、HSV-2の感染者がHIVに感染し、それをまた移してしまうリスクが比較的高いとも、漠然と示されている。これは、発症したヘルペスの傷口が開いた状態でHIV患者と性的接触を持った際に起こりうる。総じて、これらの結果は、研究者に効果的な予防ワクチンの開発を促すよう懇願する人々の声を代弁するような形にもなった。
しかし、一点だけ、伝え損ねているメッセージがある。
それは、ヘルペスはほとんどの場合大して深刻な病気ではないということだ。もちろん目に見える形で傷が膿むため、醜い印象を与えてしまうのがネックだが、抗ウィルス薬で抑えられるものだし、発症時の性的接触を避けてさえいれば大した問題ではない。そもそもヘルペスは漸近的であり、感染者の多くが発症の確率が低い、あるいはゼロに等しい場合も多いのだ。
だからといって性感染症検査やコンドームの使用をないがしろにしてはならない(生涯付き合うことになるウィルスの感染を防げる上、その他より危険な性病の予防にもつながるからだ)。
※この翻訳は、抄訳です。